8-1 ネコ戦士、ニワトリをもらう
バツ村でフリーザードラゴンに遭遇した後、大型モンスター出現の報が王都から来ることはなく、次の出撃要請を待ちながら、私はベリー村でいつも通りに過ごしていた。
王都から戻ってから数日経ったある日、ギルド長が先触れもなくやってきた。
珍しく、小さな荷車を引いて、いつもより少しゆっくり馬を走らせてきたようだった。
そして、アクアドラゴン撃退の報酬金3万ジロを渡してくれた後、
「ネコ戦士殿、約束していたニワトリを連れてきた」
とギルド長は言った。
「ニワトリにゃー?!」
昼ご飯をもらおうと村をうろついてた私は四つ足で走り出して、荷車に向かった。
小さな荷車には木でできたオリみたいなのが載ってて、その中にニワトリが四羽いた。
オス一羽とメス三羽だ。
「にゃにゃっ!!ちゃんとオス一羽メス三羽連れてきてくれたにゃ!!ありがとにゃ!!」
私が荷車のとこで興奮して跳び回ってると、村のみんなも集まってきた。
「これは…ニワトリ…か…?」
ニワトリをしげしげと眺めて村長がそう言ったので、
「そうにゃ!ちゃんと飼ったら、みんなで少しずつ卵食べられるにゃ!!」
私ははしゃぎながらそう答えた。
「卵…!!」
「卵が食べられるようになるのか…!!」
村のみんなも興奮していた。
この前ギルド長がくれた30個の卵は、みんなで少しずつ食べて、もう半分以上なくなってた。
でもこれからはもっと、普通に卵を食べられるようになるんだ。
「飼うって…どうしたらいいの…?」
アンナがちょっと不安そうに言うと、ギルド長が荷車から大きな布袋をかついできて
「ニワトリを飼育している者から、ニワトリのエサとしているモロコシの実をもらってきた。これに野菜クズなどを混ぜて与えるそうだ」
と説明してくれた。
よっしゃー!!
ニワトリ飼うぞー!!
ギルド長は馬を休ませた後、また王都に戻って行って、私たちはオリに入ったニワトリを取り囲んで
「どこで飼う?」
「やっぱり広場か?」
といろいろ話し合った。
ニワトリって確か、結構飛べてた気がする。
そんな動画を見た覚えがあったので、
「ニワトリ、結構飛ぶから小屋を作るにゃ!」
と私はニワトリ小屋の建設を勧めた。
すると大工のエドさんが
「どんな小屋を建てればいい?」
と私に尋ねてきた。
私は地面に爪を立てて、ニワトリ小屋の大体の形を描くことにした。
ふんふんとうなずきながらそれを見ていたエドさんは
「そうか。じゃあこのオリが大きくなったようなのを建てて、上からモールの皮をかぶせるといいかもな」
と言った。
そしてエドさんは二人のお弟子さんと一緒に材木を切ったり削ったりし始めて、あっという間にオリっぽいものを作り、上からモールの大きな皮をかぶせて留めて、ニワトリ小屋を作ってくれた。
ヒトが出入りできるように戸もつけて、カギになるかんぬきもつけて、産卵部屋になる箱やとまり木も作ってくれた。
完璧だ。
「こんなもんでいいか?」
とエドさんが聞いてきたので、
「完璧にゃ!さすがエドさんにゃ!!」
と私は前脚で拍手をして、エドさんをほめたたえた。
できあがったニワトリ小屋にニワトリを放すと、ニワトリたちは早速小屋の中を歩き始めた。
エドさんのお弟子さんがエサ入れと水入れを作ってくれてて、ニワトリたちはエサを食べたり水を飲んだりした。
王都からベリー村までの長旅で疲れたと思うけど、ニワトリたちは落ち着いてて、もう新居になじんでくれたようだった。
オス一羽にメス三羽いれば、有精卵も産むようになるだろう。
そしたら、ヒヨコだってみられるかもしれない。
毎日メス三羽が卵を産んでくれたら、みんなで少しずつ卵も食べられるようになるし…
私はわくわくしてきて
「ニワトリさん、いっぱい卵産んでにゃ」
と、ニワトリ小屋にへばりついてニワトリたちに声をかけた。
するとニワトリたちは
「コケーッ!!」
と叫んで私から逃げて行ってしまった。
…私がネコだから…か…?
私がしょんぼりしてると、
「俺がニワトリたちの世話をするよ。モモちゃんは色々忙しいからな」
とカールさんが言った。
まあ、村みんなのニワトリだし、村長の孫のカールさんが世話をするのに文句はないけど…
「…私もニワトリと仲良くなりたかったにゃ…」
そう言ってため息をついたら、カールさんが
「俺といっしょに小屋に入って少しずつ慣らしてったら、きっとモモちゃんにもなついてくれるよ」
と慰めてくれた。
「にゃあ…そうするにゃ…」
私がそう言いながら、ちらっとニワトリたちを見ると、ニワトリたちはまた
「コケーッケッケッ!!!」
と叫んで逃げて行った。
…ニワトリたちとの戦いも始まるのか…?
第8章開始です~。今日はネコの日なので…ってわけでもないんですが、1-1と4-6に挿絵を入れました。1-1のはもう入れるのやめようと思ってたやつですがwとにかくハッピーネコの日!!です~




