25-3 ネコ戦士、雷竜をモモイロヒヒたちに紹介する
王都にティド村、ロナ村、そしてバツ村。
ヒトの住んでいるところには全部、サンちゃんを紹介しに行って、どこも好感触だった。
…と考えて、私はふと思いついた。
そうだ、モモイロヒヒたちとも友好関係を築いてるんだし、モモイロヒヒたちにもサンちゃんを紹介すべきじゃない?
でも、サンちゃんはもうすっかり大きくなったので、南門を出て林を通って森林地帯に行くのは、ちょっと難しい。
ヘタしたら、木の枝に引っかけて翼が傷つくかもしれない。
そう考えた私は、モモイロヒヒたちを呼ぶことにした。
以前ギルド長とケラーさんと一緒に森林地帯を探索した時に確認できたモモイロヒヒの一家は五組。
15頭ぐらいなら、南の畑の端っこに並んでもらえるかも…
「バーサさん、ちょっとお願いがあるのにゃ」
とバーサさんに言うと、
「何だい?改まってお願いなんてさ」
バーサさんが笑ったので、
「南の畑に、モモイロヒヒ15頭ぐらい集まってもらいたいんにゃけど…いいにゃ?」
私はそう言ってみた。
バーサさんが目を見開いた後、
「モモイロヒヒ全員を集めるのかい?なんだってそんなことを…」
と言ったので、私は事情を説明した。
そしたらバーサさんはうなずいて、
「確かに…今のサンちゃんには、木の間を歩いていくのは大変そうだねぇ。よし、モモイロヒヒたちを呼んでいいよ!」
と言ってくれた。
私は早速サンちゃんを連れて南門を出て、
「果実を食らう者たち、全員ここに集まってにゃーっ!!」
と大声で叫んだ。
サンちゃんはびっくりしてたけど、すぐにぴんときたみたいで、
「サンちゃんのおともだちつくる?」
とうれしそうに言った。
「そうにゃ。ヒト族だけじゃなくて、果実を食らう者たちとも友達になってほしいのにゃ」
私がそう言うと、サンちゃんは
「うん!サンちゃん、みんなともだちになる!」
と笑った。
そうしてしばらく待っていると、林の奥からモモイロヒヒたちが次々にやってきて、
”王よ 我らに 申したいこと あるか”
と、畑に来ていた一家のオスが言った。
王ってナニ?!
私はメスだから、それを言うなら女王でしょ?!
女王様とお呼び!!とか言ってみようかと思ったけど、恥ずかしいので想像だけで止めといて、私はモモイロヒヒの群れに向かって言った。
「この子は、血はつながってないけど、私の子供にゃ」
私の言葉に、モモイロヒヒたちはざわめいた。
”…子供… 血 つながらなくても 子供…?”
モモイロヒヒのオスが不思議そうに言ったので、
「この子は卵の頃から私が育てたのにゃ。血はつながってないけど、大切な大切な我が子なのにゃ」
と私は説明した。
すると黙っていたサンちゃんが
「サンちゃんだよ!みんなとともだちになりたいんだ!おねがいします!」
と言って、モモイロヒヒたちに頭を下げた。
モモイロヒヒたちは黙ってたけど、畑にいたメスが口を開いた。
”子供 大切 わかる”
メスがそう言ったら、他の四頭のメスたちもうなずいた。
オスたちは迷っているようだったので、これはダメかな…と思っていたら
「サンちゃん、カミナリあつめられるよ!」
とサンちゃんが言って、オスたちが目を見開いた。
…ん?!どういうこと???
”冬の前 雨降る時 リンゴに カミナリ落ちて 枯れた”
オスがそう言ったので、私は驚いた。
「にゃっ?!雷が落ちてリンゴが枯れたのにゃ?!みんな、ケガとかしてないにゃ?!」
私が慌てて尋ねると、
”けが ない でも前 森にカミナリ 落ちなかった”
オスはそう答えた。
…ちょっと待って。
えぇと…前は森に雷は落ちなかったのに、最近落ちるようになった…って…
まさか…前のサンダードラゴンは空からの雷を集める避雷針みたいな役割をしてたのに、私が倒しちゃったから、森に雷が落ちるようになった…ってこと?!
私が考え続けていると、
「だいじょうぶ。サンちゃんうまれたから、サンちゃんにカミナリあつまる。そしたらりんごのきに、カミナリおちないよ!」
サンちゃんがモモイロヒヒたちに向かってそう言った。
するとモモイロヒヒたちの表情が一気に和らいで
”トモダチ…なろう 森 守ってくれ”
とオスが言った。
「うん!サンちゃん、ともだちまもる!みんながりんごいっぱいたべられるように、まもるよ!」
サンちゃんがそう言ったら、モモイロヒヒたちはみんな上を向いて、歓喜の雄たけびみたいなのを上げた。
森に戻って行くモモイロヒヒたちを見送りながら、私は考えた。
…これって、ケラーさんがめっちゃ喜びそうな新事実だな…と。
この話で多分、「ネコ好き女子、ネコ戦士になる」222話目です。222は、ネコ好きにとって特別な数字です。にゃんにゃんにゃん、ですw 今日は頂きもののマグロの刺身をネコと一緒に食べたんですが、ネコはマグロを食べた後、珍しく戻してしまいました。ネコ用缶詰食べないうちのネコの大好物なんですが…年を取って胃が弱ってるのかも…




