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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第25章 ネコ戦士、ベリー村を広げる

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25-2 ネコ戦士、人々の優しさを噛みしめる

村長宅で少し休んでお昼ご飯を食べた後、ケラーさんは王都に戻ることになった。

「ケラーさん、具合が悪くなったら、すぐ傭兵さんに言うんにゃよ」

帰り道でまたあんなことになったら…と思うと心配で、私はケラーさんに言った。

「はっ!我々も所長の様子に留意しつつ、王都に帰還いたします!」

傭兵たちがそう言ってくれたので、私はちょっと安心したんだけど、カールさんはまだ心配だったようで、

「ケラーさん、これを着て行ってください」

と言って、フリーザードラゴンのウロコのベストをケラーさんに差し出した。

ケラーさんが

「む…?これは、風変わりな衣服であるな」

と首をひねったので、

「凍竜さんのウロコにゃ。この村ではみんな着てるにゃよ。寒さに強いのにゃ」

と私は説明した。

ケラーさんは飛び出るぐらい目を見開いて、

「なんとっ?!」

と仰天したけど、カールさんにベストを着せられて

「こ、これは確かに、寒さが感じられぬ…!!」

と言いながら、ベストを撫でまわした。

「この寒さで体調を崩したのかもしれません。俺はまだ若いので大丈夫ですよ」

カールさんがそう言って、ケラーさんに笑いかけた。

そしたら周囲がちょっとだけ寒くなって、空から何かがぱらぱらと落ちてきた。

落下物の気配を感じて私がそれを受け止めると、フリーザードラゴンのウロコだった。


”それでかーるに新たな皮をあつらえてやるが良い”

「にゃっ?これでカールさんに新しいベスト作らせてくれるにゃ?ありがとにゃ!!」

私が空に向かってお礼を言っていると、

「凍竜様がこの上にいらっしゃるのか…?」

ケラーさんも空を見上げた。

「凍竜さん、一部始終見てたんだと思うにゃ。自分が今降りて来たら、ケラーさんがまた体調崩すかもって思って、降りてこずにカールさんの分のウロコだけ落としてくれたんだと思うのにゃ」

と私が言うと、

「おお…なんと慈悲深きお方よ…凍竜様、ありがたく存じます…!」

ケラーさんは、フリーザードラゴンがいると(おぼ)しき空を拝んだ。

カールさんも空に向かって、

「凍竜様、ありがとうございます!」

と笑って言ったら、フリーザードラゴンの気配が少し遠ざかった。

「凍竜さん、また角あっためるから、帰ってきてにゃー!!」

返事はなかったけど、きっとうなずいてくれてるんだろうな…と私は思った。


ケラーさんがカールさんの分のベストを着て王都に出発した後、早速ケンさんがカールさんの新しいベストを作ってくれた。

「凍竜さんは、ホントに優しいねぇ」

バーサさんがそう言ってほほえんだので、

「あのひとの優しさは無自覚だからにゃあ。自分で自分のこと、優しいと思ってないのにゃ」

と言って、私は笑った。

自分で自分のことを優しいって言うヒトは、ただの自己満足とか、そんな感じだろう。

この村のヒトたちはみんな優しいけど、きっとフリーザードラゴンと同じで自覚はない。

「ベリー村のみんなも優しいのに自覚はないから、凍竜さんみたいなひとが惹きつけられるのかもにゃ」

また私が笑ったら、

「おっ?俺は優しいぜ!優しいだろ?」

とジンさんが言った。

当然ジンさんも無自覚で優しいんだけど、こうやって冗談っぽく言って、みんなを笑わせるんだ。

みんなが笑ってる中、

「そうだにゃあ、ジンさんは優しいにゃあ」

と言うと、ジンさんが

「今のは笑うとこだろ?!」

と言ったので、今度こそみんな大笑いした。


サンちゃんを国の各地に連れて行って紹介したので、それからしばらくはゆっくりできることになった。

その間に王様はティド村のために荷台が氷室になっている荷馬車を作ってくれたので、ティド村のヒトたちは、ロナ村やバツ村に直接魚を売りに行けるようになっていた。

色々なことが順調に進んでほっとしてた時、サンちゃんが三回目の脱皮をした。

「…こりゃまぁ…でっかくなったなぁ…」

ジンさんがサンちゃんを見上げて目と口を開きっぱなしにした。

三回目の脱皮を終えると、サンちゃんは全長5メートルぐらいになったので、もう私の家の中にはいられなくなってしまった。

そしたらエドさんが

「ファイアドラゴンの骨で作った倉庫みてぇなのを広場に建てねぇか?サンちゃん、寒いのダメなんだろ?」

と言ってくれた。

「サンちゃん専用の家建てるにゃ?!私も手伝うにゃ!!」

サンちゃんの今の大きさだと、モールの骨で建てる家は小さすぎるので、エドさんたちが材木を使って作ってくれることになった。

「うにゃあああああっ!!」

私が材木を地面に突き刺して柱を立てて、モールの皮を縫い合わせたやつを上からかぶせて、あっという間にサンちゃんの家は出来上がった。

テントみたいな家の入口は南に向けて、北風が入らないようにした。

「ありがとにゃ!サンちゃんの家、おいくらにゃ?」

私がお金の入った皮袋を持って行くと、

「何言ってんだよ!ほぼモモちゃんが建てたじゃねぇか!」

とエドさんは言った。

「ヒトがよすぎるにゃよ…」

と言いつつ、私は銀貨を三枚、エドさんに渡した。

「ライさんとジェイドさんは、新婚だからにゃあ」

と言うと、

「…そうか…じゃ、いただくぜ」

エドさんは笑って、手の平の銀貨に頭を下げて受け取ってくれた。

やっぱり、フリーザードラゴンも含めて、ベリー村のヒトたちは、みんな優しい。

私は改めて、みんなの優しさを噛みしめた。


挿絵(By みてみん)

 

昨夜もちょっとだけ涼しかったせいか、明け方にはネコが部屋で走り回って遊んでました。ネコが元気でいてくれると、私も安心して幸せな気持ちでいられます。あ…そろそろ暑くなってきたからエアコンつけよう…と思うぐらいには、今は暑いです…夏よ、早く終われ…!!

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