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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第24章 ネコ戦士、雷竜を連れて各地を巡る

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24-10 ネコ戦士、肝を冷やす

バツ村から戻るとすぐにサンちゃんを家で休ませて、私は王様に手紙を書いた。

魚を冷やして運べる荷馬車を、ティド村に作ってあげるようにと。

それによって、ロナ村とバツ村のヒトたちも一年中魚を食べることができるようになるため、国民みんな元気で長生き計画が、国中にちゃんといきわたるってこと。

「カールさん、王様に手紙送ってにゃ!」

とカールさんに頼むと、カールさんはすぐに伝書鳩の脚に手紙をつけてくれて、

「頼むよ!」

と伝書鳩にひと声かけて送り出した。

二時間ぐらいですぐに王様からの返事が届いて、

「今、王都の家具工場は家庭用の氷室を作るのに忙しいらしいけど、ティド村の荷馬車を優先するように頼んでくれるそうだよ」

カールさんが王様の返事を読み上げてくれた。

そして

「モンスター研究家のケラーさんが、サンちゃんに会いたいから、近いうちに来るってさ」

と続けた。

そういえば、王都にサンちゃんを連れて行った時、ケラーさんは現れなかった。

モンスター研究家のケラーさんなら、サンちゃんに会いたかっただろうに…

ティド村の設計とかで忙しかったのかな?

と考えつつ、サンちゃんが寝ている間に、私は久しぶりにクロたちとのんびりした。

「最近サンちゃん連れて走り回ってたからにゃあ…ごめんにゃあ」

クロたちに謝ると、

「ニャー、ニャニャー」

サンちゃんはもう少しで村から出るんだから、サンちゃんのトモダチ作る方が大事…って言った。

「みんな、優しいにゃああ!!」

私はクロたちの優しさに感動して、両前脚でクロ一家を抱きかかえて頬ずりをした。


二日後にケラーさんが来たんだけど、前みたいに馬に乗ってくるんじゃなく、傭兵たちの馬の引く馬車でやってきた。

「ケラーさん、久しぶりにゃ!忙しかったのにゃ?」

と挨拶すると、ケラーさんは

「うむ。ティド村復興のため、古文書をひっくり返したりしていたのでな」

と笑ったんだけど、なんか顔色が良くない。

「ケラーさん、顔色良くないにゃよ?働きすぎにゃ?」

心配になってそう言ったけど、ケラーさんは笑って

「大事ない。それよりサンちゃんとやらは、どこに?」

と言って、きょろきょろとあたりを見回した。

「サンちゃん、ここ!こんにちは!」

飛行練習をしてたサンちゃんが空から降りてきたので、ケラーさんは

「おお…前のサンダードラゴンとは違い、誠に翼があり、飛べるのだな…!!」

と驚いた。

「おじいちゃんも、サンちゃんのともだちになって!」

サンちゃんがそう言うと、ケラーさんは笑って

「おじいちゃんは、もう先は長くないが…友達になってくれるか?」

と言った。

「何を気弱なこと言ってるにゃ!まだまだ元気で、サンちゃんのことも色々研究するんにゃろ?」

と私が言うと、ケラーさんは

「そうであるな、まだ知るべきことは山のように…」

と言いかけて、倒れた。


地面に倒れる寸前に両前脚で受け止めたけど、ケラーさんの意識は、もうなかった。

「ケラーさん、どうしたんだい?!」

バーサさんが慌ててすっとんできたので、

「話してる途中で倒れたのにゃ!!動かさない方がいいかもしれないにゃ!!」

私はそう言って、ケラーさんを地面に寝かせようとした。

するとカールさんが敷布を持って走ってきて、ケラーさんの下に敷いてくれたので、その上にケラーさんを寝かせ、私はケラーさんの胸に耳を当てた。

「…心臓、止まってるにゃ…!!」

「ええっ?!」

みんな大騒ぎして、どうしようどうしようって感じでおろおろし始めたけど、ケラーさんからは、前村長が亡くなる時みたいな死の匂いはしなかった。

でも、このままほっといたら死んじゃうかもしれない…

心臓マッサージする?!

心臓マッサージのやり方なんて知らないよ!!

AED使ってるのはテレビで見たことあるけど…と考えて、私は腹を決めた。

「サンちゃん、ケラーさんの上に乗って、角を当ててにゃ!!こことここにゃ!!それでちょっとだけ雷出してにゃ!!」

私の言葉に、みんな

「えぇっ?!ちょ、ちょっと!!」

「そんなことしたら…!!」

と騒いだけど、サンちゃんは私の言う通り、ふわっとケラーさんの上に乗って、私の指差したとこに角を当てた。

そして

「ちょっとだけ、ちょっとだけ…」

と言いながら、サンちゃんは角から雷を放出した。

すると、ケラーさんの体がびくんと跳ねて、ケラーさんは息を吹き返した。


「ケラーさん、意識あるにゃ?!気分悪くないにゃ?!」

私が声をかけると、

「…ううむ…私は…いったい…?」

ケラーさんは横になったままそう言って、みんな、ほーっと長く息をついた。

「ケラーさん、心臓止まってたんにゃよ!!」

と言ったら、ケラーさんがびっくりして、

「な、なんとっ?!急に目の前が暗くなったと思ったら…私は死にかけていたのか?!」

と言いながら体を起こそうとしたので、私はケラーさんの背中に右前脚を差し込んで、ゆっくりと起こした。

「モモちゃんが何か思いついて、ケラーさんの体にサンちゃんの雷を出させたら、ケラーさん、息を吹き返したんですよ…」

カールさんが大きくため息をつきながらそう言うと、

「何っ?!サンダードラゴンの雷にはそのような効果もあるのか?!」

ケラーさんは目を見開いてサンちゃんを見た。

「うむ…何とも興味深いことであるな…」

というケラーさんの言葉に、バーサさんが呆れたように

「死にかけといて、まだモンスター研究のことを一番に考えてるのかい?」

と言った。

するとケラーさんは頭をかいて

「う…うむ…お恥ずかしい…サンちゃんや、ありがとうな」

と言った。

「おじいちゃん、ながいきしてね!」

サンちゃんがそう言ったら、ケラーさんが倒れて緊張感に包まれていた場が一気に和んで、みんな、ほっとして笑った。

 

第24章終わりです。今日はちょっとだけ気温低めなせいか、ネコが早朝から元気です。ヒトにも冷房があんまり必要ない気温なので、ネコには結構過ごしやすいようです。ご飯ももりもり食べてますし、このまま元気でいてくれれば…と思います。

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