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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第24章 ネコ戦士、雷竜を連れて各地を巡る

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217/225

24-8 ネコ戦士、雷竜を連れてバツ村に行く

サンちゃんが二回目の脱皮をしてまた大きくなったので、これは早く次に…バツ村に行かなきゃいけないと思った私は、翌朝早速バツ村に行くことにした。

王都に寄らず直接バツ村に行く街道を通れば、今のノアなら片道二時間ちょいで行けるだろう。

でも問題は、サンちゃんが寒さに弱いってことだ。

もう世界全体は冬で、特にバツ村は大陸の北なので、ベリー村とは比較にならないぐらい寒いだろう。

サンちゃん用の防寒着をケンさんに作ってもらおうかと思ってたら、

「サンちゃんにこれを着せてあげて」

カールさんが、自分の防寒着…フリーザードラゴンのウロコで作ったベストを差し出した。

「カールさん、寒くないにゃ?」

と聞くと、カールさんは

「俺は上着を一枚着れば大丈夫。ベリー村はそんなに寒くないからね。サンちゃんのお腹側からこれを着せて、手を通せば、少なくとも翼以外は包めるだろ?」

と笑って、サンちゃんに自分の防寒ベストを着せた。

「サンちゃん、さむくない。ぱぱ、ありがとう!」

サンちゃんがカールさんに笑いかけると、カールさんもサンちゃんに向かって笑った。

そして

「さあ、行っておいで。ノア、ふたりを頼むよ」

”うん、まかせて!”

ふたりが短くやり取りした後、私たちはバツ村に向けて出発した。


「こんにちにゃ!ネコ戦士のモモですにゃ!」

「こんにちは!サンちゃんだよ!」

大きな声であいさつをすると、すぐにバツ村の村長さんが家から出てきて

「ようこそいらっしゃいました。国王陛下より先に書状を頂いております。サンちゃん、こんにちは」

と言って、サンちゃんにもにこやかにあいさつをしてくれた。

「最近王都で家庭用の氷室を持つヒトが増えているため、氷の出荷量が増えているのですが、氷が張るのが間に合いそうになくなると、凍竜様がバツ池を凍らせて下さるのです」

村長は、ほほえんでそう言った。

「凍竜様のおかげで、夏の間も氷をきちんと納められるようになり、バツ村は本当に豊かになりました。凍竜様には感謝してもし足りません」

と言って、村長は鈍色の空を仰いだ。

「お金が儲かるようになったなら、魚も食べられるようになったにゃ?」

私がそう尋ねると、村長は首を横に振った。

「氷室のための氷を業者が仕入れに来るので、その時に魚を持って来てくれないかと頼んだのですが、業者は大量の氷を仕入れに来るため、空の荷馬車で来なければならないからと、断ったのです」

うわぁ…業者さん、商魂たくましすぎる…

でも業者さんは業者さんで、ボランティアやってるわけじゃないもんねー…

私はため息をつきそうになって、ふと思いついた。

「ティド村から直接、魚を買わないにゃ?」


バツ村の村長は、目を見開いた後

「それは…それが叶えば願ってもないことですが…ティド村からだと荷馬車で四~五時間はかかるのではありませんか?業者と同じような氷室のついた荷馬車でなければ、魚は腐るのでは?」

戸惑ったように言った。

「ベリー村の次にあったかいロナ村にも、ティド村から直接魚を売ることになってるにゃ。荷馬車じゃなくて、村のヒトが当日食べられる分ぐらいの魚を、一頭の馬だけで運ぶことにしてるにゃ」

そう言いつつ、私は先のことも考えてみた。

夏になれば、ティド村からロナ村まで二時間で行けても、魚は腐るかもしれない。

「…ティド村にも氷室の荷馬車があればいいのにゃ…!」

私の言葉に、村長は

「なるほど…そうして頂ければありがたい限りですが、そう簡単にいくでしょうか?」

と言った。

「大丈夫にゃ!魚を食べて国民みんな元気で長生き計画は、王様が推し進めてるのにゃ。王様に頼んで、ティド村への予算を増やしてもらえば、きっと叶うはずにゃ!」

ティド村の村民になった傭兵たちが乗っていた馬たちは、王様の計らいでそのままティド村の馬になったんだから、あとは荷馬車さえあれば…と考えていると、サンちゃんが

「サンちゃんのおともだちつくるー!」

と言い出したので、私は慌てた。

そうだ、サンちゃんを紹介しに来たんだった。


バツ村のヒトたちがみんな家から出てきてくれたところで、私は改めてサンちゃんを紹介した。

「こんにちは!サンちゃんだよ!ともだちつくりにきたんだよ!」

とサンちゃんが村人たちを見回して元気にあいさつすると、

「まあ、まだ小さいのにおりこうさんだねぇ」

ベリー村の前村長ぐらいの年頃のおばあさんが、サンちゃんにそう言った。

サンちゃんが

「おばあちゃんも、サカナたべて、ながいきしてね!」

と言うと、おばあさんは

「まあまあ…優しいんだねぇ…ありがとうね…魚、食べてみたいよ…」

と言ってほほえんだ。

そんなおばあさんを見て、サンちゃんは

「サンちゃん、サカナとってくる!!まえのらいりゅう、サカナとってたって、とうりゅうさんがいってたよ!!」

と言って飛び立とうとした。

「サンちゃんにはまだ無理にゃ!!海で溺れちゃうにゃよ!!ダメにゃーっ!!」

私が必死に叫ぶと、急に周囲の寒さが増して、雪と氷の粒が舞い散った。

フリーザードラゴンが来たんだ…!と、私はちょっとほっとした。

 

今日もネコは二階の手すりに飛び上がってました。暑さがちょっとマシだからなのか…それとも、ヒトにも良くあるらしい、死ぬ前の元気なのか…高齢のネコと暮らしていると、些細なことが気になります。できるだけ元気で長生きしてくれますように…!

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