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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第24章 ネコ戦士、雷竜を連れて各地を巡る

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24-7 ネコ戦士、雷竜の成長を複雑な思いで見守る

カールさんが解体してくれたツラーオを荷車に載せて村に戻ると、

「ままー!たすけてー!」

サンちゃんの声がした。

もしや…また脱皮?!

慌てて家に戻ると、またクロたちがサンちゃんの皮をくわえて引っ張っていた。

「みんな、ありがとにゃ!!あとはまかせてにゃ!」

クロたちにお礼を言って、前回と同じく浮いた皮に爪を立てて大きく切り目を入れて左右に引っ張ると、サンちゃんの皮はきれいに剥けた。

脱皮したサンちゃんはさらに大きく…頭からしっぽの先まで1メートルはあった。

「モモちゃん、サンちゃんは大丈夫かい?」

解体したツラーオをジンさんたちに渡してから、カールさんが家に入ってきて

「…また大きくなったなぁ…」

と驚いた。

「もう抱っこできないかもしれないにゃ…」

淋しくて思わずそう言ってしまったら、外から声が聞こえてきた。

”モモの何倍も大きかったボクを持ち上げたくせに、何言ってるの?”

呆れたような、ノアの声だった。

「…そうにゃ、ノアの言う通りにゃ。抱っこはできなくても持ち上げられるにゃ…!!」

私がちょっと変なテンションになってたせいか、

「サンちゃん、おそとでとんでみる!」

と言ってサンちゃんは家から出て行った。

…抱っこさせてよぉ…


家の外ではみんなが、ツラーオの肉や皮や骨を氷室や倉庫に片付けてる最中だったんだけど、

「うおっ?!サンちゃん、またでかくなったのか?!」

「あらまぁ、もうすっかり立派な竜っぽくなったねぇ」

「金色のウロコがすごくきれいだわ~」

大きくなったサンちゃんを見て、みんなそれぞれの感想を口にした。

するとサンちゃんは、脱皮したてでまだ畳まれていた翼を広げた。

フリーザードラゴンの翼を小さくしたような、立派な竜の翼だった。

「サンちゃん、ちょっととんでみる!」

と言って、サンちゃんは後ろ足でタタタッと走って広場に行き、翼を大きく動かした。

フリーザードラゴンの羽ばたきみたいなバサッという音がして、サンちゃんは飛び上がった。

「みんな、みてみてー!!サンちゃん、とべるよー!!」

「おおっ!!すげぇな!!」

「もう凍竜さん並みだねぇ」

みんなはサンちゃんの成長を素直に喜んでほめてくれたけど、私は複雑な気分だった。

サンちゃんとの別れの日は、刻一刻と近づきつつあるんだ…

そう思った私は、軽々と飛びまわるサンちゃんを、ほめてあげることができなかった。


「まま、サンちゃんとべるの、うれしくない…?」

思いに沈む私に、サンちゃんが不安そうな声で言った。

私は首を横に振って、

「…うれしいにゃよ…サンちゃんが立派になるの、うれしいにゃよ…」

とサンちゃんに言った。

「…でも、まま、うれしくないかおしてる…」

サンちゃんはとうとうしょげ返ってしまって、広場に静かに降りてきた。

ああ…私はホントに、ダメな親だ…

「サンちゃんが立派になるの、ホントにうれしいのにゃ。でも、そしたらサンちゃんが村に住めなくなって…ママから遠い所に行っちゃうって思ったら…やっぱりすごく、すごく淋しいのにゃ…!!」

泣きそうになりながら私がそう言うと、

「サンちゃん、やくそくした。とうりゅうさんみたいに、ままがよんだらすぐ、かえってこられるように、とべるようになるって。とおくにいっても、すぐとんでかえれるようにするって、やくそくしたよ?」

サンちゃんは私の前に立って、まっすぐに私の目を見て言った。

地面に立ったサンちゃんの目線は、もう私に近いぐらいの高さだ。

「そうだったにゃあ…そう言ってくれたにゃあ…」

私は、サンちゃんの首に抱きついて、泣いた。


私がサンちゃんの首に抱きついて泣いていると、カールさんが歩み寄ってきて、サンちゃんごと私を抱きしめた。

「…ホントに大きくなったなぁ…生まれたばっかりの頃は、手のひらに乗るぐらいだったのになぁ…」

「…カールさんも、淋しいにゃ…?」

と聞くと、

「当たり前だろ?卵にいるうちからみんなで話しかけてさ…生まれて少ししたら、俺たちとも話せるようになって、村のみんなにも可愛がられて…そんな子が、もうすぐ巣立つなんて…淋しいに決まってるだろ?」

私たちを抱きしめたまま、カールさんはそう言った。

「でも、遠く離れてもいつでも帰って来られるようにって、サンちゃんは小さい時から一生懸命、飛ぶ練習をしてくれたんだ。俺たちが死ぬまで、きっとずっと…いつでも会える。そうだろ?サンちゃん」

カールさんの言葉に、サンちゃんは小さくうなずいて

「サンちゃん、いつでもかえってくる。ままとぱぱがいなくなっても、えまたちのこどもたちがいたら、かえってくるよ」

と返した。

「…そうだにゃ…エマたちの子供たちや、その子供たちとも友達になって、ずっとベリー村に帰ってきてにゃ…!」

何百年も生きるサンちゃんにとって、45年なんて、きっとあっという間だろう。

サンちゃんがひとりにならないためには、ベリー村や王都のヒトたちに何代にもわたって、友達になってもらわなきゃいけない。

「もっともっと、友達作らなきゃにゃあ」

と言うと、

「うん!!」

と元気に返事をして、サンちゃんは笑った。

 

今日、久しぶりにネコが二階の手すりに飛び上がってました。高さは1メートルぐらいなので、ネコにはお手の物の高さですが、年を取ったせいか最近は飛び上がることはなくなってました。と思ってたけど、単に飛び上がる気が起きなかっただけなのか…?と思うぐらいの、見事な飛び上がりっぷりでしたw

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