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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第24章 ネコ戦士、雷竜を連れて各地を巡る

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24-6 ネコ戦士、カールを抱きしめる

私たちがロナ村から戻ると、

「おかえり、モモちゃん、ノア、サンちゃん」

カールさんが笑って迎えてくれて、

「ケンさんとエマの家の改築が終わったんだって」

と続けた。

ケンさんちはエマと二人で…ゆくゆくは二人の子供たちも住むことになるので、狭い住居部分を改築しなきゃいけなかった。

秋の始めに取り掛かったのになかなかできないなーと思ってたら、ケンさんの部屋を残しつつ、柱を建て替えつつ…という感じで、作業はかなり複雑だったらしい。

「これでやっと夫婦で一緒に住めるのにゃ~」

と言うと、

「うん、やっとマリアの部屋に居候しなくて良くなるから、ライさんがマリアの部屋に移れるわ」

エマがそう言って笑った。

大工のエドさんちにはエドさんの部屋とマリアの部屋の他に、お弟子さんのライさんとジェイドさんの二人部屋があるけど、ライさんがマリアの部屋に移ったら、ジンさんの娘のアンナがジェイドさんの部屋に引っ越すことになっていた。

「ジンさん、ひとりになったら淋しいにゃ?」

ジンさんにそう言うと、ジンさんは

「孫が生まれたらアンナのやつ、しばらくうちに戻るって言ってんだ。淋しくなんかねぇよ!」

と、ちょっと嬉しそうに笑った。


三人娘はそれぞれ結婚したから、そのうちみんな子供を授かるだろう。

カールさんと私には子供は望めないから、それはやっぱりちょっとだけ淋しい。

でも、仲良しの三人娘が今よりもっと幸せになるなら、それは私にとっても幸せだ。

リーナさんちの三人の子供達が王都の学校に行って、子供の声が聞こえなくなった村は、ちょっと淋しくなってたけど、近いうちにきっとまた、子供は増える。

そしたらまた、ベリー村は子供達の声が響く、にぎやかな村になるだろう。

私はカールさんと一緒に、この村のヒトたちがずっと平和で幸せに暮らせるように守っていこう。

カールさんと結婚できて、クロたちがいて、ノアがいて、サンちゃんがいて…私はもう十二分に幸せなんだから。

引っ越し作業に取り掛かったエマたち…村のみんなを眺めながら、私は改めて心に誓った。


翌朝、カールさんと一緒にニワトリの世話を終えると、

「よぉ、ツラーオの肉が残り少ねぇんだ。一頭倒してきてくれねぇか?」

とジンさんが私に言った。

「わかったにゃ。カールさん、行くにゃ!」

私はいつも通りジンさんに返事をして、カールさんに話しかけたんだけど、

「…えっ…あ、ああ、行こう!」

カールさんは何だかぼーっとしていて、反応が鈍かった。

「カールさん、体調悪いにゃ?やめとくにゃ?」

心配になったのでそう言ってみたけど、

「いや、大丈夫だよ、行こう!」

カールさんは私に笑いかけた。

まだなんか心配だったけど、とりあえず私はツラーオを倒しに行くことにした。


いつも通り東門を開けたとこで

「じゃ、カールさんはここで待っててにゃ」

と言って丘に向かおうとしたら、カールさんが私のしっぽをつかんだ。

「にゃっ?!何するにゃ?!」

しっぽをつかまれたのは初めてだったので、びっくりしてそう言ったら、

「ごめん……ごめん……」

カールさんはそう言って私のしっぽから手を放して、地面に膝をついて後ろから私を抱きしめた。

カールさんのただ事じゃなさそうな様子に私はさらに驚いて、

「どうしたのにゃ?何かあったのにゃ?」

とカールさんに尋ねてみた。

するとカールさんは

「モモちゃんが…モモちゃんがいなくなる夢を見たんだ…」

と言った。


「45年は一緒にいるって言ったにゃろ?まだ先の話にゃよ」

なぁんだ、悪い夢を見ただけなのかぁと私は笑ったんだけど、

「…俺はどこか、知らない所にいて…モモちゃんがいなくて…必死で探しまわったのに…いないんだ…ずっと、ずーっと、モモちゃん!モモちゃん!って叫び続けるのに、モモちゃんがいないんだ…!!」

そう言い続けるカールさんの目には涙が光っていた。

ただの夢でもカールさんにとって、私がいなくなるっていうのはものすごく辛いことなんだ…

私は何だかたまらなくなって…カールさんがいとおしくてたまらなくなって、カールさんの手を振りほどいて正面からカールさんの首にしがみついた。

「大丈夫にゃ…私はここにいるにゃ。年を取って死ぬまで、この世界でカールさんと生きるにゃ」

カールさんは言葉もなく、ただ泣いているようだった。

「その夢は、45年後ぐらいに私がいなくなった時にカールさんが悲しみすぎないように…もしかしたらヒトの神様が練習させてくれたのかもしれないにゃあ…」

「…45年後の…練習…」

カールさんの涙は止まったようで、

「…そうだな…親父を亡くして気落ちして死んだお袋みたいになりそうだもんな…俺…」

と言って、大きく息を吐いた。

カールさんが落ち着いたようなので、

「じゃ、待っててにゃ!」

と言って、私は丘を登ってすぐにツラーオを一頭倒し、頭の上に持ち上げてカールさんの所に戻った。

いつも通り手早くツラーオを解体するカールさんに

「解体してるカールさん、かっこいいにゃあ」

と言ったら、

「な、何言ってんだよぉ…」

とカールさんは真っ赤になって、私は笑った。

 

部屋の床や廊下で寝ているネコの横を通る時、いつも私は「トイレに行ってくるわ~」とかネコに向かって言います。意味が分かってるかどうかは分かりませんが、ネコはしっぽを振ってこたえてくれます。ネコと暮らす人あるある…だと思うんですが…とにかく私はいつもこんな感じです。

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