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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第23章 ネコ戦士、子育てをする

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23-6 ネコ戦士、ティド村で雷竜を紹介する

サンちゃんは魚でもリンゴでも食べてくれるし、雷の管理は私がやればいいし、少しだけど飛べるし…で、色々安心した私は、サンちゃんをアクアドラゴンにも紹介することにした。

新婚旅行に行ったり卵を預かったりしている間に、ティド村には四軒の家が建ち、ベリー村に滞在していた傭兵たちはそちらに移り住んでいた。

家々は上下水道工事も終わり、かまども作られて、ちゃんと生活できるようになってたけど、村長宅みたいな大き目の建物と柵や門を作るために、まだ王都の大工さんたちやギルド長は工事を続けているそうだった。

もう少しで完全復興するティド村にサンちゃんを連れて行って、ギルド長たちにも覚えてもらおうと思ったので

「明日にでもサンちゃんをティド村に連れてって紹介して来るにゃ」

と言うと、

「サンちゃん、馬に乗るのは初めてだろ?大丈夫かな…」

カールさんがちょっと心配そうに言った。

「サンちゃん、ノアに乗せてもらってお出かけするにゃ。ノアはすごく速いからびっくりするかもだけど、心配はいらないにゃ。ノアはあんまり揺れないように走ってくれるにゃよ」

”うん、大丈夫。速く走ってもあんまり揺れないようにできるから、まかせてよ”

私とノアがそう言うと、サンちゃんは

”たのしみ!!”

と、ホントにうれしそうに言った。


そして翌日、私はサンちゃんを袋に入れてノアに乗せてもらって、復興中のティド村に向かった。

ノアはいつも通り速く走ってくれたけど、なるべく揺れないように足運びに気を使ってくれていたので

”ノアおにいちゃん、はやい!!きもちいい!!”

サンちゃんは怖がることなく喜んでいた。

私はクロを抱っこひもの袋に入れてガイに乗った時のことを思い出した。

クロは怖がって、袋の中から私にしがみついてたけど、今やもうすっかり立派なお父さんだ。

サンちゃんの親であるサンダードラゴンを倒したのは、もう一年以上前…

時の経つのは早いなぁ…と思っていると、

”モモ、着いたよ”

ノアの声がして、私は我に返った。

「ネコ戦士殿、しばらく来ていなかったが、忙しかったのか?」

ギルド長がそう言いながら近づいてきて、私が体にかけていた袋に気づいた。

「もう仔ネコが生まれたのか?」

ギルド長がそう言うと、傭兵たちも寄ってきて

「えっ?もう仔ネコを連れてきてくださったのですか?」

と言うので、私は袋からサンちゃんを出して両前脚で抱え上げて

「仔ネコじゃないにゃ。サンダードラゴンのサンちゃんにゃ」

と言った。

そしたらギルド長が思いっきり後ずさった。

…まぁ、サンダードラゴンの雷に打たれたことあるもんねぇ…


とりあえず私は、フリーザードラゴンから卵を預かったことや、胎教の効果がすごくて、とってもいい子に育っていることなどをギルド長たちに説明した。

「それに、この子の親みたいに狂ったりしないように、地面に角を刺して雷を放出する方法とかも教えてるのにゃ。サンちゃんはあんなことにはならないにゃよ」

と言ったんだけど、ギルド長はまだ不安みたいで

「う…うむ…」

と言うだけだった。

そしたらサンちゃんが、

”まま、サンちゃんとんでみせてあげる”

と言った。

そして私の両前脚の中から飛び立った…けど、まだ翼が小さいので、一生懸命翼を動かしても、ゆっくり落ちていった。

私が両前脚を伸ばしてサンちゃんを受け止めると、なぜかギルド長も手を伸ばして受け止めようとしていた。

「ギルド長さん、サンちゃんを受け止めようとしてくれたのにゃ?」

と聞くと、ギルド長がバツの悪そうな顔で

「…このように小さな生き物が目の前で落ちそうになっていれば、助けようとするのは当然だ」

と言ったので、私は笑った。

「ギルド長さんは優しいヒトなのにゃ。サンちゃんの親と私が戦ってる時にも、私を助けようとして、サンちゃんの親の雷に打たれたのにゃ」

私がサンちゃんに向かってそう言ったら、

「このような幼子(おさなご)にそのようなことをっ…!!」

ギルド長は慌てた。

「サンちゃんには、卵の中にいる頃から何もかも話してきたにゃ。自分の親がどうして私に倒されることになったのかとかも、サンちゃんはちゃんと理解して、自分はそうならないように…誰も傷つけないって約束してくれてるのにゃ」

私の言葉にギルド長は呆然としつつ、

「…なんと…賢き子なのだな…」

と言って、サンちゃんを見つめた。


そこに

”モモ、来たの?”

とアクアドラゴンのうれしそうな声がしてきたので、私はサンちゃんを抱えたまま防壁に飛び乗って飛び降りた。

「水竜さん、久しぶりにゃ!!元気だったにゃ?」

と私が言うと、アクアドラゴンはサンちゃんに気づいたようで、

”その小さいの、雷竜?”

と聞いてきた。

「そうにゃけど、この子は前の雷竜の遺した卵から生まれた子にゃ。サンちゃんっていうにゃ」

私がそう答えると、アクアドラゴンは

”サンちゃん?”

と言って、サンちゃんは

”うん!サンちゃんだよ!よろしくね!”

と、ちゃんと挨拶をした。

そしたらアクアドラゴンも

”我は水竜だよ。よろしく”

と挨拶を返してくれた。

「水竜さん、サンちゃんはまだ赤ちゃんにゃ。水竜さんみたいに泳げないし、まだあんまり飛べないけど、仲良くしてあげてにゃ」

私の言葉にアクアドラゴンはうなずいて、

”うん。サンちゃん、魚は好き?”

とサンちゃんに尋ねた。

”サンちゃん、サカナすき!”

とサンちゃんが答えると、アクアドラゴンはうれしそうに笑って

”じゃあ、魚を獲ってあげるよ”

と小さなイワシを一匹、私の両前脚の中のサンちゃんに向かって右前ヒレで、ぺいっと投げてくれた。

”サカナ、ありがとう!”

と喜ぶサンちゃんを見ながら、私はふと思った。

今さらだけど、フリーザードラゴンにアクアドラゴンにサンダードラゴン…ベリー村周辺、ドラゴンだらけじゃん…と。

別にそれは悪くないどころか、モンスターとヒト族の共存においては、いいことだろうけど…

ベリー村周辺の環境、特殊すぎるのに、ベリー村のみんな順応してるんだよねぇ。

私は改めて、ベリー村のみんなはすごいなぁと思った。

 

ネコも暑いと熱中症になるらしいので、私の部屋の他にもネコの水飲み容器は準備してあります。ネコは犬ほどたくさん水を飲まないですが、夏場にはやや多めに飲むので、いつでもきれいな水を飲めるようにしてあります。でも、犬と違って散歩が必要ない分、ネコのお世話は楽だなぁとつくづく思います。

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