23-1 ネコ戦士、フリーザードラゴンから相談される
「バーサさんがいない間に、モモイロヒヒ一家が来たのにゃ。子供が大きくなってて、つがいになる相手も今度連れてくるって言ってたにゃよ」
と言うと、
「そうなのかい?あんなに小さかった子が…もうつがいになるんだねぇ。モモイロヒヒの成長は早いんだね」
バーサさんはびっくりした顔でそう言った。
そしたらエマが
「こーゆーのを、大人になったねぇって言うのよ、モモちゃん」
と言うので、バーサさんは首をかしげた。
「なんだい?」
バーサさんが私に聞いてきたので、
「エマたちがお仕事とかちゃんとやれるようになったから、大人になったにゃって言ったら、おばさんくさいって言われたのにゃ」
と私は答えた。
バーサさんが笑って
「モモちゃんが正しいよ。おしゃべりばっかりしてたあんたたちが仕事し始めて結婚したんだからさ、そりゃ大人になったって言われて当然だよ」
と言うと、
「ええー?そーお?」
エマが不満そうに言うので、バーサさんと私は大笑いした。
バーサさんが帰ってきていつも通りになったベリー村だけど、季節はもう冬が近く、ちょっと寒くなってきた。
村のみんなは早速、フリーザードラゴンがくれたウロコからケンさんが作ったベストを着始めて、
「ホントだ。寒くねぇや」
ジンさんがそう言ったと思ったら、あたりがさらに寒くなった。
”ほお…皆、我のウロコを身に着けたのか。まだそう寒くはないが”
そう言いながらフリーザードラゴンが降りてきたので、
「凍竜さんにはいい季節だけどにゃ。ヒト族にはちょっと寒いにゃよ」
と私は返した。
そして
「今日も角あっためるにゃ?」
と聞くと、
”うむ…寒くなると余計に角が冷えるのでな…頼む”
フリーザードラゴンはうなずいた。
そう寒くない季節に、凍気がたまって狂いかけてたから、寒くなってきた今、不安なんだろうな…
「じゃあ、いつも以上に念入りにあっためるにゃ!」
”うむ、頼む”
フリーザードラゴンが地面に伏せてくれたので、私は頭の上に飛び乗って、右の角に抱き着いた。
寒い時にこの冷たい角に抱き着くと、ホントに寒い。
だけどもう二度と、フリーザードラゴンを辛い目に遭わせたくはないから。
「あったかくなれにゃ~、あったかくなれにゃ~」
そう言いながら、私は冷たい冷たい角を抱きしめた。
左の角もあっためて、
「これでまたしばらく大丈夫にゃ!」
と言って頭の上から降りようとすると、
”…モモ、そなたに折り入って相談したきことがある”
とフリーザードラゴンが言った。
えっ?!
私よりずっとずっと賢いフリーザードラゴンが、私に相談?!
びっくりしたけど、とにかく話を聞いてみることにした。
「相談って、なんにゃ?私で力になれることならいいけどにゃあ」
と問い返すと、
”力に…なれるかどうかはわからぬが…”
フリーザードラゴンがそう言ったので、私はずっこけそうになった。
「と、とりあえず話を聞いてほしいってことにゃ?」
と聞くと、
”うむ…そなたならば…我にも考えもつかぬことを成すそなたならば、力になってくれるのではないかと、そう思うのだ”
とフリーザードラゴンは言った。
フリーザードラゴンにも考えもつかないことって…飛行艇から飛び降りて、頭の上に乗ったこととかかな…と思っていると、フリーザードラゴンは言った。
”実は…もうじき孵りそうな卵があるのだ”
卵って…ニワトリ…じゃないよね?
たしか竜族は死ぬ前にひとりで卵を産むって、ヒトの神様が言ってた気が…
…まさかっ?!
「凍竜さん、死んじゃうのにゃ?!」
私はフリーザードラゴンの頭の上で、そう叫んでしまった。
そしたら
「何っ?!」
「凍竜さん、死んじゃうのかい?!」
「ウソッ…そんな…そんな…っ!!」
みんなが大騒ぎし始めて、エマたちは泣き始めた。
どうやら私も泣いていたようで、
”落ち着け…我が死ぬというわけではない”
焦ったような声でフリーザードラゴンは言って、首を横に振った。
首を横に振るフリーザードラゴンを見て、みんなはほーっと大きく息をついた。
「なんだよ!びっくりさせんじゃねぇよ、縁起でもねぇ!」
「ホントだよ!!」
「死なないの?よ、良かった…!」
そんなみんなの様子を見て、フリーザードラゴンは目を細めた。
そして
”じきに孵るであろう卵を見つけたのだ”
フリーザードラゴンは、そう言った。
…ん???じゃ、誰の卵…???
第23章開始です~。そしてこの話でちょうど200話になります…いつの間に…?最近ネコは全くおやつのかつお節を食べなくなりました。もしかして暑くなってきたから、口の水分を奪われるかつお節を食べたくなくなったのか…?長い間ネコと一緒に生活していても、まだまだネコは謎だらけです。




