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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第22章 ネコ戦士、王都の詳細を知る

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22-4 ネコ戦士、おみやげを買う

「店主さん、これめっちゃ硬いにゃ!!切り目は入れてないのにゃ?!」

と言うと、店主は驚いて

「えっ?切り目って?」

と言った。

「牛の胃は硬いから、細かく切り目入れた方がいいのにゃ。そしたら柔らかくなって食べやすくなるにゃ」

私がそう言うと、

「なるほど、だからあんまり売れないんだな。わかった。今度から切り目入れるよ、ありがとな!」

店主は笑って私にお礼を言った。

めっちゃ硬いけど、せっかく買ったんだし…と、私は牛の胃をもっちゃもっちゃと噛み続けた。

「モモちゃん、そんなに硬いのかい?」

カールさんが心配そうに私の顔を覗き込んできた。

「らいじょーうにゃ。私の歯ならちゃんと噛み切れるにゃ」

お行儀は悪いけど、牛の胃をもっちゃもっちゃと噛み続けながら私は答えて、全部噛み切れたのでごくんと飲み込んだ。

「めちゃくちゃ硬いけど味はおいしいにゃ。ごちそうさまにゃ!」

と店主に言って串を返し、私たちは焼き肉屋台の前を離れた。


「みんなへのお土産はどうする?今買うかい?」

カールさんがそう尋ねてきたので、

「そうだにゃあ。帰る日は朝早く出発するから、今買っといてもいいにゃあ」

と答えて、私たちは村のみんなへのお土産を買うことにした。

「そう言えばカールさんはお金持ってるにゃ?」

と聞くと、

「国から頂く運営費には村長への給料も入ってるから、そこから千ジロ持ってきたよ。これでお菓子でも買おう」

とカールさんは言った。

「千ジロにゃあ…私、紡績工場で見た、刺繍の入ったシャツをみんなに買いたいのにゃ」

そう言ったら、カールさんが

「え?あれって高いんじゃないかい?千ジロじゃ一枚も買えないと思うけど…」

と言うので、私はにやっと笑ってポーチからお金を出した。

「サンダードラゴン討伐した時にもらったお金にゃ」

私が取りだしたのは、一枚一万ジロ…10万円の金貨二枚。

「…それで買えないものは多分王都にもないよ…」

カールさんが呆れたように言ったけど、

「あの刺繍入りのシャツは最低でも千五百ジロはするにゃよ。12着買えば一万八千ジロはするはずにゃ」

と私は言った。

するとカールさんが首をかしげて指折り数えて、

「お土産なら11着でいいだろ?」

と言った。

「村のみんなに買いたいから、カールさんの分も買うのにゃ」

私がそう言って笑ったら、

「…俺はお土産を買う側であって、もらう側じゃないよ…」

カールさんは、はーっと息を吐いた。


少し歩くと以前ハンカチとスカーフを買った店が見えてきた。

紡績工場の直営店だなんて、あの時は知らなかったけど…なるほど、うまいことできてるなぁと思いつつ、私はカールさんと店に入った。

「…まあ!いらっしゃいませ。以前お買い物をしてくださいましたね。このたびはご結婚おめでとうございます」

店主らしい女の人が私を見て笑いかけてきたので、私たちの結婚って、王都でも知られてるのか…と思いつつ、

「今日は服を買いに来たのにゃ。紡績工場で見た、刺繍の入ったシャツが欲しいのにゃ」

と私は店に来た目的を伝えた。

「かしこまりました。刺繍入りのシャツは、こちらにございます」

店主は店の奥に案内してくれて、刺繍入りのシャツを見せてくれた。

「男性用7着と女性用5着欲しいのにゃ。ありますにゃ?」

数がちょっと多いし、どうかな…と思って聞いてみると、店主は慌ててシャツの数を数えはじめた。

そして

「申し訳ございません。婦人用は5着ございますが、紳士用は6着しかございません…」

と、本当に申し訳なさそうに店主は言った。

「ほら、やっぱり俺の分はいらないってことだよ」

カールさんはそう言って笑ったけど、やっぱりカールさんにも新しい…ちょっといい感じの服を着てもらいたい。

しゅんとしてしまった私に、店主がふと思いついたように

「旦那様にはこちらはいかがでしょうか?」

と、前にカールさんにあげたハンカチと似た、黄色と濃紺のチェックのシャツを持って来てくれた。

「…いいにゃ!きっと似合うにゃ!」

私が元気を取り戻したら、店主もカールさんもほっとした顔になった。

刺繍シャツの値段は、紳士用千五百ジロ、婦人用千四百ジロ、チェックのシャツは千ジロで、合計一万七千ジロ。

私は金貨二枚を渡して、おつりの銀貨三枚を受け取った。

20万円渡して3万円のおつり…私の世界じゃこんな豪快な買い物したことないよ…


それぞれ紙袋に入れてくれたシャツは、大きな紙袋に入れてくれたけど、私が持つと引きずりそうなので、カールさんに持ってもらった。

「…こんな高価な荷物、持ったことないよ…」

カールさんがため息をついたので、

「私も私の世界でこんなに高い買い物したことないにゃよ」

と言ったら、カールさんが目を見開いてから

「そうかぁ、そうだよなぁ」

と言って笑った。

「そうにゃよ、私の世界での私は普通のヒトだったから、こんな買い物できるわけないにゃよ!」

私もそう返して、笑った。

種族は違ってても、価値観が似てるっていいなぁ…と思いながら、私はカールさんと並んで王宮に向かって歩いた。


王宮に戻ると、もう晩ご飯が用意されてたんだけど、お皿の上には小さく切り目を入れた牛の胃の焼いたやつが載っていて、

「焼き肉屋台に牛の内臓を手配した所、モモが切り目を入れると良いと申したからと、この品を持って参ったぞ」

王様が笑ってそう言って、今度こそ柔らかくておいしい牛の胃を食べることができた。

晩ご飯が終わると、お風呂とトイレもついた、大きなベッドのある部屋に案内されて、ジェイにもらった花束は、サイドテーブルの上の花瓶に生けてくれてあった。

「本日は疲れたであろう。ゆっくり休むが良いぞ」

「ありがとにゃ!おやすみにゃ!」

「ありがとうございます。休ませて頂きます」

王様と挨拶を交わした後、カールさんはお風呂に入り、私は装備を脱いで大きなベッドの上で毛づくろいをした。

寝間着に着替えたカールさんと

「おやすみ」

「おやすみにゃ」

と言ってベッドで並んで横になり、私はいつも通り丸くなったけど、クロたちがいないので、大きなベッドは余計に広く感じた。

…クロたちがいないと淋しいな…と思いながら、私はふかふかのベッドで眠りに落ちた。

 

ここ2~3日、ネコがベッドの上であまり寝ないな…と思ったので、ふと思い立ってエチケットブラシで掛布団の上を掃除しまくってみました。ネコの毛が一杯とれたな…と思ってたら、ネコがベッドの上に飛び乗って匂いを嗅ぎまくり、ベッドの上で丸くなりました。…もしかして、ベッドの上が汚くなった気がしたから、寝るのがいやになった…?!

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