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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第21章 ネコ戦士、国の大事業計画を知る

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21-9 ネコ戦士、世界の意外な発展に驚く

業者さんには後でベリー村に来てくれるように伝えて、私たちはベリー村に戻り、カールさんにお刺身の件を伝えた。

「なるほど。ナマの魚はうまいからなぁ。王都の人たちにも食べてみてもらいたいな」

カールさんも同意してくれて、業者さんが着いたらすぐに、ブリもどきを三匹解体してくれた。

ベリー村でお刺身を食べる時には、ウロコを取って剥いだ皮はバーサさんがこんがり焼いておつまみみたいにしてくれるんだけど、王都に持ってってもらうお刺身は、剥いだ皮をお皿にして、その上にきれいに並べてもらった。

私の世界で言う所の船盛りみたいな感じだ。

「こりゃあ豪勢ですなぁ。で?これはいくらぐらいで売ってもらえますか?」

業者さんがそう言ったので、私はカールさんと相談して、一切れ2ジロにすることにした。

大きなブリもどきのお刺身は百切れぐらいはあるので、倍の値段で全部売り切れば、業者さんにも結構利益が出るだろう。

「わかりました。で、塩をちょっと振って食べればいいって、ひと言添えるんですね?」

業者さんはうれしそうに、魚を積んで王都に戻って行った。

夕方には魚パーティが始まったけど、

「やっぱり、このナマの魚はうめぇなぁ」

ジンさんがそう言って、お酒を飲みながらお刺身を食べてたら、

「体にいいもんをいくら食べたって、あんたみたいに大酒飲んでたら差し引きゼロじゃないかい?」

とバーサさんがつっこんだので、みんな笑った。

傭兵たちも

「おいしいですねぇ」

「ティド村が復興したら、毎日でも食べられるかもしれませんね」

と、にこにこしながらお刺身を食べた。

「にゃ!早くティド村復興しようにゃ!」

明日もティド村建設のお手伝い、頑張ろう!と思いながら、私もお刺身を味わった。


翌日も傭兵たちと一緒に東の海岸に行くと、やっぱりもう大工さんたちとギルド長たちが来ていた。

浜辺に降りてアクアドラゴンに傭兵たちのことを頼んでから工事現場に戻って、私は気になっていたことを聞いてみた。

「家を建てる位置はどうやって決めたのにゃ?のちのちヒトが増えて、また家を建てるにしても、最初の五軒はもっと間開けて建ててもいいんじゃないのにゃ?」

と聞いてみると、

「大昔の下水の管がまだ残っているはずなので、王都の下水に近い所から家を建てるのだ」

とギルド長が答えた。

「にゃっ?!私、木の根っこ掘り返したけど、何もなかったにゃよ?」

私はびっくりした。

下水管って、そんなに長く残ってる…?!

「ケラーが申すには、津波と共に陸に上がった土が堆積していたので、王都につながる下水が詰まってはいかんと、当時の国王陛下のご命令により、土を掘り返し、下水の管を掃除して石の蓋を載せた…と記録に残っているとのことだ。なので、数百年の間にその上にまた土が堆積し、木が生え…その下に石でできた下水の管はまだ残っているはず…ということだ」

なるほど、古代ローマ?だか何だかの下水みたいな石造りだったから、残ってるだろうってことかぁ。

「じゃあ下水の管を掘り返したら、新しいティド村でもトイレやお風呂使えるのにゃ!」

感心してそう言うと、ギルド長はうなずいた。

「うむ。ティド村は昔のようによみがえるはずだ」


ベリー村には上水道はないけど、下水はあってトイレもお風呂も使える。

まあ水は井戸からくんできて、トイレの横にオケ置いて、ひしゃくで水をすくってお尻とか洗って流すから、そういうとこは原始的だけど。

「水道も使えたら便利なんだけどにゃあ」

ぽろっと言ってしまうと、ギルド長が

「ああ…ベリー村には水道はなかったか」

と言った。

…え?!水道あるの?!

私が目を見開くと、

「王都の宿にはあったであろう?風呂のわきに着いてはいなかったか?湯は宿のかまどで沸かすが、水道の水で湯温を調節しているぞ」

ギルド長は不思議そうな顔で言った。

…見てなかった…ってか、気づかなかった…

ベリー村での生活が…井戸で水をくむのが当たり前になりすぎてたよ…

「ティド村は海沿いなので、井戸を掘っても水に海水が混ざるため、王都とつないだ水道があったはずだとケラーが申していた。その水道も石の蓋をして土をかぶせた…と、古文書の記録にあるということだ」

ってことは、上下水道の工事もしなきゃなんだ。

「それは私には手伝えないにゃ…」

と私ががっかりしていると、

「ネコ戦士殿のおかげで材木の調達も整地も、家々の柱を立てることもできたのだ。我々が同じことをすれば数週間はかかることを一日でやってくれたので、陛下も大層驚かれ、感謝なさっていたぞ」

ギルド長はそう言ってくれたけど…

力仕事しかできない私にはもう、手伝えることはなさそうだな…と、私はちょっと残念に思った。


その日も結構大漁で、傭兵たちはベリー村に戻る道すがら

「ネコ戦士殿、今日も大漁ですよ!」

「手持無沙汰だったようで、水竜様が大きな魚を一匹、イカダの上に放り投げて下さって…」

「頭を下げてお礼を言うと、右のヒレを振って下さいましたよ」

「なんだかかわいらしいですねぇ」

と、アクアドラゴンとの交流のことも楽しそうに話してくれた。

アクアドラゴンと戦ったのは、去年の今頃じゃなかったっけか。

あの時防壁の上で震えてた傭兵たちが、今はアクアドラゴンをかわいいと言っている。

時の流れの速さに、私はふっ…と息を吐いた。

カールさんと一緒に生きていくって決めたからには、私はきっと、この先もずっと…こういう日々を送るんだろう。

自動車はないけど、自動車並みのスピードで走ってくれる馬たちがいる。

空はきれいだし、海も川もきれいで、大気汚染も温暖化もない。

電気はないけど、星明かりとランプで夜も充分明るい。

そして、この世界の人々は…少なくとも今まで私が出会った人たちは、みんな優しい。

私はこれからも、この世界で死ぬまで生きていこう。

カールさんと、みんなと一緒に。

「今夜もお刺身パーティにゃ!!」

と笑いかけると、みんなが

「毎日ぜいたくだねぇ!!」

と笑い、クロたちも

「ニャー!!」

楽しみ!!と言って、ベリー村は満面の笑顔でいっぱいになった。

 

第21章終わりです~。昨夜家の庭でオスネコがメスネコを呼ぶような声がしました。もしかして、昨日うちのネコ(メス)の砂を庭に埋めたから、メスの匂いに反応した…?オスネコの声がしてもうちのネコは知らん顔してましたがw

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