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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第20章 ネコ戦士、ルーン王国で生きる

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20-1 ネコ戦士、魚の料理法を教える

私がノアと一緒にベリー村に戻ってから二時間ぐらいして、業者さんの荷馬車も無事に着いた。

「こんなにたくさんの魚を見るのは初めてだよ。もうこの国には漁師はいないし、たまに誰かが見つけてくる魚は珍しいから高級品だしねぇ」

業者さんがそう言いながら、魚を氷室から出してくれて、地面に広げておいたモールの皮の上に並べた。

「業者さんも少し持って帰るにゃ?家族と食べてもいいし、売ってもいいにゃよ」

と言うと、業者さんはびっくりした顔をした後、

「ホントかい?ありがたいねぇ。じゃあ家族と食べられる分だけもらっていくよ」

と言って、小さめの魚を四匹、氷室に戻した。

「今すぐ焼いたりする分の残りは、ジンさんちの氷室に入れてもらっていいにゃ?」

私がジンさんにお願いすると、ジンさんは

「おお、いいぜ!ただそんなにたくさんは入らねぇぞ」

と言って、店に戻って氷室の空きスペースを確認してくれた。

ジンさんちの氷室は業者さんが時々バツ村で仕入れた氷を足してくれるから、一年中冷蔵庫ぐらいの温度を保っている。

それでもできるだけ、今夜食べた方がいいだろう…大き目のは刺身にして…と考えて、ふと私は気づいた。

この世界には、醤油もワサビもない。

刺身は無理…?!


「モモちゃん、魚はどう料理したらいいんだい?」

バーサさんに聞かれて、私はちょっと考えた。

小さいイワシみたいなのはアユみたいに塩を振って串焼きでもいいし、ちょっと大きいアジっぽいのはフライパンでそのまま焼いてもいい。

「小さいのは串に刺して、ジンさんに焼いてもらうにゃ。中ぐらいのはフライパンでそのまま焼くにゃ。どっちも塩を振ったらおいしいにゃ!」

と言うと、ジンさんが早速焼き肉用の串で小さめの魚を刺し始めた。

「魚の体に塩をこすりつけてから焼いたらおいしいのにゃ~」

と言いかけて、私ははっとした。

「ウロコにゃ!!ウロコ取らなきゃダメにゃ!!そしたら皮ごと食べられるにゃ!!」

「ウロコって、どうやって取るんだ?」

ジンさんが首をかしげたので、

「包丁の背の方を、魚のしっぽの方から頭に向かって、力入れてなでたら取れるにゃ」

と私は説明した。

するとジンさんはそれでわかってくれて、

「よし、まずウロコ取って、皮に塩振って串に刺して焼きゃあいいんだな?」

と言ってくれた。

「そうにゃ!串焼きよろしくにゃ!!」

するとバーサさんも、中ぐらいの魚のウロコを剥ぎ始めた。

「ウロコ取って塩振ってフライパンで焼けばいいんだね?」

バーサさんがそう言うので、私はうなずいた。

「そっちはバーサさん、お願いにゃ!」

そう言ってから、私は残ったブリっぽい大きな魚を前にして、悩み始めた。

刺身にして食べたいけど…どうしよう…


釣り好きだった父と釣りに行ってその場で魚をさばいたりしたこともあったので、一応魚はさばけるけど、今の私の手はネコの前脚だ。

この前脚でちゃんと包丁が使えるのか…と悩んでいると、カールさんが

「モモちゃん、その大きいのはナマで食べるのかい?」

と話しかけてきた。

「そうしたいけどにゃ…ヒトだった頃はヒトの手だったから、包丁持って魚をさばけたのにゃ。今の私の手はネコの前脚だから、包丁がうまく使えるかどうかわからないにゃ」

と答えると、

「じゃあモモちゃんがやり方を教えてくれたら、俺がさばくよ。いつもモールやツラーオを解体してるから、多分できると思うよ」

カールさんがそう言ってくれて、私は一気に安心した。

そうだ、いつもモールやツラーオをきれいに解体してくれるカールさんなら、きっと大丈夫だ。

「わかったにゃ!じゃあ私の言うとおりにさばいてにゃ!」

そしてカールさんと私は、地面に敷いたモールの皮の上で、大きな魚の解体を始めた。

「頭の横のヒレのとこに包丁入れて、その辺まで切って、裏返して同じように切るにゃ。頭を落としたらしっぽの所から皮と身の間に包丁入れて、頭の方に向かって皮をむくのにゃ」

私の言うとおりにカールさんがどんどん包丁を入れて解体してくれて、最後には1センチぐらいの厚さに切って…

「お刺身にゃあ…!!」

ブリっぽい魚の刺身に、私はヨダレをたらしそうになった。


焼き魚も刺身もできあがり、みんなはお酒も準備して、広場の丸太ベンチに座った。

「じゃあ今日は、アクアドラゴンに感謝して、魚を食べよう!」

カールさんがそう言ってコップを持ち上げて、

「おう!アクアドラゴンに感謝だな!」

「アクアドラゴン、ありがとう!!」

みんなもお酒の入ったコップを持ち上げて、魚パーティが始まった。

刺身は小皿に少しずつ分けて、結局塩で食べてもらうことにしたんだけど、

「焼き魚もおいしいけど、ナマのもおいしいねぇ」

「そうだな、まだ新しいからかもなぁ」

おおむね好評で、私はほっとした。

クロたちにも塩なしの刺身をあげたら、みんな夢中で食べ始めた。

私も食べてみたんだけど、ブリっぽい魚はやっぱりブリっぽくて、脂がのってておいしかった。

でもやっぱり醤油とワサビがいいなぁ…

そう思うけど、これがこの世界の食生活なんだから、これはこれで満足しなきゃ…

私は、このルーン王国で…この世界で生きていくんだから。

 

第20章開始です~。うちのネコも刺身は大好きですが、我が家では刺身はめったに買ってこないので、ネコにとってもヒトにとっても、刺身はたまにしか食べられないごちそうです。そろそろ買ってこようかな…

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