表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第16章 ネコ戦士、悩みは尽きず

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

136/139

16-2 ネコ戦士、村人たちと共に考える

私にとって、何が一番大切なのか…

フリーザードラゴンが飛び去った後、私は真剣に考え始めた。

「モモちゃん、凍竜さんから答えはもらえたのかい?」

カールさんは近くで見てたらしくて、そう聞いてきた。

「にゃ…火山の時にモンスターの神様と話したせいだって、それで高位モンスターの言葉が分かるようになったはずだって、そう言ったにゃ」

私が答えると、

「そうか!やっぱり凍竜さんは頼りになるなぁ」

カールさんは安心した顔をして、言った。

…カールさんは、とっても大切なヒトだ。

そして、ひとりの男の人として、好きな人だ。

「おや、またフリーザードラゴンさんが何か教えてくれたのかい?」

バーサさんも話しかけてきた。

「そうにゃ。なんでモモイロヒヒの言葉まで分かるようになったのか、教えてくれたのにゃ」

バーサさんも、とっても大切なヒトだ。

この世界での、私のお母さんと言える。

「フリーザードラゴンって、何でも知ってるのねぇ」

「ホントに物知りで賢いわよね」

「何かあったら、フリーザードラゴンに聞け!よね」

三人娘も、とっても大切な友達だ。

焼き肉屋台のジンさんも、私の装備を作ってくれた鍛冶屋のケンさんも、村長も、リーナさんもウェンさんも…エドさんもお弟子さんたちも…みんなみんな大切だ。

「ニャー」

クロとネネが、仔ネコたちを連れて足元に来ていた。

もう仔ネコたちも、結構自由に歩き回れるようになった。

クロ一家ももちろん、私にとってとてもとても大切だ。

”…モモ、何か悲しいコトあったの…?”

仔馬のノアが、心配そうに声をかけてきた。

私は、いつの間にか涙を流していた。


「…一番なんて、選べないにゃ…!!」

そう言って泣き始めた私の周りに、慌ててみんなが寄ってきた。

「ど、どうしたんだい?!」

カールさんとバーサさんが、膝をついて私の顔を覗き込んだ。

「フリーザードラゴンに言われたのにゃ…私は誰もかれも大切にしすぎるから、そのうち身動きが取れなくなるかもにゃって…」

しゃくりあげながらそう言うと、みんなおろおろと私を見た。

「私にとって何が一番大切なのか考えろって言われたけど、私、みんな大切なのにゃ…!!」

とうとう声を上げて泣き始めた私に、

「みんな大切で、何が悪いんだい?」

とカールさんが言った。


私は目を見開いて、カールさんを見た。

膝をついて私の目線に合わせてくれたカールさんの顔が、私の顔の間近にあった。

「みんな大切に思えるって、幸せなことじゃないかい?」

カールさんがそう続けると、

「そうだよ。大切な相手がたくさんいるなんて、幸せ以外の何ものでもないよ」

バーサさんも、私の顔に自分の顔を近づけて、そう言った。

ジンさんが膝に手をついて腰をかがめて、私の顔を覗き込んで

「大切な相手がいねぇってんなら、そりゃ淋しいだろうよ」

元気に軽口をたたくいつもの調子じゃなく、優しい顔と声で、そう言ってくれた。

「まあ、みんなが危ない!って時に誰を最初に助けるか…とかさ」

「そういう時に迷うかもって、フリーザードラゴンは言ったのかもだけど」

「でも、そういう時にはみんなで助け合えばいいじゃない!」

アンナとマリアとエマが、私のそばにしゃがんで、そう言った。

「みっ…みんな大切で…いいにゃ…?」

まだ止まらない涙を流したまま、私がそう言ったら

「いいんだよ」

「それがモモちゃんだからな!」

私を取り囲んで、みんなが笑った。


いいんだ。

それでいいんだ…

みんながいいって言うなら、みんな大切って、それでいいんだ…!

…でも。

「でもにゃ。もしモールやツラーオの言葉が分かるようになって、殺さないでって言われたら…私、モールもツラーオも倒せなくなると思うにゃ…」

私がそう言うと、みんなは顔を見合わせてから

「…そう言われたら…確かに倒せなくなるだろうな…」

「そうよね。言葉が通じるっていいこともあるけど、辛いこともあるかもしれないわね…アクアドラゴンの時みたいに」

と口々に言った。

そしたらカールさんが

「でも、ツラーオはヒトを襲うこともあるんだろ?ヒトが”殺さないでくれ”って言っても、ツラーオには通じないから、ツラーオはヒトを殺すんだろ?」

そう言った。

…そうだ。

そうなんだ…!!

フリーザードラゴンにも同じことを言われたけど、ヒトであるカールさんの口から聞いたら、なんだかすごく納得できた。

「それなら私、ツラーオに”殺さないでくれ”って言われても、倒せる気がするにゃ…!」

私の言葉に、カールさんはうなずいた。

「だったら、これでモモちゃんの中の大切の順番は決まっただろ?俺たちが一番で、ツラーオはその次だ」

カールさんが笑って言ってくれて…私は、カールさんに”好き”って言いそうになった。

…言えないけど…言えないから。

「カールさん、ありがとにゃ…!」

私はそう言って、泣きながら笑った。

 

今日はちょっとだけ晴れたので、ちょっとだけ暑くなりました。私は半袖でいいぐらいですが、やっぱりネコはコタツの中に潜ってます…だから、スイッチ入れてないってば…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ