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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第13章 ネコ戦士、世界の最大の危機に直面する

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13-2 ネコ戦士、ベリー村北西の森林地帯を探索する

北門を開けて外に出ると、ケラーさんが地図を見始めた。

ダナンさんたち観測隊のおかげで、この世界の地図はかなり詳細に描かれているらしい。

北門から出てすぐの所の北側から南西に向かって流れる川に沿っていけば、道に迷うことはないとのことで、私たちは川沿いに進みながら森林地帯を探索することにした。

私が鼻で匂いを確認しながら、安全を二人に知らせて、少しずつ進んで行く。

こんなやり方じゃなかなか進めない…と思ってたけど、意外にもケラーさんの足取りはしっかりしていた。

「うむ。このあたりの木々の果実は豊かに実っているな」

ケラーさんはそう言いながら歩いていた。

なるほど、このあたりの果樹にはたくさんの実がなっている。

一時間ぐらい歩いては休んで川の水を飲んで…というペースで進んで行くと、モモイロヒヒの匂いがした。

見ると、少し先の木にモモイロヒヒの母子(おやこ)が登っていた。

「ここらは食べ物がちゃんとあるのにゃ?」

私がモモイロヒヒの母親に尋ねると、モモイロヒヒの母親はびくっとした後、少し考えてからうなずいた。

「それは良かったにゃ。子供にいっぱい食べさせてあげてにゃ」

私の言葉に、モモイロヒヒの母親はまた、うなずいた。

「ネ…ネコ戦士殿…」

ケラーさんが少し震えながら私に話しかけてきたので

「大丈夫にゃ。モモイロヒヒは言葉わかってくれるにゃよ」

と答えると、ケラーさんは目を見開いてから、感心したようにため息をついた。

「…なるほど、フリーザードラゴンほどではなくとも、言葉が通じるのだな…」

「そうにゃ。ベリー村の畑のモモイロヒヒは、金よこせって言ったら金の石くれたしにゃ」

私がそう言うと、

「報告は受けていたが…誠に頭が良いのだな…」

ケラーさんはうんうんとうなずいた。


お昼ごろになったので、私たちは川のほとりで干し肉サンドを作って食べることにした。

川の水で戻した干し肉とキャベツをモロコシパンにはさんで食べていると、

「ベリー村近辺は本当に自然豊かなのだな…そのせいでモンスターが多いとも言えるが…」

ケラーさんが、木々を見上げながら言った。

「だからベリー村のみんなは、ネコ戦士を召喚してほしいって王様にお願いしたんにゃろ?」

私がそう返すと、

「そうだな。そのおかげで伝説の存在であったネコ戦士殿と出会えたのだな…」

ギルド長が感慨深げに言った。

不思議な縁だ。

なんで私がネコ戦士としてこの世界に転生することになったのかは、わからない。

わからないからこそ、不思議な縁だな…とつくづく思う。

干し肉サンドを食べ終えて水を飲んでいると、モモイロヒヒの匂いがしてきた。

オスの匂いだ。

見ると、モモイロヒヒのオスが少し離れたところから私たちの様子をうかがっていた。

「…あっち行けにゃ」

私が殺気を飛ばすと、モモイロヒヒのオスは飛んでった。

「ネ…ネコ戦士殿っ…」

ギルド長とケラーさんは、ちょっとびびってた。

「多分さっき会った母子の家族のオスにゃ」

と私が言うと、ケラーさんは

「なるほど、このあたりはあの一家の縄張り…ということだな」

とうなずきながら、地図に何やら書き込んでいた。

モモイロヒヒの縄張りを書き込んでるらしい。

びびってても、ちゃんと仕事してるんだ…と私は思った。


ケラーさんは、今まで歩きながら見てきた範囲はどのあたりなのか、赤いインクで印をつけた。

「うむ…かなり広範囲の様子が見られたな」

満足そうに、ケラーさんはうなずいた。

ベリー村の北門から出た北西方面はそんなに広くないみたいだったけど、日帰りはできそうになかったので、私たちは野宿することになった。

見ると大きな木の下に穴があったので、私たちはそこで一泊することにした。

敷布を敷いて、ケラーさんを一番奥に、次にギルド長、穴の入り口近くに私が位置取って寝ることになったけど、

「しかし…ネコ戦士殿を最も危険な場所に寝させるのは…」

ギルド長はちょっと渋っていた。

私が一番強いのは分かってても、ギルド長は、私が女子だから気にしてるみたいだった。

「大丈夫にゃ。これが一番安全にゃよ」

と私が言うと、ギルド長は渋々うなずいた。

やっぱりギルド長は紳士だなぁ…と、私は心の中で笑った。


特に何事もなく夜は明けて、私たちは川の水を飲んで朝ご飯を食べた。

思った通り、ケラーさんは足が痛くなってたようで

「ううむ…」

とうなりながら足をさすっていた。

「ケラーさん、歩けるにゃ?」

と聞いてみると、

「うむ…大丈夫だ…」

ケラーさんはそう言ったけど、やっぱり辛そうだった。

「昨日頑張って歩きすぎたのにゃ。帰りはゆっくり歩くにゃ?」

私の言葉に、ケラーさんは首を横に振った。

「…足手まといにはならぬと言ったからには、そうはいかん…」

ガンコだなぁ…

でも本人がそう言うなら仕方ない。

「じゃ、ベリー村に帰るにゃ!」

私が先に立って歩き出すと、ケラーさんも頑張ってついてきた。

頑張るねぇ…

私は心の中でため息をついて、周囲を警戒しながらベリー村に向かって歩いた。


ベリー村に辿り着いた時には、もう夜になっていた。

それでもみんなは

「おかえりモモちゃん!」

「ギルド長さんもケラーさんもお疲れさん」

「ケラーさん、大丈夫かい?」

と口々に言って迎えてくれた。

疲れ果てたケラーさんが座り込んでしまったので、私は

「よっこらにゃ!!」

と掛け声をかけてケラーさんを頭の上に担ぎ上げた。

「なっなんとっ?!」

焦るケラーさんを村長んちまで運んで行くと、カールさんが戸を開けて

「こっちに寝かせてやって」

と、部屋に案内してくれた。

カールさんが指さしてくれたベッドの上にケラーさんをそっと置いたら、

「も…申し訳ない…」

ケラーさんは恥ずかしそうに言った。

私もさすがに疲れてたので、

「じゃあみんな、おやすみにゃ!」

とみんなに挨拶をして自分の家に戻った。

クロとネネが

「ニャー!!」

と迎えてくれたので、私はやっとひと息つくことができた。

そして装備を脱いで毛づくろいして、クロとネネと一緒にベッドで丸くなった。

やっぱりネコと一緒に寝られるのは、癒しだわー…

そう思いながら、私は深い眠りに落ちていった。

 

私は夜中…というか明け方に三回ぐらい目を覚まします。目覚めるたびにベッドの枕元にネコが座ってて、「布団に入れろ」って感じで私の顔をじっと見ています。そして私は布団をめくって、ネコが私の脚の間に行って丸くなるまで布団を浮かせ続けます…私はネコの下僕です。

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