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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第12章 ネコ戦士、召喚の魔法の真実を知る

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12-6 ネコ戦士、国王から謝罪される

私が泣いていると、クロとネネが私の涙をぺろぺろとなめてくれた。

そしてカールさんが、黄色と紺色のチェックのハンカチを差し出してくれた。

初めて王都に行った後、私が渡したお土産だ。

「…ありがとにゃ…」

私はカールさんが差し出してくれたハンカチで、涙をふいた。

カールさんは私が落ち着くまで黙って見守ってくれた後、立ち上がった。

「じいさんに、伝書鳩飛ばしてもらってくる」

そう言ってカールさんは、私の家を出た。

どうするんだろう…前に言ってたみたいに、ギルド長とかケラーさんに相談するつもりなのかな…

私はとりあえず、クロとネネと一緒にベッドで丸くなった。

でも、眠れなかった。

まだ昼だからっていうのもあったけど、この世界に来たのは、普段通りに眠りについた後だったからだ。

寝てる間にここからいなくなるなんて、絶対にイヤだ。

私はそう思いながら、クロとネネの寝顔をずっと見つめていた。


気がつくと、もう日は傾きかけていた。

…しまった、寝てた…

でも、いつもの私の家のベッドだし、クロとネネもいた。

寝てる間にいなくなってなくて良かった…と私はほっとした。

そろそろニワトリたちにエサをあげないと…と、ベッドから降りて家を出ようとしたら、なんか騒がしい。

なんだろう?と思いながら家から出ると、

「ネコ戦士殿!国王陛下をお連れしたぞ!!」

ギルド長が私に向かってそう言った。

…は…?

見ると村の入り口に白い馬車が停まってて、王様が降りてきた。

王様は

「モモ殿っ!すまぬ…すまぬ…!!」

と、なぜか涙目で私に謝ってきた。

わけがわからなくて首をかしげる私に、王様は言った。

「神より遺されしネコ戦士召喚の魔法は、送還の魔法と(つい)になっているのだ!!」


え?!

召喚だけじゃなくて、送還もあるの???

驚く私に、王様は続けて

「我らヒトの神は、この世界の危機にネコ戦士を召喚する魔法を授けられたが、召喚されたネコ戦士が元の世界に戻りたいと言うなら、すぐにでも戻らせられるよう、送還の魔法も授けて下さっていたのだ!!」

と必死の形相で言った。

…っていうことは…?

「それを知らせず、我らヒト族の頼みを聞いてもらい続けたのは、我の不徳の致す所だ…本当に、本当にすまなかった…」

王様が本格的に泣き始めたので、私はため息をついた。

「…つまり王様は、そんな大事なことを私に黙ってたのにゃ…?」

目を細めて王様をにらむと、王様はびくっとした。

…殴りたい。

王様の頭を思いっきり殴りたい。

でも私の力でそんなことしたら、きっと王様は死ぬだろう。

私は黙って、ニワトリ小屋の方に向かった。

「モ…モモ殿…」

王様の呼びかけを無視して、私はニワトリ小屋からニワトリの羽根を一本拾い出した。

そしてその羽根で、王様の頭を叩いた。

「痛っ…!!す、すまぬ…」

良かった。

痛っ!て程度で済んで良かった。

でも、ニワトリの羽根でも痛いって…やっぱり私の力はすごく強いんだなー…と改めて思った。


みんなの反応はどうかな?と思ってみんなの方を見ると、

「そんな大事なことを隠してたなんてね…」

バーサさんが呆れた顔をしていた。

「そのせいでモモちゃんが悩んで泣いてたなんてよ…」

カールさんは、軽蔑の目で王様を見ていた。

ギルド長は私に頭を下げて、

「すまぬ。この国を危機から救えばネコ戦士殿は元の世界に戻れる…としか、私は聞いていなかったのだ」

と謝った。

なので私は

「ギルド長さんのせいじゃないにゃ。王様が悪いのにゃ。私のこと色々気にかけてたのも、送還の魔法のこと黙ってた罪の意識からにゃ?」

と王様をにらんだ。

すると王様は慌てて

「送還の魔法のことを黙っていた罪の意識だけではない!ヒトの都合で勝手に召喚して悪かったと、心からそう思うからなのだ!」

と言ってきた。

そして

「送還の魔法のことを黙っておったのは、誠に申し訳なかった…が、この国を、この世界を気に入ってくれたなら、好きなだけいてくれれば良いのだぞ?」

と続けたけど、

「…ったく…モモちゃんがどんだけ泣いたと思ってんだよ…」

カールさんがにらむと、王様は小さくなってしまった。

国で一番偉いヒトが、今は国で一番情けないヒトになっている。

私は吹き出した。


「もういいにゃ!」

私が笑うと、みんなは

「もういいのかい?」

「そうよ、もっと締め上げてもいいのよ?」

と言ったけど、もういいんだ。

「勝手に呼ばれて勝手に戻されるかと思ってたけど、そうじゃないってちゃんと言ってくれたから、もういいんにゃ」

私がまた笑ったら、みんなもちょっとほっとした顔になった。

「そうじゃな…わしらの勝手で呼ばれて、用事が済めば勝手に戻されるなど、たまったものではないのぉ」

村長がうなずきながらそう言った。

私はまだちょっとだけ不安で、

「…私、ベリー村にいていいにゃ…?」

と小さな声で、みんなに聞いてみた。

「当たり前だろ!!」

「いなくなるなんて、考えたことないわよ!」

「モモちゃんは俺らの家族なんだから、いなくなっちゃダメだろ!!」

みんなが口々にそう言ってくれて…バーサさんとカールさんが私を見つめて、優しく微笑んだ。

そして騒ぎで目を覚ましたらしいクロとネネが走ってきて、私に飛びついた。

ゲームで言うなら大団円ってとこかな…

でも、この世界は異世界だけど、ゲームの世界じゃない。

私は、この世界で生きている。

そしてこれからも生き続けるんだ…!

私はそう思って、クロとネネを抱きしめて、笑った。

 

家でトイレに入る時は、必ずドアを開けたまま用を足します。地震があったら…とかの用心もありますが、トイレに入ってドアを閉めると、ネコがドアをがりがり引っかくんですよね…ドアが傷む…

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