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星を超えて世界を変えた日~星が導くのは、希望か、それとも終焉か。~  作者: 廻野 久彩
第6章 名もなき祈りと、選ばれぬ意志

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プロローグ:星神の沈黙と、旅のはじまり

風が、星の気配を運んでいた。


夜の帳はすでに薄れ、けれど空はまだ、静かに色を変えようとしていた。

息をするたび、かすかな冷気が肺に満ちる。


目を閉じれば、どこか遠くで、名も知らぬ誰かの祈りが聞こえる気がした。


──それは、記憶ではない。

──けれど、たしかに刻まれていた感覚。


名を呼ばれた記憶。

誰かの隣で、声を重ねた記憶。

それが、星の沈黙のなかで、

かすかに、胸の奥を揺らしていた。


まだ、何も決まってはいない。

ただ、 この世界のどこかに、自分の歩くべき道があると、そう感じただけ。


選ばれなくても、選ぶ意志だけはここにある。


──夜が明ける。


その瞬間、少女の目が、静かに開かれた。

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