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エピローグ:五つの足音
吹雪の跡に、誰かの足跡が続いていた。
祈るように、彷徨うように──それでも、前を向いていた。
星喰みの痕は、確かに存在した。
その“熱”に触れたとき、少女は恐れ、そして願った。
ただ、誰かのそばにいたいと。
その力が、誰かを傷つけるものでないようにと。
応えぬ星は、何を見ていたのか。
その問いの答えは、まだ遠い。
けれどいま、彼女の歩みに迷いはない。
凍てつく雪の大地に、五つの足音が重なっていく。
その中央で、ひとつの名が生まれようとしていた。
名もなき祈りは、いま、新たな意志へと変わる。
その歩みの先に、“星の沈黙”が終わる日は来るのだろうか。
……その遥か彼方、光なき空の下で。
忘れられた“記録”が、そっと目を覚まそうとしていた。




