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星読みのシュナ。家族に捨てられましたが、もふもふと出会い幸せになりました。  作者: 四季 葉
第2章 灰色のもふもふ

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子犬の名は?

 僕は床に腰を下ろすと、腕の中のもふもふの子犬に話しかける。正面から子犬をじっと見つめると、


 「そういえば、お前の名前ってなんていうんだ? なんて呼んだらいいか困るし…いつまでも名無しのままっていうのもな」

 「キュゥ…?」


 灰色の子犬は不思議そうに小首を傾げる。ふかふかした直立の耳がピコピコ動き、どうかしたの? とでも言いたげにシュナの顔を黒い瞳でじーと見つめていたのだ。

 答えは返ってはこないとはわかってはいたが…シュナは困り果てていた。

 この世界には動物と話ができる人間も少なからず存在する。そして、これまた僅かだが…聖獣や魔物と契約を交わし意思疎通も行い使役する高位の魔法使いもいるようだ。しかし残念ながらシュナには動物の言葉はまったく分らなかいし、そんな能力も当然ながらないのだ。

 シュナはため息を吐くと両脇をもち、あらためて子犬の顔を正面から見る。


 「せめてお前が元気になるまで一緒にいたいなって思っているんだけど。ねえ、良かったら名前をつけてもいいかな?」

 「キャウ!」


 灰色の子犬に言葉の意味が分かっているかは若干不明だが、でも元気よく返事をしてくれたのだ。シュナは笑いながらそれを肯定ととらえる。

 そして、あらためて祭壇を眺めると、


 「そうか、よかった。いろいろ考えてみたんだけど、この祭壇に祀られている古の神様の名が『アスコティアス』って言うんだ。だからアースって名前はどうかな?」

 「キャゥ~~」


 もふもふの子犬は目を棒線にし、頬をちょっと膨らませてるとぷいっとそっぽを向く。あきらかに不満そうな顔をしていたのである。


 「だ、ダメか…。う~ん、どうしようかなぁ~」


 シュナは、まじまじと子犬を見ると別な候補を必死で考える。それならきれいな黒い瞳をしているから――


 「それじゃ、オニキス! これは古代語で邪気を払うものって意味があるんだけど、これはどうかな…?」

 「キャウ!!」

 

 目を棒線にして不満げだった顔が…途端に耳をぴんと立て元気よく返事をしてくれたのだ。

 どうやら気に入ってくれたようである。きっと、了承を得ることができたのだとシュナは判断する。


 「そうか。よかった~! それじゃ、これからよろしくね。オニキス!!」


 シュナはオニキスの灰色のもふもふを抱きしめる。

 そして真冬のミケーネ山の洞窟にて、僕たちの新たな生活が始まったのである。


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