晴と颯真
次の日。
航は出社していた。
――空気は、昨日と同じようで、少しだけ違う。
「おっ、きたきた!君が航くん?」
「誰?」
「君の先輩の、桐谷颯真だよ!」
「なんか用っす、か?」
「うわー、こいつ生意気ー」
「ちょっと颯真!茶化してこないでくれる??」
「わりーわりー、っふふっ!」
「思ってねーだろ!」
「バレた?」
「バレバレだよ!もう!」
「もうとかやめろー。きめー」
「はー?颯真の癖に生意気な!」
「どーいう意味だー?晴」
「、……」
「「あ……」」
一瞬、変な間が落ちた。
⸻
「さて、気を取り直して。」
「ごっほーーーん」
「うるさい!… はあ、航くん?君のサクラとしての制服が支給されたよ!」
「制服?」
「そう!ここではみんなこれ着てるんだよ。まあ、そのままの人もいれば改造してる人もいるけどね」
「ほら、俺も改造してるんだぜ?かっけーだろ?」
「やったのは僕だけどね!
「うっせー!」
「うわー、またあそこやってんなー」
「ほんとだー、相変わらずウケるー」
「仲良いのか悪いのか」
モブたちの声が遠くで流れていく。
⸻
「あの……」
「あ!それでね!制服はこれこれ!」
颯真が説明しかけた、その瞬間。
「おま、それどこから取ってきたんだよ?」
別の男が横から入ってきた。
「ん?僕のポケットだよ!」
「制服も入れられちゃう優れ物!」
「それ、お前がつけたのか?」
「そりゃそうじゃん!僕はそーゆーのでここにいるからね!」
軽く言い切る。
ー神楽晴
「んでさ、説明すんのかお喋りすんのかどっちかにしろよ!?」
航がついに口を挟む。
「ごめんねー!ほんとは成瀬が君に渡す予定だったんだけど、任務入っちゃってさ。僕がやることになったんだよね!」
「お前、お喋りって、可愛くゆーようなキャラじゃないでしょ?キャラ崩壊してね?うけるー」
「うっせー、です……」
「「敬語!ww」」
颯真と晴が同時に笑う。
⸻
「まあいいや!とりあえず!この制服に着替えてね!」
晴が手を伸ばすと、何もない空間から制服を引っ張り出した。
「このマークなんだ?」
航が胸元の印を指さす。
「それはサクラのマークだ」
颯真が答える。
「なんか6枚なんだよね。普通5枚じゃん?しかも創始メンバーも5人だし」
「……あれ?6人じゃなかった?」
晴が首をかしげる。
「そこ曖昧なの一番怖いんだけど」
颯真が即ツッコミ。
「ま、いっか!」
晴はもう興味を失ったように笑った。
⸻
「じゃあ、またねん!」
晴が軽く手を振る。
「また会えることを祈ってるぜ、少年」
颯真が片手を上げる。
「少年!ww」
「なんだね????」
「いや今のノリ何だよ」
航は呆れたようにため息をついた。
⸻
(なんなんだ?あいつら……)
でも――
ただの変な人たち、ではない気がした。
サクラ。
その名前の奥に、まだ見えていない何かがある。




