表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/44

成瀬まりという女 その1

沈黙。


「お前、兄弟いるって言ってたじゃねぇか」


「ああ」


「うちも、いた」


間。


「妹」


「ああ」


「優芽って言う」


「……そうか」


「優しいやつだった」


「誰か倒れてたら、真っ先に行くタイプ」


「ああ」


成瀬まりは少しだけ目を細める。


「……いい子だったんだな」


それだけ言って、また黙る。



「死んだよ、優芽」



沈黙。


エンジン音だけが続く。



「だからさ」


「遅れるの、嫌いなんだよ」


「次に間に合わねぇのが一番だるい」


「背負ってるな」


成瀬は、少しだけ間を置いてから言う。


「背負ってる奴ほど、そう言う」


「……違う」


「じゃあ何」


「持ってるだけ」


「重さは同じだろ」


間。



「正しいとか、どうでもいい」


「ああ」


「次に間に合う方がいい」


「……それでいいよ」



エンジンが止まる。


サクラテラス。



「着いた」


ドアが開く。


誰もすぐには降りない。



成瀬まりは、降りる前に一度だけ言う。


「なあ」


「ああ」



「優芽ってさ」



一拍。



成瀬は視線を前に戻したまま言う。


「……サクラのデータ、まだ残ってるんだよな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ