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第二任務

扉が閉まる。


静かだ。


 


(……間違えた、ってなんだよ)


 


須藤の言葉が残る。


 


「——あいつはな。間違えた」


 


それだけ。


 


意味は、分からない。


 


でも。


 


妙に、引っかかる。


 


 


コン。


 


軽いノック。


 


返事をする前に、ドアが開く。


 


須藤。


 


「行くぞ」


 


「……は?」


 


間がない。


 


「次の任務だ」


 


 


思考が止まる。


 


「いや待て」


 


立ち上がる。


 


「今の話は?」


 


「終わりだ」


 


即答。


 


「いや終わってねぇだろ」


 


「必要な分は話した」


 


「足りてねぇって」


 


 


須藤が少しだけ目を細める。


 


「じゃあ聞くが」


 


一拍。


 


「動けるのか」


 


 


言葉が詰まる。


 


 


須藤は待たない。


 


「なら来い」


 


 


(はやっ……)


 


 


その時——


 


ガチャ。


 


 


ドアが開く。


 


 


「須藤、呼んだ?」


 


 


女の声。


 


 


黒髪。


 


無駄のない立ち姿。


 


鋭い目。


 


 


須藤が名前だけ言う。


 


「成瀬まり」


 


 


成瀬は航を見る。


 


一瞬で測る。


 


 


「新入り?」


 


 


「そうだ」


 


 


一拍。


 


 


「5分やる」


 


 


短い。


 


 


成瀬がわずかに首を傾ける。


 


「何を」


 


 


須藤は視線を動かさない。


 


 


「GLOW」


 


 


それだけ。


 


 


沈黙。


 


 


「……了解」


 


 


即答。


 


 


スマホを出す。


 


 


操作が速い。


 


 


画面を流す。


止める。


また流す。


 


 


無駄がない。


 


 


航はその様子を見る。


 


 


(……何してんだ)


 


 


時間が過ぎる。


 


 


1分。


 


2分。


 


3分。


 


 


誰も喋らない。


 


 


4分。


 


 


成瀬の指が止まる。


 


 


画面を閉じる。


 


 


顔を上げる。


 


 


「世界規模の犯罪組織」


 


 


淡々と。


 


 


「人身売買、臓器、違法流通」


 


 


一拍。


 


 


「今回のは末端アジト」


 


 


須藤を見る。


 


 


「叩くの?」


 


 


須藤が頷く。


 


 


「今から」


 


 


5分ちょうど。


 


 


成瀬は息を吐く。


 


 


「了解」


 


 


それだけ。


 


 


航を見る。


 


 


「足引っ張んなよ」


 


 


真っ直ぐ。


 


 


「死ぬから」


 


 


 


(……怖ぇけど)


 


 


少し笑う。


 


 


「お互いな」


 


 


ほんの一瞬。


 


 


成瀬の口元がわずかに動く。


 


 


すぐ戻る。


 


 


須藤が歩き出す。


 


 


「行くぞ」


 


 


 


廊下。


 


三人の足音。


 


 


「任務って何だよ」


 


 


航が聞く。


 


 


須藤は前を見たまま。


 


 


「GLOWのアジト」


 


 


一拍。


 


 


「潰す」


 


 


 


「はやっ!!」


 


 


思わず声が出る。


 


 


成瀬が小さく笑う。


 


 


「今さら?」


 


 


 


外に出る。


 


夜。


 


車が止まっている。


 


 


乗り込む。


 


 


ドアが閉まる。


 


 


エンジン。


 


 


「役割は?」


 


 


航。


 


 


須藤は短く答える。


 


 


「自由だ」


 


 


「は?」


 


 


「各自判断」


 


 


一拍。


 


 


「死なない範囲でな」


 


 


(雑すぎだろ)


 


 


成瀬が言う。


 


 


「甘いと逃げる」


 


 


「逃げたら面倒」


 


 


(……なるほど)


 


 


車が走る。


 


 


街の光が流れる。


 


 


(第2任務)


 


 


(いきなりこれかよ)


 


 


でも。


 


 


嫌じゃない。


 


 


むしろ——


 


 


「……いいじゃん」


 


 


小さく呟く。


 


 


須藤は何も言わない。


 


 


 


「着くぞ」


 


 


 


車が止まる。


 


 


降りる。


 


 


目の前。


 


 


普通の建物。


 


 


明かり。


 


人の気配。


 


 


「……ここ?」


 


 


須藤が言う。


 


 


「そうだ」


 


 


一拍。


 


 


「GLOWの入口だ」


 


 


 


空気が変わる。


 


 


航は息を吐く。


 


 


 


「……はやっ」


 


 


 


でも——


 


 


足は止まらない。


 


 


 


「行くぞ」


 


 


須藤。


 


 


成瀬はもう歩いている。


 


 


航も続く。


 


 


 


——第2任務、開始。

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