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神に抗う者達の天地開闢物語  作者: ゼツボウ君
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ノゾム死す

翌日、俺は学校にて昨日の災難の全てをノゾムに暴露していた。

「…こんな感じで、昨日は散々でしたよ。」

「何重もの意味でお疲れ。」

ノゾムに限っては一般人でありながら俺の仕事や魔物の事の散在を知っている。俺が事件に巻き込んじまったからな。

しかしそれでもこいつは相も変わらず親友をやってくれている。

トラウマになってもおかしくないのに、卒中俺の仕事の様子を聞いてきてそのたびに俺を励ましたり、元気付けてくれるのだ。

だから俺は禁忌であることを承知で魔物のことも俺の能力のことも全て打ち明けるようにしている。

「結局ユミをアジトに連れて行くはめになるしよ…」

「マジでやんすか…」

ノゾムとの話でつい苦笑いしてしまったが、本当は笑い事で済ませていい話ではない。

後悔先に立たずとは言い得て妙だ。

「あー、まさか一般人に俺の正体がバレるなんてな。」

「俺以来…だな」

ノゾムの一言に1年前の記憶が呼び起こされる。

例の俺が親友を事件に巻き込んだっていう話だ。

「本当にすまなかった、あの時俺は…」

俺は机に頭を付けてノゾムに謝罪を入れる。

「い、いや そんなつもりで言った訳じゃないんだ!」

ノゾムは俺が謝罪する度に気にするなと言ってくれるが、俺の心から罪悪感が消えることはない。

こう見えても実はノゾムと会うたびに罪の意識にさいなまれるのだ。


〜1年前〜

俺はベテルに襲来してきた魔物を狩るために、出現場所へと向かっていた。

(まったく、とんでもねぇのが現れたもんだ。)

魔物探知マシンに表示された魔物のレベルは測定不能だった。

ベテルに襲来した魔物の中にそんな前例はなかったためにアジト中の人間が驚愕した。

魔物探知マシンでレベルが測定できないということは最低でもレベル11以上ということになる。

さらに言えば魔物のレベルの上限が分からないので俺以外の能力者メンバーは誰1人として魔物狩りに参加しなかった。

レベル10でもかなり強かったのに測定不能ともなると、未知の領域だ。

もしかすると俺でも勝てないかもしれない。

(くそったれ、俺がやらなきゃ一体誰がやるっていうんだ。)

俺は襲いくるプレッシャーを必死に振り払い、決死の思いで魔物の元へと向かった。


俺が学校に着くとそこにはまるで人間のような姿をした魔物がいた。

「こいつ…なのか。」

今までの魔物とは違って目の前に立っているだけでとてつもない威圧感を感じた。

敵の方も俺の存在を認識したようで臨戦体制に入り、能力を解放してくる。

「!?」

何と奴の右腕からは俺と同じ闇のエネルギーが放出され、それが具現化して闇刀へと変質した。

「こいつ闇のエネルギーの所持者なのか。」

俺の方も右腕に光エネルギーを集めた。

しかし

「なに!?」

なんと光のエネルギーは右腕に集結したものの体外に放出することもそれを具現化することもできなかった。

「なぜだ。これも相手の能力なのか?」

光エネルギーの使用を禁じられ、動揺している俺に隙あり!とでも言わんばかりに魔物が切りかかってくる。

「おわ!」

俺はとっさに身体を捻ってなんとかヤツの太刀筋から己の身を守る。

その後右足を使って左側に回避し、魔物から距離を取る。

かろうじてヤツの攻撃に直接当たることはなかったが、ザバッという音をたてて俺の服に切れ込みが入った。

「ふぅ…早いな。」

流石は測定不能、スピード勝負では俺に勝ち目はないな。

(しかしどうする…光エネルギーは使えないとしたら後残る武器は…これしかないか。)

俺は再び能力を解放し、今度は闇のエネルギーを右腕に集結させる。

幸いなことに闇のエネルギーは具現化させることができ、闇刀を作り出すことができた。

(よーし、これでなんとか戦えはするな。)

相手の魔物の方も俺が同じ能力を発動するを見て驚いていた。

「オリャー!」

俺はヤツに思いっきり突進し、闇刀を振り下ろす。

かなりのパワーを込めたというのにヤツはいとも簡単に俺の闇刀を受け止めた。

しかしその時十字に交差した闇刀同士が共鳴し始める。

「!?」

次の瞬間両者の闇刀は跡形もなく消え去った。

「なんだ!?」

上手く言い表すことができないが、闇刀が意識を持っていて互いに戦うことを拒んで姿を消したようだ。

いや考えすぎだな。ただ単に互いの闇刀が相手のを消し去っただけかもしれない。

だが…

「やれやれ困ったな…」

結果的に俺は光と闇両方の武器を失ってしまったことになる。

光のエネルギーを解放できない時点でセカンドフォルムにもなれない状況にある。

その上敵の魔物はレベル11位上ときたもんだ。

(史上最大のピンチってやつだな。どうしよう…)

光エネルギーは具現化できないし、闇エネルギーは使ってもすぐに消え去ってしまう。

とまぁ何をどう考えてもノーマルフォルムのまま体術でなんとかするという選択肢しか残されていない。

「くそったれー!」

俺は魔物相手に肉弾戦による戦闘を試みた。

俺はフェイントを加えながらヤツの顔面に殴りかかろうとした。

しかしヤツはフェイントを見破り、俺の攻撃を軽くいなした後、両の腕を俺に向けてきた。

「おいおいおい。」

ヤツの掌からは物凄い風力の風とそれよって生じたカマイタチが放出された。

とっさのことだったのでその攻撃をかわしきることはできず、俺は身体中を切り裂かれた。

全身傷塗れになった挙げ句、突風のような風に吹き飛ばされてしまう。

「ハァハァ…まずいな。」

(こちとら接近戦しかねーってのに吹き飛ばされて距離をとらされちまった。)

まさか複数能力を持っていようとは思いもよらなかった。

しかしこの後ヤツはさらに驚くべき事をやってのける。

「…マジっすか?」

ヤツの右腕からは氷の結晶が放出され、やがって大きな氷の山を誕生させた。

「3種類も能力を持つって…」

ここまで来るとさすがは測定不能と称賛してしまう。

魔物は氷エネルギーで作り出した山のような氷の塊を俺に投げつけくる。

「氷ならまだ!」

俺は両の掌から闇のエネルギーを解放し、氷の塊にぶつける。

闇はみるみるうちに山を包み込んでいく。

「はぁぁあ!」


やがて魔物の作り出した氷の山はきれいさっぱり消失する。

あわよくばそのまま魔物ごと消し去ってくれとも思ったが、魔物は闇エネルギーのバリアを纏っていたのでそれは叶わなかった。

「やっぱりダメか…」

(しかしどうする…ヤツを倒すイメージができねぇ。)

俺は必死に突破口はないか考えたが結局何も思いつかなかった。魔物の方もそんなに長い間時間は設けてくれず、氷のエネルギーで作った刀を作りだした。

「くっ!」

俺の方も闇刀を作り出そうしたその時、奥の方からグラウンドの中に入ってくる人影が見えた。

「な、なんだこれは!」

なんとよりにもよってその人物はノゾムだった。

ノゾムはめちゃくちゃになったグラウンドと魔物の姿を見て、驚きを隠せずにいた。

「ノゾム、何でこんなところに。」

「あれ…?シュウヤ、お前こそ何やって…」

この状況は極めてまずい、正直こいつ相手ではノゾムを守ってやれる自身はない。

魔物はノゾムの存在に傷つくと俺との戦闘から離脱してノゾムの元へ飛んでいってしまう。

「ノゾム逃げろ!」

「うわわわわわ…」

ノゾムは地面に腰を落としたままガタガタ震えて動けなかった。

「畜生!間に合え!」

俺は全速力でノゾムの元へ向かったが、魔物の飛行速度の方が早いため、このままでは間に合わない。

とっさに俺は手に持っていた闇刀を魔物に向かって投げつける。

闇刀は魔物の翼に命中し、俺はヤツが怯んだ瞬間に飛び蹴りを喰らわす。

「シュウヤ…お、お前…」

「ノゾム、今すぐここから離れろ。俺でも後何分時間を稼げるか分かんねぇ。」

「…え?」

俺は少しでも魔物を足止めするために蹴り飛ばした魔物の元へ走り出す。

魔物はグラウンドの隅に生えていた大きな樹木に激突したようで地面に倒れていた。

俺はヤツの腹部目掛けて追い討ちのかかと落としを喰らわす。

「オラ〜!」

その後俺は魔物が反撃してこないように連続的にヤツを殴りつけた。

(せめて、せめてノゾムが逃げ切るだけの時間を!)

そう思って必死に魔物を殴り続けたのだが、そのうちスタミナが減っていき、息が切れ始めた。

「ハァハァ…ウッ」

ついに俺の動きが一瞬止まってしまう。魔物はその隙を逃す事なく、掌から暴風を発生させて俺を遠くに吹き飛ばしてきた。

しかしヤツにもそれなりのダメージは入ったようで、動きがオロオロとしている。

俺の方はというと身体中を空気の刃物で切り刻まれたせいで体力、エネルギー共に後僅かになっていた。

(クラクラしてきやがった。そろそろマジでヤベェ。)

頭の中が真っ白になり目もかすれてきた。

俺は自分の終わりを覚悟し、最後に強烈な一撃を喰らわせてやろうと必死に身体を動かす。

「オラアァァ!」

俺は魔物に向かって全力疾走し、その勢いを保ったまま空中でにジャンプしてヤツの頭部に回し蹴りを決め込む。

「ドリャー!」

回し蹴りは見事ヤツの顔面にクリティカルヒットした。

俺は体力を使いきったために体制を維持できなくなり、その場に両手両膝をつく。

「ハァハァハァ…」

俺はもう立ち上がることもできなかったが、魔物の方は今の攻撃が致命傷にはなり得ず、少しの間を置いて立ち上がってきた。

すると運の悪いことにヤツの目の前にはさっきノゾムを助けるために俺が放った闇刀が転がっていた。

「マジっすか…これはもう終わり…かな。」

当然ヤツは勝ち誇ったような顔で闇刀を拾い上げてゆっくりと俺に近づいてくる。

その後ヤツは俺の首を掴んで数発殴りを入れた。

「ぶはっ」

なんの理由もなく俺を痛めつけた後、まるでゴミをポイ捨てるするかのように投げ飛ばしてきた。

「くそ…残りのメンバーでこいつを倒せっかなぁ…無理だなぁ、つーか戦おうともしねぇんだろうな…。」

俺が最後に苦笑すると、ヤツは手に持っていな闇刀を大きく振りかぶる。

「まさか最後は自分のエネルギーにやられるとはな。」

ヤツはそのまま闇刀を振り下ろし俺にとどめをさそうとした。

しかし

「ハァハァハァ、シュウヤー!」

後方からノゾムが駆け寄ってきて俺の身代わりになった。

ズバッという嫌な音をたててノゾムの血液が辺りに飛び散る。

「ぐはっ…」

「ノ、ゾ…ム」

ノゾムはヤツに胸部を切られ、仰向けになって地面に倒れた。

「ノゾム!」

「ははは…まさか、こんな終わりを、する…なんてな。…けど、今まで楽しかったぜ。」

ノゾムの全身から力が抜けていき、生命力が低下していくのを感じた。

「あばよ親友…」

最後にそう言い残してノゾムは目を閉じた。

「お、おい嘘だろ、ノゾム!」

俺の叫びにノゾムの返事が返ってくることはなかった。

魔物はそれを嘲笑うかのように再び闇刀を振り下ろす。

「…」

俺はそれを片手で受け止め、ヤツの腹を取り飛ばす。


憎い


俺の目の前で親友を殺したこの魔物が憎い


人間を見捨てたNEOの連中が憎い


親友を守れなかった無力な自分が憎い


こんな運命を仕向けできた世の中の全てが憎い!


「うぉぉおああああ!」

俺の心の奥底から怒りや憎しみといった感情が溢れ返り、それが表に溢れ出てくる。

そしてそれはそれらの感情を好物とするある存在を目覚めさせるカギとなってしまう。

俺の身体からはこれまでとは質の異なる膨大な量の闇エネルギーが解放された。

「うぁあああ!」


〜シュウヤの体内深層部 闇の扉〜

<いいねぇ、ゾクゾクするねぇ。僕にも伝わってくるよ。君の怒りが、憎しみが!>

闇の創造主はわずかに開かれた扉の隙間から闇のエネルギーをシュウヤに分け与える。

<ふふ、僕の力を少しだけ分けてあげる。好きなだけ暴れなよ。>


〜現実世界〜

闇が俺の全てを包み込んだその時、俺は意識を手放した。

ここまで読んでいただけた方、誠にありがとうございます。編集ばかりしていて話が全く進まず申し訳ありません。(なんなら内容はあまり変えないとか言っておいてかなり変わっている件について…)

どのくらいの時間がかかるかはわかりませんが、今後も文章の編集に力を注いでいきたいと考えております。

今後ともよろしくお願いします。

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