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神に抗う者達の天地開闢物語  作者: ゼツボウ君
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レミアの故郷〜ゼラファーにて〜

門番をしていたのは昨日ベテルに現れた魔物だった。

その魔物は俺達に気づくと、静かに歩み寄って来た。

<お帰りなさいませ。レミア様。>

その魔物はレミアに向かって片方の膝を地面に着き、頭を下げた。

<お疲れ様、話はシュウヤから聞いたわ。>

流石は女王と言ったところか、ベテルにいた頃とは随分と雰囲気が変わっている。

まさに王族といった感じの貫禄をみせている。

<それで、消息を絶ったという幹部は?>

<ウェルトン様とベタージェ様です。>

その後の2人の話がら察するに王国軍の幹部は魔物の中でも特に戦闘能力に優れており、並の魔物では歯が立たない強さらしい。

まぁ国王直属の幹部なのだから当然のことか。

幹部は全員で5人。その中がら1年前に1人、そして今回ので2人の幹部が消息を絶ったという。

反乱軍の仕業なのか、しかし幹部の強さを持ってそれは考えづらい。それに幹部が戦闘をしたとするならば、何かしらの痕跡が残るはずだ。しかしそんなものはどこにもなく、ある日突然その姿を消したのだという。

<気になるわね。>

<はい。生きているのかどうかも不明です。>

こんな時、NEOのアジトにある魔物探知マシンでもあれば良かったのにな。

数分後、2人の会話が終了して門番の魔物は再びレミアに頭を下げた。

そして今度は俺の方に歩いて来た。

<あなたがベテルからやって来たという魔物狩りですね。>

<あぁ。これまで多くの魔物を狩って来た。そちらとしては、俺は仲間の仇だ。>

俺はこれまで数多くの魔物を殺して来た。その中には理性を持つ魔物が何体かいたかもしれない。

俺は改めて深々と頭を下げた。

<いいのです。どの道理性を失った魔物は粛清しなければなりません。>

門番の魔物もベテルで多くの人間が魔物の餌食となったことを知っていたようで、俺に頭を下げた。

<魔物が理性を失って暴れ出した事件も気になるが、今は姿を消した幹部のことや反乱軍への対処法について考えよう。>

それから俺は先程から気に成っている事を質問してみた。

<その1年前に消息を絶ったという魔物はどんな奴だったんだ?>

<姿はあなた達人間と似ています。背中には翼を持ち、ゼラファーで唯一のダークエネルギー所有者です。>

とても見覚えがある。

試しに<先端が4つに分かれた尾を生やしていなかったか?>と聞くと、<なぜご存知なのですか!?>と帰って来た。

確信に近いものがあった。おそらく間違いは無いだろう。

1年前にノゾムの家の前に現れたあいつだ。

あいつは幹部だったのか、たしかに凄い強さだった。

ノゾムの話によると俺はそいつを・・・やめておこう。

<ごめんなさい。その幹部を殺した犯人俺です。>

俺がそういうと門番も、後ろにいたレミアも驚いていた。

<あ、あなたがディモン様を!?>

そのディモンという魔物は幹部達の取りまとめ役でレミアを除けば、ゼラファー最強の強さを持っていたと言う。

<ではディモン様も>

<おそらく理性は無かったと思う。>

ゼラファーの最高幹部も理性を失い、破壊と殺戮の化身と化してしまっていた。

仮に誰かが魔物から理性を剥ぎ取ったのだとすると、そいつは少なくともディモン以上の力を持っているということになる。

この仮説を真とするならば、怪しいのはやはりあの黒いマントの奴だ。

大昔にゼラファーで多くの魔物を斬り殺した奴だ。人間なのか魔物なのか、はたまた別の何かなのか。

(一体何者なんだ。)

俺達2人の間に沈黙が流れた。

そんな俺達を見てレミアが話を切り出す。

<シュウヤ、ここで考え込んでいても埒があかないわ。とにかく中に入りましょう。あなたも代わりを寄越すから今日は休んで。>

<ハッ!>

門番によって門が開かれ、俺は城下町へと踏み入った。

「おぉ〜。」

中はまるで商店街のようになっており、飲食店やエネルギー増強剤というものを売っている店などがある。

<随分と店が多いみたいだが、お金のようなものでもあるのか?>

<ティモルというものがあってね。ベテルでいうところの許可書のようなものかしら。>

ゼラファーではお金の代わりに、ティモルという許可書が使われているらしい。

ティモルは買い物などをする際に使用されるもので、種類によって手に入れることのできるモノが変化する。

その種類は価値の低いものから順にクレー、スティール、メタル、レアメタル、ジュエルの5つ。

ジュエルのティモルともなると、武器屋で最も高価なモノを10個+1年間分の食事券並みの価値があるらしい。

<何か買いたいものがあるならプレゼントするわよ?>

<ありがとな。帰りまでに考えておくよ。>

色々な店舗を回って、ノゾムやユミカへの土産でも持って帰ろう。

俺達は城下町を通り過ぎ、王宮へとやって来た。

城自体は西洋風の作りに見える。

中に入るとレミアの配下の魔物が出迎えて来た。

どいつもこいつも殺し屋のような貫禄を持ち、厳つい顔をしている。

まだ魔物との生活には慣れていないので、俺はひと息つくためにレミアの私室に案内してもらえるように頼んだ。

するとレミアはあっさり了承してくれた。

<ここが私の部屋よ。>

「お、お邪魔します。」

随分と小洒落た部屋だ。机やベッドにエアコンのような物もある。何故か部屋の中なのに噴水やプールがあるのが気になるがそれ以外におかしい点はない。ただ超がつくほど広い。

普段人間が生活している部屋と比べると、ミニ四駆とタイタニック号ほどの違いがある。

「まぁその辺に座ってくつろいでて。」

まるで高級ホテルにでも居るような気分だ。

ある意味落ちつかねぇ。

「はい。」

部屋に入っても落ち着かない俺にレミアは飲み物を出してくれた。

「おおう。サンキュウ」

俺は手渡されたグラスに入っていた水色の液体を少し飲んだ。

体の奥底まで染み渡るような爽やかな味がする。

とても美味しい。

しかし次の瞬間体に異変が起きた。

あ、あれ?」

何故か急に眠たくなってきたのだ。

旅の疲れか?今すぐ眠りにつきたい。

「わりーちょっと、休ま…さ、せ」

次の瞬間俺は意識を手放した。


「ふふふ」

解説を入れます。

<>で囲われた文は魔物の言語で話されたものを日本語訳したものです。

したがってレミアと2人っきりになった途端に「」になったのはシュウヤが気を抜いて、日本語を話してしまったからという設定です。

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