シュウヤVS新人コンビ
ユミカとノゾムは各自それぞれの能力を解放した。
「ブロットショックアクア」
「アブストリューズウェストレイント」
ユミカの作り出したエネルギーによって2人は水のオーラに包まれた。
「なるほど、物理攻撃による衝撃を軽減したか。」
俺も戦闘モードになり、ユミカに向かって突進した。俺の動きを観察しながら、ユミカは冷静に受け身の体制を取った。
俺は水のオーラなど御構い無しに蹴りを入れた。
すると、攻撃はユミカの体に届く前に水のオーラに受け止められてしまう。
(なるほど、ユミカの作り出したオーラの膜の外側にノゾムの束縛エネルギーを上塗りして威力を殺したってところか。防御力は中々だな。)
俺の攻撃が止めた直後、ユミカはとっさに俺の足を掴んでノゾムに合図を出した。
ノゾムは「オーケー、んじゃ行くよ。」と応答し、身を閉じて何かに集中し始めた。するとユミカを覆っていた水のオーラはオゾムの束縛エネルギーと融合して緑色のオーラへと変貌した。
そのオーラはユミカに掴まれた足を通って俺の全身へと移動してきた。
「くっ」
緑色オーラを纏った瞬間、俺の体の動きが鈍くなった。
ノゾムの束縛エネルギーも一緒に纏わされたために上手く体を動かせなくなったのだろう。
「ノゾム先輩!今です!」
俺の動きが止まるとユミカは再びノゾムに合図を出した。
「おう!」
気が付くとノゾムは両腕に雷のエネルギーを溜めていた。
ノゾムは束縛能力の他にも、雷性の戦闘タイプ能力を兼ね備えていた。
「サンダーズエクスプロージョン!」
ノゾムの腕から雷のエネルギー波が放たれた。雷というだけあって、そのスピードは極めて速く、体を束縛された今の状態で交わす事は不可能だった。
そして雷は水に効果抜群。物理攻撃では無いため、ユミカのオーラに威力を軽減されることもない。
「いいコンビネーションだ。」
ドッカーーン!!
ノゾムの放ったエネルギーは物に触れた途端に大爆発を起こした。
「よし!上手くいったな!」
「はい!どうですか先輩!」
2人は息の合ったコンビネーョン技の成功に喜んだ。しかし、爆炎の中に俺の姿は無い。もうすでに2人の背後に回っているからだ。
2人はまだそのことに気づいていない。
俺は後ろからノゾムを攻撃した。先程ユミカにした時よりもさらに力を込めて。
ズゴンッ!!
「ぐはっ!」
背後から蹴りを入れられたノゾムは向こう側の部屋の壁まで吹っ飛んだ。
「なっ!?」
流石のユミカも状況を飲み込めていないようだ。
俺はサンダーズエクスボロージョンを受ける直前、体内のダークエナジーを見に纏わせた。その後、俺の体は黒いオーラに包まれてた。
そうこれがダークテリトリーだ。
このオーラは対エネルギー用のエネルギーフィールドであり、光以外の全ての能力を闇に沈める。
ダークテリトリーは俺の全身から発せられるエネルギーなので、すでに俺にまとわりついてた緑色オーラも無効化することができた。
後は2人の視界を一瞬奪うために、わざとサンダーズエクスプロージョンに光のエネルギーをぶつけて爆大爆発を起こさせた。それによる閃光で2人が一瞬目を閉じた時、俺は背後に回りこんだというわけだ。
「攻撃も防御も戦略も中々だ。しかし、今のように技が決まった時に油断してしまう所がお前らの弱点だ。もし俺が魔物だったら、2人とも死んでるぞ。」
「くっ。」
ユミカは俺から距離をとって、エネルギー溜込めた。
「はぁ!」
ユミカは巨大な津波を作り出し、俺を攻撃してきた。
俺は津波に飲まれるがダークテリトリーに入った水は消滅していき、みるみるうちに津波はその姿を消した。
津波が消滅し、部屋の中を伺うと、ユミカは既にノゾムの側にいた。そして
「ヒーラーズアクア」
ユミカは回復系能力を発動させ、ノゾムを淡いピンク色のベールで包んだ。だが
「戦闘中、敵に背中を向けるのも禁物だ。」
俺はユミカの左肩の上にそっと光刀を置いた。
「私達の完敗ですね。」
俺は戦闘モードを解いていつものマヌケな俺に戻る。
「悪かったな。色々やりすぎちまった。ノゾム大丈夫か?」
「あー、効いたぜ。ユミカちゃんのプロットショックアクアが無かったら、こんなんじゃ済まなかったな。」
まだダメージは残っているようだが、一応大丈夫そうだ。
「しかし、結局何もできませんでしたね。」
ユミカは少し落ち込んでいる。先ほどの戦闘で、少し言い過ぎてしまったか?
「悪い。さっきはちょっと強く言いすぎた。 でもな。今まで魔物相手にダークテリトリーを使った事はない。この力を使わせただけでも、大したもんだよ。」
実際にあの連携攻撃はかなり強力だった。魔物だけでなく、一般的な異能力者でも攻略は難しいだろう。
「すげーよお前ら。この短時間でここまで成長したんだからな。」
「じゃあ俺達、お前とチーム組んでもいいか?」
ノゾムの言葉に俺は頭を抱えた。確かに実力はある。これからより一層成長することも期待できる。
しかし
俺は1年前、魔物との戦いにノゾムを巻き込んでしまったこと。大怪我をさせてしまったこと。などあの時のことを色々と思い出す。
「俺はさ。お前達を危険な目にあわせたくないんだ。また1年前のように、強い敵が現れるかもしれない。また俺自身がお前らを傷つけるかも知れない。」
俺がそう答えるとユミカとノゾムは真剣そうな顔をして言った。
「NEOに入った時から、危険は承知の上です。」
「そうだ!それに俺達はお前と共に戦いたいんだ。今まで助けてもらってばかりだったお前と一緒に戦えることが嬉しいんだよ。」
今まで、これほどまでに真剣な目で俺とのチーム結成を望んだ者はいなかった。そんな2人の真っ直ぐな気持ちがとてつもなく嬉しかった。
「分かった。これから俺達はチームだ。やばい敵が現れても、俺ら3人ならきっと勝てる。これから先、共に強くなって行こう!」
こう言いつつ、俺は2人と肩を組んだ。2人ともとても嬉しそうな顔をしている。
「それに今はレミアさんも居るしな!」
「ま、まぁな。あいつの強さは桁が違ううからな。」
ハハハハハ
「誰、ですか?」
ユミカはレミアと会った事がないから、まだ分からないか。まぁ話すと色々と面倒な事になるので、今は黙っておこう。




