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神に抗う者達の天地開闢物語  作者: ゼツボウ君
31/63

突然の訪問者

〜昼休み〜

午前中の授業を全て終えた俺はいつものようにノゾムと弁当を食べながらトークに花を咲かせていた。

内容はもちろん今日俺の見に起きた出来事についてだ。

解決した今となっては色々と笑い話に使える内容も含まれていたのでな。

しかしそうは言ってもツルミさんの過去に触れるわけにはいかないので色々とセーブして話すよう心がけている。

「ってなことがあってよ〜」

「それは大変だったな…」

何故かいつものノゾムと反応が違った。

何か他に話したいことでもあるのだろうか。

「どうした?」

「いや、そのぉ部活の後輩から聞いた話なんだけど、ユミちゃん転校するらしいよ?」

「マジで?」

話によればユミの友人だという部活の後輩が昨日ユミ本人からそのような内容のメールを受け取ったのだという。

遠く離れた高校に転校することになったらしいがたしかあいつは今NEOで異能力の有無を検査している最中のはずだ。

結果が出るまで数日かかると総帥は言っていた。

どうもタイミングが良すぎる。

「何かあるな。」

「俺もそう思う。もうこれはユミちゃんが能力を秘めていたってことじゃないかな。」

「賛成したくはないけどしざるを得ないな。」

「それにしてもフユミさんも転校しちゃったし、この高校生徒いなくなりすぎたろ。」

「あっ…」

ノゾムに指摘されて反射的にフユミの席の方に目を向ける。

そこには誰も使用していない空席がポツンと置き去りにされていた。

(そっか、あいつもう転校したのか。)

あれだけ存在感のあった女王様もとい友達が急にいなくなると少しばかり心細くなってしまう。

「はぁ、シュウヤと幸せになる前に転校しちゃうなんてなぁ。見てて面白かったのに。」

「俺と幸せにってどう言う意味だよ!…面白がるんじゃねーよ。」

今までノゾムは聖人様のような男だと思っていたが、ちゃんと黒い部分も存在するらしい。

「フユミさん、あー見えて本当はすごい良い人なのにな。」

「あ、らあぁそうだな。っていうか突然どうした?」

「いやほら、あーいうの聞いてると気分悪くならない?」

ノゾムは小声でそういうと手をグッドの形にして真後ろにいた女子達を指さした。

今まで気にしていなかったが、改めて耳を傾けてみるとどうやらその女子達はフユミの話題で盛り上がっているらしい。

しかもあまり喜ばしくない内容で…

「あの人超ウザくなかった?」とか「転校するって聞いてめっちゃ嬉しかった、」などという言葉が聞こえてくる。

たしかに見ていて不快だ。

いくらフユミが高圧的な態度を取っていたからって俺以外にはそこまで強くあたっていなかったはずだ。

多少オーバーかも知れないが、クラスの風紀を乱しかねない人間に対しては説教じた物言いをする。

やっていたとしてもこういうことくらいだろう。

少なくとも「居なくなって良かった。」なんて度を超えすぎだ。

「フユミないなくなった途端にこんな…あっ。」

“私が居なくなることを知ったクラスの人達が盛り上がっている姿なんて見たくないから。」

ふと別れ際にフユミが言っていたセリフを思い出す。

フユミは最初っからこうなることが分かっていたのか。

周りの人間からはこんなにも嫌われるような人間を演じてまで俺を惚れさせようとしていただなんて前途多難にも程がある。

しかしそう考えると責任の一端が自分にあるんじゃないかという気分になってくる。

(つーかなんで俺の好みのタイプが嫌われキャラだと思ったんだあいつ。…ってあれ?)

何故か遠い昔に誰かと好みのタイプについて話し合ったような気がした。

そしてその時好みのタイプはツンデレと嫌われキャラ、なんて言ったような気が…

(まっ、気のせいか。)

「まぉ悪い意味でアレも女子らしい姿だよな。」

「けど、あれじゃモブコさんも可哀想だよ、」

フユミに対して陰口を言っていた女子連中は明らかに嫌がっているモブコさんを巻き込んでダークネスガールズトークを楽しんでいた。

ダークネス女子A「ほら、モブコも何か言ってやんなよ。」

モブコ「え、私はその…」

ダークネス女子B「この際フユミさんじゃなくてもいいよからさぁ、ムカつく奴のこと暴露っちまいなよ。」

その女子達は普段大人しくて心優しいモブコさんに誰かの崖口を強要しようとしていた。

流石に注意した方が良いと思い、席を立ち上がろうとしたその時

「じゃ、じゃあ今とっても気分の悪い人達がいるのですが。」

「「え?」」

盗み聞きしていた俺とノゾムは声を揃えて驚いた。

モブコさんと言えば目立たないが心の優しい人で怒ったところを誰も見たことがないという素晴らしいお方だ。

強いられたとは言え、誰かの陰口を言うような人にはとても思えなかったのではちゃめちゃ驚いた。

(ひょっとして今盗み聞きしてる俺達のことかな?)

(ありうる…あまり褒められたではないからな。)←リアルテレパシー

俺達の間に不気味な空技が流れる。

しかしこれからモブコさんの発する言葉は俺達の想像を遥かに上回るモノだった。

「私の嫌いな人達は本人の目の前では大人しくしているのにその人がいなくなった途端に陰口を言って遊び始めるような器の小さな人です。」

「「え?」」2回目

「誰にでも他人に負の感情を持つことはあるでしょう。しかしそれを本人に伝える勇気もない臆病者にフユミさんもどうこう言われたくないんじゃないですかね。」

モブコさんの素直な意見を聞いて女子達は唖然とした。

「それでは次の授業の準備をいたしますので私はこれで。」

そう言ってモブコさんは弁当の包みを持って自席(今俺達が座っている席の隣)に戻ってくる。

シュウヤ「な、なぁモブコさん、あんなこと言って良かったのか?」

モブコ「嫌いな人を家えと言われたのでそうしたまでですよ。」

ノゾム「でも今度はモブコさんがターゲットにされちゃうよ?」

モブコ「良いんです。」

シュウヤ&ノゾム「良いの?」

モブコ「だってこうすれば少なくともフユミさんへの陰口は無くなるでしょ?」

その時俺達の全身に稲妻が走った。

((天使モブコや!))

っという感じで話に夢中になっているとあっという間に時間が過ぎ、昼休み終了のチャイムがなった。

「じゃあ、とりあえず午後の授業を片付けたらユミの家にみってみようぜ。」

「そうだね、それじゃあまた後で。」


〜放課後〜

3時間程前に話していた通り、俺とノゾムは放課後にユミの家えと市へと向かっていた。

何の連絡もなしに突然自宅を訪ねるのはどうかと思ったが、連絡先などは持ってないし、伝える術がないので致し方ない。

そうして見慣れない道を少し進んでいると前方を歩くノゾムの足が止まった。

「確かここのはずだよ、ユミちゃんの家。」

「そっか…」

ユミの家を前に俺とノゾムは互いに目を合わせた。

「どっちが行く?」

「よーし、決めようぜ!」

「「どりゃー!ポン!ジャンケンポン、あいこでしょっ、しょっ、しょっ…」」

「やったー!オラの勝ちだぜ。」 

あまり負けたくないジャンケンに負けてしまった。

こういう場面において俺は誰かの後ろにひょっこり立っているようなキャラでいたいのだ。

とは言え勝負は勝負なので俺は潔く家のインターホンを鳴らした。

…が、反応がない。

「もう引越したのかな?」

「いや、少し前まで家に居たみたいだぞ。」

部屋の中から僅かに冷気が漏れ出していたから少し前まで誰かが中にいたのは間違いない。

そして部屋の中から微妙に感じられるこのエネルギー跡

滑らかで弾力があり、それでいて人間を癒してくれそうな、そんなイメージを持たせるエネルギータイプ

「おそらく水だ。」

「部屋の中に入ったわけでもないのにそこまで分かるって逆に怖いな…」

「けど今は家に誰も居ないみたいだな。夜アジトに行った時にでも総帥に聞いてみるよ。」

ユミが一体どうなったのかは総帥に聞けば分かることだ。

ユミ本人と話すことはできないのだから、これ以上ここでジタバタしても仕方がない。

「そうか。じゃあ明日詳しく教えて。」

「おう。」

そうしてユミの家を後にした俺とノゾムはスーパーに寄ってから各々の自宅へと帰宅した。


〜帰り道〜

「はぁ、なんか 今日はいつも以上に疲れたなぁ〜。」

ノゾムと別れ、自宅を目指していた俺は大きなため息をつきながら力なく歩いていた。

朝から色々なことがありすぎて精神的にももうくたくただ。

それと同時に気分も落ち込んでいるせいか、10分程の短い道が今日はやけに長く感じた。

とぼとぼ歩くこと15分後、やっと遠目遠くの方に我が家が見えてきた。

「ふぅ、やっと着いた。」

家はドアの前で鍵穴に鍵を差し込む。

ほとんど頭脳停止状態だったので家の中の違和感に気づかなかった。

「ただいまー…って言っても誰も居ないんだけどね。」

少し休みかさたいところだが、お腹も空いてきたので夕飯の支度をするためにリビングへと向かう。

「今日の夕食は〜っと」

そうしてリビングの扉を開く。

すると

「あら、お帰りなさい。」

「えっ…えっ!?」

なんとリビングで見知らぬ女性がソファーに座ってくつろいでいた。

「誰ー!?!?!」

「あらあら流石に人間体だと私が誰か分からないみたいね。」

そう言うと女性はソファーから立ち上がり、俺の向かい側にやってきた。

「ふぅ…」

女性は目を閉じ、体中から白い光を放つ。

「んぐっ、なんだ!」

強い光でよく見えないが、おそらくポケモンが進化する時のように女性の姿形ご変化しているんだと思う。

20秒ほどして女性は光の放出を止めた。

俺がゆっくりと目を開くとそこにいたのは、、、

「えーと、ヤッホー?思い出してくれたかしら。」

ゼラファーの女王、レミアだった。

1度しか会っていないが俺がこいつを忘れるわけがない。

魔物とは思えないほど高貴且つ暴虐的オーラ(概念的なモノ)、戦ってもいないのに伝わってくるその戦闘能力。

レミアにその気は無くとも自然と身体が臨戦態勢に入る。

「そんなに身構えないでよ。」

そういうとレミアは再び白い光を放出し、人間の姿へと戻った。

「既に聞きたいことはエベレストくらいあるが、とりあえず何でお前が俺の家にいるんだよっ!」

焦る俺の顔を見てレミアはクスクスと微笑む。

「ごめんなさいね。でも連絡のしようが無かったし許して。」

「それはそうだが…っていうか何で俺の家の場所知ってるんだよ。」

以前俺がレミアと会った場所は隣町だったはずなのでレミアが俺の家を知っているはずはないのだ。

「えーっとこういう時、人間は何亭うんだっけ…」

「ん?」

「あぁ!そうだ、ふふ女の勘よ。」

「えー…」

まるで日本語習いたての外国人のような反応だった。

大方何かの能力でも使ったんだろう、とあまり深くは考えないことにきた。

「なら何しにきたんだよ。」

「この前の答えを聞きにきたの。」

3日前レミアはゼラファーや魔物について色々と教えてくれた。そして自分の目でゼラファーや魔物について確かめることを勧めてきたのだ。

「あぁ、あのことか。」

「まぁ今すぐじ「なくてもいいの。私もしばらくベテルに住んでみようと思ってたから。」

どうやらレミアはしばらく俺の家に居候するつもりらしい。

レミアからすれば魔物狩りである俺は1番の天敵だ。

一度会って互いに少しは相手のことを理解したとは言え、あまりにも無防備すぎる。

周りに他の魔物の気配がしないところを見るとベテルへは1人でやってきたらしい。

女王様が、1人で…

手下を使わずに自らやってくるとは予想外だった。

「ふふっそれにしても流石ね。もう力を開花させているだなんて。」

「力だと…!?それじゃあ!」

「そう、他人の心を読んでしまう力は私があなたに捧げたモノよ。」

(そうか、あの時…)

“あなたに少し渡しておくわ。”

そうしてレミアに唇を奪われた時、何かが俺の体中に入ってくるのを感じたんだ。

「あの時俺に力の1部を分け与えていたのか。」

「そう、あなたに信用して欲しくてね。」

俺の体内に現れたもう1つのエネルギーはレミアから与えられたものだった。

人間ではなく魔物の、それも女王の所持している特殊なエネルギーだったからツルミさんも見たことがなかったのか。

「そうか。だから…」

俺の頭の中で次々と謎が解けていく。

まず、昨夜の謎の興奮だが、アレは夜中に行動力を増す魔物の特性が現れていたのだろう。

そして今朝の全身が燃え上がるような激痛も陽の光に弱い魔物の特性が現れていたのだ。

「これで私に裏が無いことが証明できたでしょ?」

「ん、んんまぁ。」

(信用を得るためにわざわざ力の一部を俺に与えるなんてこいつマジか。)

俺は心の中でそう思ってしまった。

まぁレミアは心が読めるのですぐに応答してくるだろう。

しかし

「ん?」

「あれ?」

レミアは何の反応も示さなかった。

「あー。先に言っておくけど、今の私に人の心を読む力はないわよ?」

「え、そうなの?」

聞くところによるとレミアは何種類かの特殊なエネルギーを持っており、状況に応じてそれらの力を使い分けているらしい。

その中の1種類、つまり心読みのエネルギーは全て俺に託したため、レミアはその能力を失ったのだという。

「私の心を読めば分かるでしょう?」

レミアが不思議そうにそう聞いてくるので俺の方も今日あったことをレミアに説明した。

「ふーん、つまりあなたが本格的な戦闘モードに入らない限り、他者の心を読むことはできないということね?」

「そういうこと。」

「何故他の人間の心を読んだらいけないの?」

「それは、こちらの世界にはプライバシーという概念が存在しまして…」

レミアはそれを聞いて驚いていた。

ゼラファーにおいて魔物は心に裏を作ったり、本音を隠したりはしないらしい。

故に心読みの能力はゼラファーにおいてほとんど意味をなさないんだとか。

「なんか魔物って人間より純粋な生き物なんじゃないか?」

「確かに、あなたの話を聞く限り、人間の方がよほどおぞましい存在ね。」

事実今現在の人間達ときたら、身勝手な理由で簡単に犯罪に手を染めたり、人や動物を殺したりもする。

人を手にかけている時点で理性を失った魔物と同類だと言える。

そう考えれてみれば人間の方こそ魔物に恐れられる存在だと思えなくもない。

「なんか。ほんと諸々すまん。」

「何故あなたが謝るの?おかしな人。」

レミアはクスクス笑っていた。

「じゃあ、今度ベテルを案内してもらえるかしら?」

レミアは俺にベテルの案内を頼んできた。

ここまで来ると本当に観光目的で日本にやってきた外国人にしか見えない。

「分かったよ。」

「それが終わったら、今度はシュウヤがゼラファーに来る番。これからよろしくね。」

こうしてレミアの居候が決定した。

まぁ俺の家は普通の家よりかはデカイし、両親は1年間は帰ってこないので、住む人間?が1人増えても何ら問題はない。

「よーし、じゃあ飯にするか。」

それからレミアとの共同生活が始まった。

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