↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
178/316

〈幕間 勝利の先に……〉



 この世界は、五つの大陸に分かれている。



 東に位置し、竜人族が治める〈蒼の大陸〉

 西に位置する、我ら獣人族が治める〈翠の大陸〉

 南に位置する、人族が治める〈朱の大陸〉

 そして、北に位置する鬼人が治める〈黒の大陸〉

 最後に、東西南北の大陸の中央に位置し、神海と呼ばれる巨大湖の上空に浮かんでいる大陸、〈白の大陸〉を治める翼人族だ。



 五つの大陸には、それぞれ聖獣が一柱ずつ棲み守護している。



 聖獣は王を定め、啓示し、選ばれた王は聖獣の恩恵、加護をもって統治し、その大陸に棲む全ての盾にならなけれざならない。それが、主な役割であった。



 つまり、彼らが一番に求められているのは、王都での内政力ではなかったのだ。

 故に、この世界で王と名乗る者は、比較的行動が自由だった。



 そんな中で、今五大陸の全ての王が頭を悩ませている件が、黒の大陸の問題だ。



 直接対処しているのが、黒の大陸と国境を接している、蒼の大陸と翠の大陸だった。

 竜王と獣王は国境に赴き、宮廷魔術師と共に結界の保持と、警護の任に当たっている。



 ーー黒の大陸の住人、鬼人を自分たちが住む、この大陸に入れないためだ。



 彼らは今や、呪われた流民であった。



〈穢れ〉を一歩たりとも入れないために、彼らは結界を張っているのだ。










 遠く離れたその場所からも、天に昇る翠の光りの柱が見えた。



 その瞬間、疲労困憊だった騎士や兵士、魔術師たちは、その光りを見て歓喜に沸いた。当然、獣王もロイも同じだった。



 翠の柱が意味すること、それは、今まで眠っていた聖獣様が目を覚ましたことに他ならない。

 それは同時にーー聖獣ビャッコ様の力により、今以上に翠の大陸が活性化することを意味していた。



「陛下!!!! ロイ殿下!!!! 今すぐ、国境までお戻り下さい!!」



 軍馬が嘶(イナナ)く声と共に、感動を打ち消す兵士の声が、獣王とロイを現実に戻した。

 獣王とロイは慌てて手綱を握ると、国境まで軍馬を走らせた。



 そこで見たものは、薄い緑色の壁だった。微かに色が付いているかと分かる程の薄さだ。

 それは、黒の大陸と翠の大陸の国境線に沿っていた。



「……これは?」



 軍馬から飛び降り駆け寄ったロイは、緑の壁に恐る恐るだが手を伸ばす。後ろから咎める声がしたが、構わず、ロイはそっとだが触れてみた。



「温かい……」

「ビャッコ様の加護だ」



 聖獣ビャッコの加護を受けている獣王は、緑の壁の正体を瞬時に理解する。

 現に、鬼人がその壁に近付いただけで、衝撃で弾き飛ばされていた。



「もう、ここは大丈夫だ。我々は護りきったぞ!!!!」



 獣王の勝利宣言に、そこにいる全員が「おーーーーーー!!!!!!」と、拳を天に掲げ雄叫びを上げた。



 それからの行動は早かった。

 獣王、ロイ、第一部隊が先頭に立って、宴の準備に取り掛かる。宴といっても、馬鹿騒ぎをするだけだが。



 火を取り囲み、騒いでいる彼らは気付かない。第一部隊の数人と獣王、ロイがその場に居ないことに。

 彼らは、少し離れたテントの中にいた。



「……これからが大変だな」

 獣王が心痛の面持ちで呟く。



「蒼の大陸ですか?」

 第一部隊の一人が尋ねる。



「それは大丈夫だろう。ここにいる鬼人が、蒼の大陸の国境沿いに向かうことは、まず不可能だ」



 第一部隊の問いにロイが答える。



 距離もだが、その道中、確実に魔物に襲われるだろう。それに、食料自体まずもたない。

 国境沿いにいる鬼人たちが、国境を越えられないにも関わらず、その場に残っているのは、魔物に襲われるのを回避するためでもあったことを、獣王たちは知っていた。



「黒の大陸の夏は短く、秋はほとんどない」

 ロイがヒントを出す。



「魔物の増加とゲンブ様の置かれている状況ですね……」

 部隊団長であるギースが答える。



「そうだ。とりあえず、夏が終わるまでに魔物の減少。そして、ゲンブ様の御身の確認しなければ……」



 そう言うと、獣王は机に向かい手紙を書き始めた。ものの五分程で書き終えると、それをギースに渡す。



「至急、それをミカと宰相に届けろ! 俺とロイは今しばらく、この場に残らねーといけないからな」



 やるべきことは山ほど残っている。



「畏まりました」



 ギースは獣王から手紙を受け取ると、副団長であるライザに渡した。



「同行者を至急二人選び、今から早馬で王都に向かえ!!」

「はっ!!」



 テントを退出しようとするライザに向かって、ロイは声を掛けた。

「すまない、ライザ。無理をさせる」と。



 ロイの労いの言葉に、一瞬、ライザは驚くが、表情を変えることなくその場を後にした。






 お待たせしました(〃⌒ー⌒〃)ゞ


 第四章に続く話になっております。

 時間列なら、前話と逆になりますが、物語上、あえてこの順序で更新しましたm(__)m


 それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。