〈プロローグ〉
祝170話!!
第四章の始まりです(〃⌒ー⌒〃)ゞ
薄暗かった。
どんよりと、幾層にも厚い雲が空を覆っている。
いつから、太陽を見ていないだろう。もう……何ヵ月も見ていない気がする。
正しいことをしたのだと、正義が行われたのだと、誰もが思っていた。
ーーしかし、現実は違った。
あの男を大陸から追い出した瞬間、聖獣ゲンブ様は御隠れになった。
王妃が何度も呼び掛けても答えてくれない。
それでも、何度も王妃と共に鬼王は森を訪れた。
しかし、森に入ることが出来ないまま、手をこまねいているうちに、冬が来て太陽が消えた。
太陽が消えたのは、誰もが冬のせいだと思っていた。
たが、それは間違いだと彼らはすぐに気付くことになる。
ようやく長い冬が終わり、待ち遠しかった春が来て、作物の苗を植えたが、その苗はもはや実を実らすことはない。全てが枯れてしまった……
疲弊した大地に、姿を見せない太陽。
この二つがもたらしたのは、大凶作だった。それはあっという間に、大陸全土に広がる。
そして、大凶作とほぼ時を同じくして、魔物の被害の報告が増えた。
始めは被害を抑えようと、鬼王は騎士や兵士を送った。だがその数があまりにも多過ぎて、次第に城にいる騎士や兵士では対処仕切れなくなった。現地にいるハンターの数にも限度がある。
結果、多くの民が見捨てられた。
見捨てられた民は、食べる物もなく、反対に自分たちが魔物の餌に怯える日々が続いた。
自分たちの現状を、王都にいる鬼王に直訴する力も、もはや残っていない。
正確に言えば、王都に行く術を持ってはいなかった。
何故なら、荷馬車を引く家畜は一番に喰われたからだ。
ならば、残された移動手段は徒歩か。
それとも、転移魔法か。転移魔法を使える程の魔力があるのなら、そもそも田舎で暮らしてはいない。王都で宮廷魔術師として暮らしている。
そんな状況下で、誰が、魔物に襲われる危険性を冒してまで、王都に向かうだろうかーー。
ましてや、自分たちを見捨てた鬼王が救ってくれる可能性が、ほぼ皆無だと分かっていながらだ。
普通の考えの者ならば、否だろう。
それでも、生き残りたい者たちは危険を冒し、光りを求めて、他国に渡るために国境沿いへとやって来る。
安全な生活を夢見てーー。
そんな中で、王都に留まるのは、極一部の貴族と鬼王、そして王妃とその配下の者たちだ。
守りを固め、ひっそりと太陽が昇るのを彼らは待っている。
ある日、ふらりと現われた、黒いローブを着た賢者が進言した言葉を信じてーー。
「ゲンブ様に怒りを治めて欲しいのなら、彼らが大事にしている宝物を取り込めばいい」
最後まで読んで頂き、ありがとうございますm(__)m
心から、感謝の気持ちを込めてm(__)m




