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〈第十九話 翠の大陸最初の街ボルン〉

祝130話です("⌒∇⌒")

 


 朱の大陸の国境まで飛んできた私たちは、そのまま、ジェイの転移魔法で翠の大陸、国境に一番近い街〈ボルン〉の近くに飛んできた。ボルンは、乗合馬車で国境から半日ほどの距離だ。



 街並みは、長閑な農村のようだった。朱の大陸の建物のような派手さは全くない。自然を敬うような、不思議な波動が街のあちこちから伝わってくる。



 今日はボルンで一泊する予定。



 まだ陽は高いので、宿屋を押さえてから、防具を外して軽装になった私たちは、街を観光することにした。



「ムツキ様、それは一体何の本です?」

 私の手にしっかりと握られた一冊の本を見て、ミレイが尋ねる。



「旅行誌だよ。美味しいお店がたくさん載ってるの。この前、魔石の買い取りに商業ギルドに行った時に、ゼロがくれたんだ」

「ゼロ様がですか!?」



 驚くミレイに、私はボルンの街のページを広げて見せた。



 ゼロ曰く、商人たちが実際に食べて美味しかったお店や、手頃な価格の雑貨や道具屋を中心に掲載されている。勿論、絵付で(ここ大事)。店までの道も簡単だが付いてて見易い。実際に行きたいお店は、チェック済みだ。



「……あいつが、ムツキにね~」



 冷めた声が、ジェイの口から漏れる。だけど、興奮していた私は、その声は耳に届かなかった。ミレイやシュリナたちは当然聞こえていたが。鈍感な私に、小さく、シュリナたちは溜め息をついた。



「ムツキ。とりあえず、このお店に行ってみるか?」

「はい!!」



 満面な笑みを浮かべ元気よく答える私に、ジェイが微笑む。



「あの、ムツキ様、ジェイ様。実は買い忘れた物があったので、別行動をしても宜しいでしょうか?」



(((ザイードに頼まれたな)))



 従魔トリオは同時に悟る。



「え~~。一緒に食べよって思ってたのに……」

「申し訳ありません。ムツキ様」



 すまなさそうな顔をする、ミレイ。



「じゃ、しょうがないな。お持ち帰りも出来るから、買って来るね」

「楽しみにしてます」



 ミレイに手を振り、私たちは別行動することになった。



「…………どうしたんですか? ジェイさん」



 ミレイを見送った後も、ボーとしているジェイ。彼のシャツを掴み、軽く二度引っ張る。左手で顔を隠すが、隙間から見えるジェイの顔はどこか赤い。



(やっぱり、どこか具合が悪いのかな?)



「ジェイさん。やっぱり、宿屋に戻りましょう」



 私はジェイの腕を掴む。



「……大丈夫だ。さぁ、行こうか。そのお店の場所は知ってるから、案内する」



 そう言って歩きだすジェイ。私はジェイから手を離し、隣を歩きながら、もう一度ジェイの顔を見上げる。私の視線に気付いたジェイは、嬉しそうに、そしてどこか照れくさそうに微笑んだ。その顔を見て、私も微笑み返した。



(((何だ!? この空気は!!)))



 ザイードはミレイに協力を仰いだようだが、自分たちがそれを聞くいわれはない。正々堂々と邪魔をする。



「近付き過ぎだ!!」

「赤竜様の言う通りです。ムツキさん、少し離れましょう」

「変な噂がたったら、ムツキが可哀想だろ。離れてよ、ジェイ」



 従魔トリオは小声で、ジェイに口々に文句を言いながら、私とジェイの間に体を割り込ませてきた。






◇◆◇◆◇






「「あのジェイが笑ってる(よ)!!」」



 少し離れた場所から、ジェイとムツキ、そして、従魔トリオを見ていた者たちがいた。



 白銀の二人組だ。



 一人は髪が短く、もう一人は背中の半分まで伸ばしている。二人とも、三角の耳と細長い尻尾を生やしていた。その体のシルエットから、男女連れだと分かった。二人とも、十代後半ぐらいに見える。



「それにしても、あの娘、可愛いね。美人だけど、表情がコロコロ変わって可愛い。それに、すごく良い匂いがする」



 風に乗って運ばれてくる少女の匂いに、鼻をピクピクしながら男の方が言うと、女も同調する。



「そうね。抱き締めたら、どんな反応するのかな。思いっきり、あの娘の匂いを吸い込みたいわ」と。



「僕も」

「じゃあ、抱き締めてみる?」

「勿論!!」



 男女の二人連れは、少女に向かって走りだした。





 お待たせしました("⌒∇⌒")

 いつも応援ありがとうございますm(__)m


 新しいキャラが出てきました!!


 それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪

 

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