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射!~Kyudou~  作者: ココロ丸
16/23

接近者

弓道したいなぁ・・・・

熱気に包まれた道路。ずっと先には陽炎が見えている。

さすが夏。暑いな・・・。


「カーリー、今日は何時まで練習する?」

「・・・気分次第?」

「お、おう。そうか」


雪とカーリーは大盛りの店を出て、学校の道場へと歩いていた。





「それにしても暑いな・・・だから夏は嫌いなんだよ・・。カーリーは大丈夫か?」

「・・・暑い。死ぬ。」

「いやそれはない」




「あの~、君達。ちょっといい?」


不意に後ろから話しかけられ、2人は振り返った。


30代前半くらいの男だった。


「あ、俺、こういうものなんだけど」


そういいながらその男は名刺を渡してきた。


「秋雲英二。・・・射?」


「そう!秋雲英二!弓道関係の雑誌を作っているんだけど・・・知らない?射って」


「射・・・いや、僕は雑誌とかはあまり読まないので・・・。というか、僕達になんの用ですか?」


射という名の弓道雑誌を作っているというこの秋雲という男。えらく遠回りに話を進めてくるので、直球で聞いてみた。


「うん。まず、君は雪君だね?そんで、そこの金髪美少女がカーリーさん!・・・合ってるよね?」


なんで名前を・・・


雪が警戒の目をしているのに気づいたのか、秋雲は笑いながら言った。


「いや~、ただ少し話を聞きたいだけだよ!」


「・・・ゆっきー、この人別に悪い人じゃないよ。」


「おお!さすがカーリーさん!では、早速話を・・・」


「知らない人と話しちゃいけない」


「え・・・」


「・・・行こう、ゆっきー」

「え?あ、ああ、そうだな」


「ん?え?ちょっ・・・」



カーリーが雪の手を引いて曲がり角を曲がる。


慌てて秋雲も追いかけて曲がるが、そこはもう八城工業高校の目の前だった。


「む・・・ここで騒ぐとまずいな・・・。仕方ない、今日は戻るか・・」


はぁ、と息をついて秋雲英二は路地裏へと歩く始めた。

あの茶目っ気の表情は浮かんでいなかった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「おう、おかえり。あれ?隼人と竜は?」


道場に戻ると水谷先輩と井田先輩が既に練習を始めていた。コンビニ弁当で済ませた鹿本先輩も弓を引いていた。


「もう少ししたら来ると思いますよ?あ、そういえば、先輩たち、射っていう雑誌知ってますか?」



「ああ、射か。そこの棚に置いてあるやつだろ?」


え?


井田先輩の指差す棚には、射が確かにあった。しかも月刊・・・。道場内にあったとは・・・


「雪、気づかなかったのか?というか、その射がどうかしたか?」



僕はそこで秋雲英二のことを話した。



「ただの変質者じゃねぇの?」


井田先輩は笑いながらそういった。しかし、水谷先輩は驚いた表情をしている。


「先輩?」


「雪、お前秋雲さんに会ったのか?今さっきそこらへんの道で?」

「はい。・・・知り合いですか?」



「秋雲英二さんは、天皇杯で優勝した経験をもつ人だ。高校時代でも多くの武勇伝があるけど・・」

「そ、そうなんですか?」


まさかそんな人だったとは・・・


「秋雲さんが何で雪やカーリーちゃんに・・・いや、カーリーちゃんか!」


ああ、カーリー単体に興味ありで僕はおまけってことか・・・・


「確かに外国人が弓道をするのは珍しいからね。特にカーリーちゃんは可愛いから」


いつの間にか会話の中にいた鹿本先輩がニヤニヤしながら言った。





「・・・べ、別に可愛くは・・ない」




「照れてるのか、カーリー?」

「ゆっきーうるさい。・・・早く練習。」


そういうとカーリーは更衣室へと入っていった。



「ニヤニヤニヤ」

「ニヤニヤニヤ」

「ニヤニヤニヤ」


「井田先輩・・・何笑っ・・・竜、隼人、戻ってきて早々ニヤニヤするな・・」



しばし、ツンデレ夫婦と少しいじられることになった




この前の大雪は酷かったですね笑

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