練習試合、その弐
最新遅くなりすぎてすいません。お詫びします・・・。
今度、久しぶりに弓を引こうかと思っています!まぁ、一本目は滑走ですかな笑
さて、メモ帳を持って戻ってみると、ちょうど大前の葉月先輩が一本目の会に入っていた
「「・・・・・・・」」
この静けさ。自分が引いている時は意外と感じないが、こうやって人の射を見ていると、周りの雰囲気も伝わってくる。なんというか・・・みんなが自分をじっと見つめてくる感じだと思う。
まぁ、実際そうなんだけど。
・・・パンッ!
的中だ。続いてカーリーだ。
「あの子、外国人だよな?かわえ~・・」
「あんな子、前の試合では見たことなかったけどな・・」
やはり金髪少女は目立つか・・・
少し会場がざわめく中、そんなことは全く気にする様子もなく、カーリーは矢を放った
パンッ!
「「おおー!」」
やはり外国人が弓道をするのは珍しく、的中と同時にどよめきと歓声が上がる。
「カーリーの奴、初めての試合なのに動じる様子ゼロだな、あはは」
「隼人は一本目外してたからなぁ?」
「うるせー。竜と雪こそ、3中も中てるなら、次は皆中頼むぜ~?」
そんな会話をしている内に鹿本先輩も的中。3人とも一本目は的中だ。
そして二本目も3人とも的中。
徐々に周りのどよめきが大きくなる。
「すげぇな、あの3人。」
「あの中の子、1年生らしいぞ」
「え?あの外国人の?マジか・・・」
そんな声を聞いて井田先輩が言った。
「ふっ・・やっぱりチームだと大きく見えるな。」
「・・?どういうことです?」
「そうだな。雪は葉月と鹿本が個人戦で引いているのは見たことあるよな?」
「はい、何度か」
「でもな、カーリーが来て、チームが組めるようになってからあいつら変わったよ。」
「そうなんですか?僕はあまり分かりませんが・・」
「ま、あいつらとの弓道は2年目だしな。分かることは多いさ。」
「それで、どこが変わってるんですか?」
「それはだな・・・」
なんだか勿体つけるようにして井田先輩は僕の顔を見る。それはとてもうれしそうに
「楽しそうなんだよ!前と比べて。女子は人数が少ないから、チームが組めるとなってやる気も出してるしな。」
「・・・なるほど」
確かにそうかもしれない。ここ最近、女子2人の先輩は生き生きとしていると思う。
「弓道はな、1人で引いているが、1人では勝てないんだ。」
「・・・なんか深いですね」
「まぁ、お前ら1年はまだ分からないだろうが・・・。俺は思うんだ。サッカーやバスケのように、弓道もチームワークが大切だとな。」
井田先輩は目を輝かせてそう言った。
弓道にチームワークか・・・。信じるってことかな?仲間を。
このときはまだ僕は本当のチームワークを知らなかった。いや、きっとまだ知るべきではなかったのかもしれない。そういうものは時間をかけて気づき、築くものだと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おつかれ、カーリー。頑張ったな!」
「ゆっきー・・・」
なぜかニヤリと笑うカーリー。なんだなんだ?
「・・・・ゆっきーに勝った」
「いや試合に勝ったことを喜べよ」
女子の試合は11対11。同中のため、競射が行われた。ちなみにカーリーは皆中だった。
3人しかいない八城工業は不利に思えたが、これがなんと、3対2で勝利。
相手のミスにも助けられたが、3人対5人だ。それで勝ったことは大きいだろう。
「あ、カーリーちゃん居た!お?雪もいるじゃん」
「どうした綾乃?」
「はい、カーリーちゃんにスコールの差し入れだよ!雪には・・・これ!」
ほう、気が利k・・・
「なにこれ?」
「バナナだけど?」
分からん・・・・
「え、えと、カーリー。この後も頑張ろうな」
「・・・うん。」
「私はーー?」
「はいはい、疲れたら帰っていいからねー」
「え~!ひどー」
「・・・綾乃、応援ありがと」
「おお!やっぱりカーリーちゃん良い人!」
じゃれあう2人を見ていると少し騒がしいようで和む。・・・いや、試合で和んだら駄目だな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「よーし、じゃあ撤収かな!明日からテスト休みだからなぁ!みんな勉強しろよー!」
どうやら先生は今日の練習試合の結果が良くて機嫌を良くしているようだ。声が大きい・・・
「よし、じゃあ帰るか。明日はとりあえず寝よ。」
「そうだな、俺もゲームして寝よ。」
そう高らかに宣言した水谷先輩と井田先輩。2人は今日の的中率は9割以上。水谷先輩に関しては一本も外していない。
「あんたたちねぇ・・・はぁ。水谷君と井田君は放課後私と勉強ね」
「「え~・・」」
勉強しやがれ宣言を出した葉月先輩は今日は8割ほどの的中。鹿本先輩は7割ほど。カーリーは・・・まさかの全射皆中。化け物だろやっぱ・・・・
と、その時、鹿本先輩がフラっとしかけた
「・・・鹿本。大丈夫?」
「え?ああ、大丈夫だよカーリーちゃん。少し疲れただけ」
「大丈夫ですか鹿本先輩?気分悪いですか?」
「いや、ほんと大丈夫よ・・・。」
鹿本先輩は身体が弱いから、よく体調を崩してしまう。しかも今日は一日試合だったから仕方ない。
「私が鹿本さんと帰るわ。無茶は駄目よ、鹿本さん?」
「うん、ごめん・・」
やはり少し気分が悪そうだ・・・。視線が下ばかり向いている。
そして葉月先輩は鹿本先輩のペースに合わせて帰っていった。
「さて、じゃあ俺達も帰るかー」
「カーリー、雪、帰りにメイト行こうぜ!少し手に入れたいグッズがあってさ、ははは」
「・・・カーリーどうするの?僕はどっちでもいいけど」
「・・・行く!」
少し大きめの声でそう言った。オタクパワーってやつか・・・
「みんな行くなら俺も行きたいんだけど~?」
「お?竜もこっちの世界に来るか~?」
いやいや、そういうわけじゃないだろ・・・
「・・・・みんなで行く」
「ん?・・・・そうだな、みんなで行くか!」
このとき気づいた。カーリーが嬉しそうな顔をしていることに。わずかにしか表情に変化はないが、確かに嬉しそうだった。アメリカでは学校に行ってなかったらしいし、こういう環境が新鮮なのかもしれない。
「なにやってんだ雪!行くぞー!」
「ああ、ごめん、今行くよ!」
少し離れたところから、そんな雪たちを観察する男がいた。
「ふむ、雪君とカーリーさんか。なんだか面白くなってきてるね、八城工業高校さん。やっぱり目を付けたとおりだな・・・・期待度5っと・・・よし、報告報告ぅ!」
少し涼しくなった夕方、男は飛んでいくカラスを見上げながら、茶目っ気たっぷりの表情を浮かべ、その場を離れた。
というわけで練習試合編が終了です。ここから少し弓道と離れて日常生活の場面が多くなります。最新いつになるかわかりません!笑




