3.ウマミ村にて その1
そして二年の月日が流れました。
健康的で文化的な生活をしていたら、なぜか身長が160cmを超えていました。
ウマミ村はすばらしく、トイレもお風呂もあるし、食事もおいしいです。だから身長が伸びたのもあたりまえだろう、たぶん。
ウマミ村でどのような生活をしてきたか振り返ってみよう。
朝六時に起きて午前中は、体力トレーニングや、剣や槍、昆とか弓とかの武器の練習。
午後からは待望の白い紙を使ってマンガを描いている。最近になって魔法の練習。
そして夜十一時に就寝。
服装は……、黒いビキニを着ている。
シャールが服には慣れが必要だということで、ビキニ。アーマーではない。
防寒のネックレスをつけているので、寒くはない。さすがファンタジー世界。
そして、そう、私はついに魔法が使えるようになりました。
私は改宗をしてヒューズン教を信仰している。そして毎日教会で祈っている。それが通じたみたい。
魔法といえば一番に思い浮かぶ呪文は、ピピルマ ピピルマ~ってもの。
私には信仰心が足りないらしく、呪文を唱えても魔法少女にはなれなかった。残念。
女神様もそこまで守備範囲が広いわけないだろうという、ツッコミはなしで。
今の私が使える魔法は石を高速で飛ばせる、ストーンバレットというものだけ。
飛ばせる石は、あってもなくてもいい。ただ、ある方が多くの数を飛ばせる。
私は久しぶりに帰ってきたシャールに呼ばれている。
頼まれていたあの件だろう。
「ビキニアーマーってロマンだよね。」
「そうですね……。」
だいたいシャールの話は、挨拶代わりにこの言葉から始まる。
「ところで頼んでいた、ビキニアーマーのデザインってできた?」
そうなのだ。自分が着るビキニアーマーのデザインをシャールから頼まれたのだった。
自分が着るからには、真剣にデザインしなければならない。ということで、肌色成分少なめにデザインしてみた。二パターン。
一枚目のデザインは『夢幻戦士ヴァリス』を意識したものだ。
シャールはそれを見て、ちょっと怒ったように言った。
「ビキニアーマーなんだよ! スカートを履いていてはビキニアーマーじゃない。
ビキニの三要素として、胸の谷間が見える、へそが見える、太ももが元まで見える、がなってないじゃないか。
これはビキニじゃなくてパレオ! パレオアーマーって聞いたことがないよ。」
やっぱり駄目だったか……。
恥ずかしいからって、ダメもとで描いてみたら、やっぱり駄目だった。
今の服装? 家の敷地の中だけしか着ないから、恥ずかしくない。
シャールは二枚目のデザインを見た。
「ビキニアーマーって、こんなのだったっけ。」
「はい、『幻夢戦記レダ』ではこんな感じでした。」
「えっ、そう? もうちょっと、ほら、へその下は空いてたと思うけどなぁ。
とにかく却下。レダのは上はともかく下はアーマーじゃないんだよね。布だよ、布。百歩譲っても革。
このデザインも却下。
そこでデザインの参考になるかと思って、新素材を持ってきたの。軽くて丈夫な金属よ。」
「それって空気より軽い、UFOにも使われる素材ですか。」
「そんな物質は知らない。とにかく1mm厚の板を持ってきたから参考にして。
あと、金属は伸びないし曲がりにくいから、下着部分とアーマー部分を分けるのはどうかな。
下着はほら、こんな感じ。」
ビキニだけど今着てる私の服とは手触りが違う。きっとナイロンかポリエステル製だ。
でもそんなことはどうでもいい。
この下着 後ろが紐で デンジャラス
「ちょっと、これはさすがに下着でも恥ずかしいわ。すぐ脱げそうだし。」
「大丈夫。これは、伸縮性もあり、濡れると肌と密着するファンタジーな布よ。脱げないわ。」
「濡れると縮むって、拷問に使う麻縄みたいなものですか?」
「縮むとは違うわ、密着するの。つまり、レオタードの生地みたいに伸びるけど、締め付けすぎない素敵な布なのよ。そして、こんな細い部分でも下着のあとはつかないわ。
自分で試したから実証済みよ。」
「でもイイジマアイもビックリなTバックじゃないですか。」
シャールはガッカリしたそぶりも見せず、次の服を出してきた。
普通(?)のビキニ水着で、色は白。
自分の部屋に戻って着てみた。
ちょっと大きく動いてみたけどずれない。
おお、ファンタジー。
透けないし、ピッタリだった。
「測ったな、シャール!」
実は十日おきぐらいにサイズは測っているけどね。ちょっと言ってみただけ。
またシャールに会いに行く。
「下着のデザインはこれでいいとして、アーマー部分はどうしますか。」
「だから、この新素材の金属を使ってスケイルアーマーのように……。」
こういった話し合いを何回か繰り返した結果、3cmほどの楕円形みたいな部品を重ね合わせて作る、ビキニアーマーのデザインは完成した。




