↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰りたいのに、帰してくれません。  作者: 希。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
62/64

第59話 こいつと……結婚

 その頃、ゼルス王国では――。


「ヴァン。あなた、リアと結婚しなさい」


 王妃はヴァンを部屋に呼び付けるなり、そう告げた。


「……はっ?」


 ヴァンは素っ頓狂な声を上げる。


「いきなり、何言ってんだよ!」


「いきなりではありません。前から決めていたことです」


「前からって……俺は何も聞いてねぇぞ!」


「ええ。話していませんでしたから」


「それをいきなりっつーんだよ!」


 ヴァンが声を荒らげるが、王妃は気にした様子もない。


「あなたに話す必要がなかっただけです」


「はぁ!?」


 王妃は静かにヴァンを見つめる。


「リアは、おそらく十一年前に姿を消したアスタリア王国の王女です」


「…………」


 先ほどまで声を荒らげていたヴァンの表情が固まった。


「……あいつが?」


「ええ。年齢。そして光と闇、二つの属性を持っていること。偶然とは考えにくいでしょう」


「…………」


「アスタリア王家の血を、ゼルス王家へ取り込む。それは十一年前から考えていたことです」


 ヴァンが眉を寄せる。


「……だから、俺とリアを結婚させるってのかよ」


「そうです」


「本人は?」


「何です?」


「リアは、そのこと知ってんのかって聞いてんだよ」


「いいえ。まだ話していません」


「だったら――」


「本人の意思は関係ありません」


「……何だよ、それ」


 ヴァンの表情が険しくなる。

 

「俺は、そんな話に従うつもりはねぇぞ」

 

 しかし、王妃は涼しい顔で微笑むだけだった。


 * * *


 王妃の部屋を出たヴァンは、そのままリアのいる部屋へと戻った。


「…………」


 部屋へ入ってきたヴァンを見て、リアが不思議そうに首を傾げる。


「ヴァンさん、そんな険しい顔してどうしたんですか?」


「……別に」


「そうですか?」


 リアはキョトンとしたまま、ヴァンを見つめる。


「…………」


 ヴァンも、そんなリアをじっと見つめ返した。


(こいつと……結婚)


 そう考えると、何だか妙な気分になる。


(……まぁ、俺は別に、こいつと結婚してもいいけど――)


「――はっ!?」


「えっ?」


(いや、俺何考えてんだよ!)


 ヴァンは勢いよくリアから顔を逸らした。


「……ヴァンさん?」


「なんでもねぇ!」


「でも今、自分でびっくりしてませんでした?」


「してねぇよ!」


「してましたよ」


「うるせぇ!」


「えぇ……」


 リアはますます分からなくなって、首を傾げる。


(ほんとにヴァンさん、どうしちゃったんだろ……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。