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「鑑定しかできない無能」と追放された俺、実は壊れた才能を直せる唯一の神職でした〜捨てられ聖女と辺境村を修理していたら、勇者より先に国を救ってしまった〜  作者: 御神常陸介寛浩(常陸之介寛浩)


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第13話 中枢室の光と、聖女の封印

 勇者パーティーの馬車が見えなくなっても、村人たちはしばらく街道の方を見ていた。


 誰も大声では騒がなかった。

 けれど、空気は妙にざわついている。


 勇者が来た。


 勇者が村で戦った。


 そして、レオンに装備を直してもらって帰っていった。


 それは、リベル村のような辺境の小村には十分すぎるほど大きな出来事だった。


「先生、本当に勇者様を追い返しちゃったの?」


 井戸のそばで、子供がそんなことを言った。


「追い返したわけじゃないよ」


 俺は苦笑しながら答える。


「話し合って、王都に戻ってもらっただけだ」


「でも先生、勇者様より強いの?」


「強くない」


 即答した。


 子供は不思議そうに首を傾げる。


「でも、昨日は先生が言った通りに勇者様たちが動いてたよ」


「戦い方を見ていただけだよ。剣を振ったのは勇者様たちだし、村を守ったのは皆だ」


「ふーん」


 納得しているのか、していないのか分からない顔だった。


 その子供の母親が慌ててやって来て、頭を下げる。


「すみません、レオンさん。この子ったら」


「大丈夫です」


「ほら、あんたも治療所の手伝いに行くんでしょ」


「はーい」


 子供は走り出しかけて、すぐに振り返った。


「先生、今日は倒れないでね!」


 周囲にいた村人たちが笑った。


 俺は返す言葉に困る。


 村人たちの間で、俺はどうやら“放っておくと倒れるまで働く人”という扱いになっているらしい。


「評判が固まってきましたね」


 隣でセリアが言った。


 彼女は白い布と薬草の入った籠を抱えている。昨日の戦闘後、治療所は朝から忙しかった。大怪我人はいないが、擦り傷、打ち身、筋肉痛、魔力疲労の者が多い。


「いい評判とは思えません」


「心配されているんです」


「セリアにも同じことが言えますよ」


「私は今日はちゃんと休憩を取ります」


「本当に?」


「はい。レオンさんが取るなら」


 見事に返された。


 セリアは最近、こういうやり取りが少し上手くなってきた気がする。


「……では、昼には休憩しましょう」


「はい。約束です」


 彼女は満足そうに頷いた。


 その表情を見ると、最初に出会った時の彼女を思い出す。


 泥に汚れた修道服。

 割れた聖印。

 自分の魔力を恐れ、近づかないでと震えていた少女。


 その彼女が今、村の治療所を任され、子供に薬草の使い方を教え、俺の休憩まで管理している。


 壊れたものは、直せる。


 ただし、元通りになるのではない。

 少しずつ、別の形で強くなっていくのかもしれない。


「レオン殿」


 村長が倉庫の前で待っていた。


「準備はできておる」


 旧倉庫の中は、昨日より整えられていた。地下工房へ降りる階段の周りには簡単な柵が作られ、子供が近づかないようにしてある。入口近くには灯りと縄、清水、布が置かれていた。


 トマもそこにいた。


 斧ではなく、今日は工具袋を腰に下げている。


「今日は戦わない予定だからな」


「予定は予定です」


「嫌なこと言うなよ」


 トマは笑ったが、目は真剣だった。


 昨日の魔狼襲撃で、誰も油断はしなくなった。結界が戻ったとはいえ、リベル村はまだ安全とは言えない。


 俺たちは地下工房へ降りた。


 青白い灯りが足元を照らす。

 工房の空気は、昨日より少しだけ温かく感じた。


 おそらく、外周結界が安定したことで、地下の魔力循環も回り始めているのだろう。


 中枢室の扉は開いたままだった。


 円形の部屋へ入ると、中央の結晶柱が淡く光る。昨日より光が強い。


《リベル修復工房・中枢室》

《稼働状態:低出力》

《結界安定率:五十六%》

《修復炉:停止》

《聖女補佐:仮同期記録あり》

《推奨:聖女補佐登録》


 セリアが結晶柱を見上げる。


「これが、私を登録しようとしているんですか」


「言い方が少し怖いですが、たぶんそうです」


「登録すると、どうなるんでしょう」


「分かりません」


 正直に言うと、トマが横から突っ込んだ。


「そこで嘘でも安心させること言わないのが先生だよな」


「分からないことを分かると言う方が危ないので」


「それはそうだが」


 セリアは小さく笑った。


「私は、その方が安心します」


「本当ですか」


「はい。神殿では、皆さん、分からないことも“神の御心です”と言っていましたから」


 その声には、少しだけ影があった。


 神殿。


 セリアに封印を施し、失敗作と呼び、辺境へ捨てた場所。

 この工房の中枢に残る記録と、北の祠にあった外部呪印。


 それらが同じ系統に見えたことは、まだ彼女には深く言っていない。


 だが、いずれ向き合うことになる。


「セリア。登録するかどうかは、あなたが決めてください」


「私が?」


「はい。これはセリアの魔力に関わることです。俺や工房が勝手に決めていいことじゃありません」


 セリアは驚いたように目を見開いた。


「私が、決めていいんですか」


「当然です」


 そう答えると、彼女は少しだけ俯いた。


「神殿では、私の力は私のものではありませんでした」


 ぽつりと、彼女は言った。


「聖女候補の力は神に捧げられたものだから、個人の意思で扱ってはいけないと教えられました。誰を癒やすか、どれだけ祈るか、いつ眠るかまで、上の方々が決めていました」


 セリアの指が、胸元の聖印に触れる。割れていたそれは、村の職人が簡単に補修してくれた。まだ傷は残っているが、紐で首から下げられるようになっている。


「でも、ここへ来てから、初めて言われました。私がどうしたいかって」


 彼女はゆっくり顔を上げた。


「私は、この村を守りたいです。怪我をした人を治したいです。自分の力を、怖がるだけで終わりたくありません」


 その声は震えていた。


 けれど、逃げていなかった。


「登録します」


 俺は頷いた。


「分かりました。何か異常があったら、すぐ止めます」


「お願いします」


 結晶柱の前に、セリアが立つ。


 俺は隣で修復針を構えた。村長とトマは少し離れた位置で見守る。


 結晶柱に手をかざすと、淡い青い光がセリアの手へ伸びた。


《聖女補佐登録開始》

《対象:セリア・ルミナス》

《職業:聖女候補》

《魔力回路:損傷あり》

《外部封印痕:二》

《警告:登録阻害》


 やはり、封印が邪魔をしている。


 セリアの顔が少し歪んだ。


「冷たい……」


「無理なら止めます」


「いえ、まだ大丈夫です」


 結晶柱の青い光が、彼女の腕から胸元へ流れようとする。

 だが、途中で黒い鎖のようなものに絡まれる。


 封印痕。


 俺にはそれがはっきり見えた。


 一つは胸の奥。

 もう一つは喉のあたり。


 胸の封印は魔力の量を抑えるもの。

 喉の封印は、祈りの言葉を歪めるものらしい。


《封印痕・第二》

《効果:魔力量制限/暴走誘発》

《修復可能:条件付き》


《封印痕・第三》

《効果:祈祷回路阻害/自己否定強化》

《修復可能:条件付き》


 自己否定強化。


 その文字を見た瞬間、腹の底が冷えた。


 つまり、セリアが自分を失敗作だと思い込んでいたのは、言葉だけのせいではなかった。封印そのものが、彼女の心の向きまで歪めていた可能性がある。


 許せない。


 怒りが湧く。


 だが、今は怒る時ではない。


「セリア。胸の奥に冷たい感じがありますか」


「はい……あります」


「そこが封印です。今から少しだけ緩めます。全部は外しません」


「全部外さないんですか」


「急に外すと危険です。水車と同じです」


「少しずつ、ですね」


「はい」


 セリアは目を閉じ、深く息を吸った。


「お願いします」


 俺は修復針を結晶柱に当てる。


 直接セリアの体に触れるのではない。中枢室の光を通して、封印の表面にだけ干渉する。


 青い光と白い光が混ざる。

 その中に黒い鎖が浮かぶ。


 俺はその鎖の一部、最も腐食している節に修復針の魔力を通した。


 壊すのではない。

 ほどく。


 無理に引き千切れば、セリアの魔力回路まで傷つく。


 ひとつ。

 またひとつ。


 鎖の表面から黒い靄が剥がれる。


 セリアの肩が震えた。


「っ……」


「痛いですか」


「痛いというより……声が、聞こえます」


「声?」


「また、失敗作って……でも、前より小さいです」


 俺は歯を食いしばった。


「聞かなくていいです」


「はい」


「その声は、セリアのものじゃない」


 彼女の閉じた瞼が震える。


「はい」


 黒い鎖がもう一つほどける。


《封印痕・第二:緩和》

《魔力制限:一部解除》

《暴走誘発反応:低下》


 セリアの周囲に、柔らかな光が広がった。


 以前のように弾ける光ではない。

 空気を傷つけず、静かに染み込むような光。


 村長が息を呑んだ。


「これは……」


 トマも小さく呟く。


「温かいな」


 セリアがゆっくり目を開けた。


 瞳の奥に、淡い光が宿っている。


「すごい……」


 彼女は自分の両手を見る。


「魔力が、流れます。今まで胸の奥で引っかかっていたものが、少しだけ……」


「全部ではありません。まだ封印は残っています」


「でも、楽です」


 セリアは泣きそうな顔で笑った。


「息が、しやすいです」


 その言葉だけで、十分だった。


 俺は修復針を下ろす。


 少し膝が揺れた。


「レオンさん」


 セリアがすぐに気づく。


「大丈夫ですか」


「はい。少し、集中しただけです」


「座ってください」


「でも登録が」


「座ってください」


 今度はかなり強かった。


 トマが近くの椅子を引き寄せる。


「ほら、先生。聖女様の命令だ」


「分かりました」


 椅子に座ると、思ったより体が重かったことに気づく。


 中枢室の作業は、外周結界の修復とは違う種類の疲労がある。精神の深いところを削られる感じだ。


 セリアは結晶柱に向き直った。


《聖女補佐登録:再開可能》

《対象魔力安定:許容範囲》


「続けられそうですか」


 俺が尋ねると、セリアは少し考えた。


 以前なら「大丈夫です」と即答しただろう。

 だが今は、自分の胸に手を当て、ゆっくり呼吸してから答えた。


「はい。続けられます。でも、終わったら休みます」


「良い判断です」


「レオンさんも休みます」


「はい」


 セリアは結晶柱へ手をかざす。


 今度の光は、さっきよりずっと穏やかだった。青い光が彼女の魔力と混ざり、床の紋様へ流れていく。


《聖女補佐:登録完了》

《リベル防衛結界第二層:起動準備》

《治癒支援機能:一部復旧》

《修復炉:再点火条件更新》


 床の村地図に、白い点が一つ灯った。


 治療所の位置だ。


 次に、井戸と水車にも細い線が伸びる。


「治療所と井戸が繋がった?」


 俺は表示を読む。


《清水供給線:治癒支援へ接続》

《低位浄化水生成:可能》


「どういうことだ?」


 トマが尋ねる。


「井戸の水に、セリアの浄化魔力を少しだけ乗せられるようです。強い聖水ではありませんが、傷の洗浄や熱冷ましに使えるかもしれません」


「それ、すごいじゃねえか」


 村長が目を閉じた。


「この村に、癒やしの水が戻るのか」


「戻るということは、昔もあったんでしょうか」


「古い言い伝えに、リベルの水は傷を清めるとあった。儂はただの言い伝えだと思っておったが……」


「工房の機能だったのかもしれません」


 セリアは驚いたように井戸の表示を見ている。


「私の力が、水に……?」


「はい。でも常に大量に流すわけではありません。中枢室が調整してくれるみたいです」


「それなら、村の皆の役に立てますか」


「かなり」


 そう言うと、セリアは両手で口元を押さえた。


「私……本当に、ここに来てよかったんですね」


 村長が静かに答えた。


「来てくれてよかった」


 セリアの目から涙が落ちた。


 今度は、誰も慌てなかった。


 その涙は、悲しみだけではなかったからだ。


 中枢室を出る頃には、昼を少し過ぎていた。


 約束通り、俺とセリアは休憩を取ることになった。村長とトマの監視付きである。


 倉庫の外に出ると、村の空気が少し違っていた。


 井戸の水面が、淡く光っている。


 村の女性が桶を覗き込み、驚いた声を上げた。


「水が……なんだか澄んでるよ」


 子供が手を伸ばそうとして、母親に止められる。


「まだ触っちゃだめ。先生たちに聞いてから」


 先生たち。


 複数形になっている。


 俺とセリアは顔を見合わせた。


「セリア先生ですね」


 そう言うと、彼女は真っ赤になった。


「やめてください。私はまだそんな」


「先生って呼ばれる側の気持ちが分かりますよ」


「レオンさん、少し意地悪です」


「すみません」


 村人たちが笑う。


 その笑いの中に、以前のような怯えはなかった。


 井戸の水は、少しずつ治療所へ運ばれた。セリアが薄め方や使い方を確認し、村の女性たちへ説明する。


「飲む場合は少しずつです。傷を洗う時は、この布を使ってください。強い薬ではないので、無理はしないでください」


「分かったよ、セリア先生」


「先生はやめてください……」


 彼女が小さく抗議して、また笑いが起きる。


 その光景を見て、俺は胸の奥が軽くなるのを感じた。


 セリアはもう、災厄の聖女ではない。


 リベル村の聖女だ。


 本人に言うとまた真っ赤になりそうなので、黙っておくことにした。


 同じ頃、王都では勇者パーティーが帰還していた。


 カイルたちは冒険者ギルドに報告を入れた。

 魔狼の群れがリベル村を襲撃したこと。

 リベル村の結界が復旧しつつあること。

 そして、レオンがその村に残っていること。


 報告を受けたギルド職員は、何度も聞き返した。


「辺境村リベルに、防衛結界が?」


「古いものだが、復旧していた」


 ガレスが答える。


「レオンが直したのですか」


「レオンと村人たち、それから聖女の少女が」


「聖女?」


 職員の目が鋭くなる。


 エレナが言葉を選ぶ。


「神殿から離れた子よ。今は村で治療をしているわ」


 職員は記録用紙に書き込む。


 その様子を見て、マリウスが少し眉をひそめた。


「これは、どこへ報告される」


「辺境防衛に関わる案件ですので、ギルド上層部と王国防衛局へ。聖女に関する情報は神殿照会も必要になる可能性があります」


 エレナの表情が変わる。


「神殿へ?」


「聖女候補であれば、所属確認が必要です」


 カイルは黙っていた。


 ガレスが低く言う。


「あの村に迷惑がかかるような報告は避けてほしい」


「事実確認は必要です」


 職員は淡々としていた。


 悪意はない。

 だが、制度は時に悪意より厄介だ。


 エレナは唇を噛む。


 自分たちが報告したことで、リベル村に王都の目が向く。

 それは避けられない。


 やがて、ギルドの奥から上級職員が出てきた。


「リベル村の件、詳しく聞かせてもらおう」


 その目は、明らかに興味を帯びていた。


 辺境の小村。

 復旧した古代結界。

 追放された鑑定士。

 捨てられた聖女。


 王都がそれを放っておくはずがなかった。


 リベル村では、午後の休憩が終わり、村長の家で今後の方針を話し合っていた。


 中枢室の機能。

 井戸水の浄化。

 第二層結界の起動準備。

 セリアの封印痕。

 修復炉の再点火。


 やるべきことは増えた。


 だが、そのぶん希望も増えた。


「修復炉とは何だ」


 村長が尋ねる。


「地下工房の動力炉のようなものだと思います。これが点けば、中枢室の機能がもっと戻るはずです」


「点けるには?」


「結界安定率をさらに上げること。あと、修復炉用の魔石が必要です」


「魔石か。村にはほとんどないな」


 トマが腕を組む。


「商人が次に来たら聞いてみるか」


「そうですね。ただ、質の悪い魔石だと危険かもしれません」


「つまり金がいるってことか」


 現実的な問題だった。


 村は貧しい。

 井戸が戻り、水車が動き始めたとはいえ、すぐに金が湧くわけではない。


 村長は静かに考え込んだ。


「魔狼の素材は売れるか」


「売れます」


 俺は頷いた。


「角、牙、毛皮は素材になります。大型個体の角は特に高く売れるはずです」


「なら、それを売ろう」


「村の防衛用にも一部残した方がいいです。角は結界補強材になるかもしれません」


「そうか。なら半分は売り、半分は残す」


 村長はすぐに決めた。


 以前なら、村には選択肢がなかった。

 今は違う。


 売るもの、残すもの、直すもの、守るもの。

 考える余地が生まれている。


 その時、治療所から子供の声が聞こえた。


「セリア先生、水がきらきらしてる!」


「先生ではありません。あと、飲みすぎないでください」


 村長が小さく笑った。


「セリアも、すっかり村の者だな」


「はい」


 俺は自然にそう答えていた。


 セリアは村の者。

 そして、たぶん俺も。


 その自覚が、少しずつ形になっていく。


 夕方、井戸のそばでセリアと並んで水を見ていた。


 水面は淡く澄み、ほんのり白い光を宿している。強い光ではない。見ようと思わなければ気づかない程度の、静かな輝き。


「私の魔力が、こんなふうになるなんて思いませんでした」


 セリアが言った。


「怖いですか」


「少し。でも、嬉しい方が大きいです」


「それならよかった」


「レオンさんは?」


「俺?」


「修復鑑定士だって分かって、怖くないですか」


 すぐには答えられなかった。


 怖い。


 それは確かだ。


 力の正体が分かるほど、できることが増える。

 できることが増えるほど、求められるものも増える。


 勇者パーティーですら、鑑定士の力を当然のように使っていた。

 修復鑑定士の力が王都に知られたら、どうなるか分からない。


「怖いです」


 俺は正直に言った。


「でも、知らないまま無能だと思っていた時よりは、ましです」


 セリアは少し笑った。


「昨日よりまし、ですね」


「はい」


「なら、明日は今日よりましにしましょう」


「そうですね」


 水車の音が遠くで鳴る。

 井戸の水が光る。

 結界が村を包む。


 そのどれもが、まだ完全ではない。


 でも、壊れたまま放置されていた頃とは違う。


 直し始めた。


 それだけで、世界は少し変わる。


 その夜、王都から一通の早馬が出た。


 行き先は、リベル村。


 差出人は王国防衛局と冒険者ギルドの連名。

 内容は、辺境村リベルにおける古代結界復旧および未登録聖女候補に関する現地確認。


 つまり、査察だった。


 まだ、レオンたちは知らない。


 自分たちが直し始めた小さな村に、王都の目が向き始めていることを。

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