七月十六日
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七月十六日。
空は快晴。湿気がどんどんと高くなり蒸し暑さに体が溶けそうになる。
日曜日。
午前十一時。
僕らは西武新宿線に乗り池袋へ向かっていた。
「池袋かー。私、初めて行くかもー。人いっぱいいるんだろうねー」
「日曜日だからなー。しかも明日から夏休みだし……。そうだろうね」
七月の三週。
明日から夏休みが始まる。先日の終業式には出席したが、これといって思うところもなかった。野球をやめてからの日々は、つまらなくはないが、燃えるような思いもないのである。
「陽太、転ばないように気をつけてね。転びそうになったら私が支えてあげるから、ちゃんと私の手を握ってないとダメだからね」
「そんなことしてたらかえって転ぶよ」
「え? なんで?」
「なんでもだよ!」
ドキドキしちゃって気が散るからだ、とは言えない。
電車の車内は混雑している。休日。都内へ出かける人も多いのだろう。僕らはつり革を持ち窓を眺めている。狭山の茶畑の風景から、所沢の住宅街へ変わり、駅前の繁華街が見えてくる。
所沢駅。
僕らは一度電車を降り、新宿線から池袋線に乗りかえる。僕らと同じように池袋へ向かう人たちで乗り換えは混雑する。椅子には座れず、再び電車のすみっこでつり革を持つ。ここから池袋まで三十分くらいだ。
「変な陽太―」
「うるさい」
「もしかして今もフラッシュバック? とかなってる?」
「なってない」




