警戒心の強い勇者
石扉の前には4人が手を繋いで並んでいた。
門番に見守られながら、合図を待つ。
「午前9時。攻略を始めてください」
俺たちは扉を押して開け、ダンジョンに入る。
俺は日本から転生した、今は魔法使い、名前はシゲキ。
パーティは俺を含めて全部で4人。3人は現地で雇った。
他の転生者はまるで信用できない。やつらはダンジョン攻略をゲームだと思っている。
近接職が2人。魔法使いが2人というパーティだ。うち1人は白魔法使い。
珍しく、白魔法使いは男だ。逆に近接職は女。
見た目はともかく、性格があまりにも男っぽいので、女としてこの二人は見れない。
もうかなりの数のパーティがこのダンジョンから帰還していないらしい。
だったらそろそろ俺たちが攻略できてもいい頃合いなのではないか?
そろそろ自信はある。今までだっていろんなところでダンジョンは攻略してきた。
攻略の証の石板もすべてアイテムボックスにしまい込んでいる。
攻略できる、そういう機というものは往々にしてあるものだ。今までだって一度の挑戦で攻略できなかったことだってある。
2回目の挑戦の今日がいい日だという。今回、ダンジョンに入る占いでは大吉相当だった。
月の満ち欠けもいい具合だし、絶好のチャンスなきがする。
魔法使いの魔力の増長が見込めると言われるタイミング。
前回は7月7日というすごいタイミングの話で、流石にそういい時に入ることができなかった。
聞いている限りの情報なら最低でも7層。可能なら攻略。
2年前の前回撤退した5層はクリアできるはずだ。全員を包む銃弾を防げる強さのプロテクションの魔法を覚えてきた。
しかし、だ。念には念を入れておく。
俺はこの世界でもっとも高価な転移の札という物を手に入れていた。
これは対になる札の元へと即座にワープできるというものだ。資金の半分以上はこいつに注いだ。
これを仲間には伝えずにこっそり1層階段の横の木に張っておいた。
ダンジョンは1層目は森。以前と変わっていない。
首狩りウサギを仕留め、保存の魔法をかけて背負い袋に保存。
もしかしたら生肉を囮にできるような状況があるかもしれないから。
それに念のための保存食。
6層でアイテムボックスが開けないという情報があったからだ。
2層も森。ここも変わっていない。
女戦士が猪を仕留め、内臓を処理して肉を保存の魔法をかけて背負い袋に保存した。
3層。
ここは変容していた。墓場になっている。
アンデッド対策には仲間の白魔法使いの出番だ。
ちなみにゲームと違って、ヒールをかけてもアンデッドにダメージが入ったりはしない。
普通に治るので強くなる。
あいつらがダメなのは身体ではなく頭とか属性のほうなのだ。
アンデッドに日光の何が効くのかは詳しくわかっていないが、単に温まるのがよくないというのが俺の説だ。
4層。
出てきたボスは前のタイタンと違って、美女だった。こいつなら抱いてもいい。
硬質化した爪と魔法で攻撃してきた。
特に大したこともなく、苦戦せずにそいつはキラキラして消えた。
何のモンスターだったのだろう? ダンジョンの外ではあまり見ないモンスターのようだった。
・・・・・・敵だったんだよな? 間違って冒険者を殺害したら重罪だ。
まあバレないとは思うが。




