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ダンジョンマスター・ベリル ~みなさんの攻略をお待ちしています!~  作者: GANON
本編8

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社内行事 その2 運動会

 ダンジョンから離れた魔界競技場。


 秋恒例の社内イベント、運動会である。


 流石にダンジョン運営をぶん投げてやることはできないので、ベリルはお昼から3時間だけ観戦、参加する。もちろん緊急時はダンジョンへ帰還する。


 ちなみに僕も競技へ参加してくれとの打診があったので、社内幹部が出走する仮装徒競走へ出る。ベリルも僕も取った点数はダンジョン部署に入る。


 新米から幹部までの年齢別競技と、社内の部署ごとの点数がある。ベースメントピットはダンジョン部署ということだが、他ダンジョンとをまとめたものだ。


 流石に運営中のダンジョンから出せる魔員は少なすぎるからね。


 本来はスポーツが得意なタイゾウとかリィラとかが出る方がいいのだろうけど、現在冒険者を対応中だ。


 キララは新ダンジョンの部署へ配属になっているので、今まででになかったやつだ。


 各20名ずつ出場する手筈になっているので、新ダンジョンには50名とかが配置されているようだ。


 ベリルの出場する幹部競技は"借り物競争"。午後13時半開始予定。現在時刻は12時20分。


「―いつも弁当が美味いわ」


 ベリルと僕は日焼け防止のパラソルの下。白い丸テーブルで椅子に座って弁当を食べている。


 魔界では比較的早い時期から弁当という文化が広がっている。日本の女性魔物が広めたらしい。運動会本体もだ。


 こういうイベントの仕出し弁当は高級品だ。


 みなさんにわかりやすいイメージは洋風だけど9種の幕の内弁当といったところ。


 個数制限はなく、頼めばいくらでも届くらしいので今日の夕飯分も食べていくという芸当もできる。


 魔界スポーツのプロも参加しているので、その方たち専用競技があり、本物の記録が出るところも見られる。



「行ってくるわね―」

「頑張って。怪我とかしないようにね」


 後ろを向いて去っていくベリルはピースサインをしていた。


 彼女が運動が得意なことは飲みの席で聞いていた。


 今日はポロシャツに短パン姿のベリル。


 でも、借り物競争は運ゲーだ。走るのが早くとも勝てるわけではない。


 パァン。号砲が鳴り、一斉にお題の紙がおかれたテーブルに殺到する魔人たち。


 魔人は神と人間の間にできた子供の子孫である。相当世代が経って、人間とあまり変わらない暮らしをしている。


「ほら! アンタの出番よ!!」

「なにさ??」

「これよこれ」


 ベリルの手には、


『未婚男性』


「これさぁ・・・・・・結構ヤバイからあとで運営を注意するよ」

「いいから、アンタ結婚してないでしょ!」

「はいはい・・・・・・」


 僕は手を引かれてついて行く。


「1位はベースメントピット所属のベリル!! 2位は―」



「よっしゃあ! 1位! 来年までは自慢できるわ!」





 ということで僕の出番だ。

 カメラをベリルに預け・・・・・・赤いランプが点灯しているので撮影しているようだ。

 別に本気とかではやらないよ? 運動会で本気出す大人はちょっと恥ずかしいからね。

 いいわけできる余裕をもってやらないと後悔しそうだから。


 誘導され、着替えボックスに入る。

 用意されているのは走りにくい衣装だろう。

 一般的な成男性魔人の200m走の記録は21秒くらい。

 たしか地球の人間界では19秒台だったと思うので、みんな人間のアスリート並ということになる。

 と、着替え終わった。


「準備ができた方は上の方に〇を作ってくださ~い」 


 手で〇を作って空いているスペースからアピールした。


「では! よーい、ドン!!」


 パァンと号砲が鳴った。


 扉を開き、靴を片方急いで履いた。


 飛び出した僕は海賊風コスチュームだった。


 なんと片足義足設定。ギブスを履いているので非常に走りにくい。


 他のみんなも同じようにどこかしら走りにくいところがあるようだ。


 2輪ローラースケートとかいう扱えれば最速であろうやつも、バシバシ転んで最下位必須。


 幹部のみんなの惨状に、部下は笑っていいのやら苦い顔が多かった。


 僕は初めてやったけど、これも来年は改善すべきだね。


 残念ながら僕は3位。けれど、1位が200mで18秒という恐ろしい速度だったので頑張った方だろう。

 

 1位は短髪の若い魔人だった。現役でスポーツでもしているのだろう。


「お疲れ様。はいドリンク」

「ありがとう」


「さ、戻りましょう」


 僕とベリルは午後17時の閉会式を待たずにダンジョンへと帰還。

 紅白饅頭の箱を両手にいっぱい持ってダンジョンへと帰った。


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