8層管理者、ドッペルゲンガーのルピン
「ひっさしぶりーベリルちゃん」
「ルピン、アンタ半年もどこほっつき歩いてたのよ?」
「いやぁ、女の子追っかけてたら地球のアフリカってとこに出ちゃってさ。無一文よ。文明が古くて連絡できなかったんだ」
パソコンルームで書類整理をしていたら、見ない顔が入ってきた。
でも腕章は8層管理者と書いてある。
第8層管理者、悪魔、ドッペルゲンガーのルピン。名前の由来は某大怪盗だそうだ。本名は本人希望で非公開。
今までは遠方へ旅行に行っていたため、いなかった。
彼はコロコロ姿を変えるため、基本的に管理者の腕章で判断する。
しかし、見た目は変わるが、言動は変わらない。相手を小ばかにするような口調だ。
食らった人の姿になれるという能力を持ち、それには能力も変化する。
力の強いもの、魔法に秀でたもの、様々な人間に変化し、戦う。
比較的万能な戦い方ができる彼。
この階層は彼を倒すか、時間まで耐えて、鍵を手に入れなければ9層へ進めないようになっている。
相棒の銃、カラビーナ・ライフルとモーゼル拳銃を手に、彼は冒険者を翻弄する。
「アンタ、久しぶりに来たんだから仕事してきなさい」
「りょうか~い」
魔界式敬礼をして去っていったルピン。
僕、ベリル、メイ、ルピンの年齢はそれほど変わらない。
魔界では10歳くらいは誤差の範囲だ。
「朱雀さん、いったん休憩室に戻っておいて」
『さよか』
8層。影の魔物は低級魔物だ。檻から出しておけば勝手に人間を攻撃する。倒されても種に戻るだけで植えればすぐに復活する。
ルピンの攻撃。まず厳しいのが狙撃。
彼は凄腕のスナイパーであり、彼専用に改造されたライフルは魔法弾を射出する。
誘導こそしないものの、破壊力は絶大で、5層の魔導機械ライフルのレンガを破壊する程度では済まない。
具体的には薄い防弾ガラス程度ならば簡単に貫通する。この世界で言うならば魔法などで強化されたプレートメイルも貫通する。それぐらい。
連射こそできないものの、一般的な魔人でギリギリ目視できるかどうかの距離から放たれる弾丸は回避不能と言えるだろう。
そして近距離でも拳銃がある。
こちらも魔法弾を打ち出す改造銃で、散弾を打ち出すこともできる優れものだ。
それで拳銃をどうにかして封じたとしても、体術という最後の攻撃が待っている。
変身対象にはタイゾウのような巨人族も含まれており、単純な筋力で上回るのも厳しいだろう。
「なんで古式銃なのかって? カッコイイからに決まってるじゃん」
という当然の答えが返ってきた。
ちなみにこの8層で彼を倒す必要はなく、15分間生き延びればクリアとなり、次階層への鍵が手に入る。
8層にたどり着いた勇者一行を次々と狙撃していくルピン。女性だろうが関係なくヘッドショットを決め、全滅。
「全然話にならないね」
「じゃあちょっといただいてくるよ」
ルピンは倒した勇者を食べに戻ったようだ。
著作権とかの問題で危険な場合、ルピンさんは名前変更されます。




