眼鏡の勇者たち ②
順調にモンスターを倒しながら3層に到達。
かかった時間は10時間ほど。
「情報と違う・・・・・・迷路のはずなのに」
事前に仕入れた情報は予約が取れた少し前のものだから、その間に変容したのだろうか?
いろんな墓が並ぶ不気味な感じになっていた。
でもお国感がバラバラすぎてちょっと面白い。この南国っぽい動物の骸骨が飾られてるやつとか。
墓の下から出てくるゾンビとかを倒して進む。一回、全然関係ない通路で足首をいきなり掴まれてパニックになった。
でもそのくらい。
「ボートをだしてと」
触手の入っているプールがあるというのも聞いていた。付近で魔法が使えないということも。
女性の足がつくくらいだから泳げなくても大丈夫ということだったが、脱がされるのは気色悪いので木製ボートを準備しておいた。
4層。聞いていた通り何もいない。
倒しても死体が残らない層だと聞いていたが、がらんどう。
休憩するならここで大部屋があるとも聞いていた。
情報通り、大きなドアノブを回してボス部屋っぽいところに入った。
アイテムボックスから野営用の物を取り出し、一泊。一応地下なので炎を焚くことはしなかった。
翌朝、5層。アイテムボックスを開けば現在時刻はばっちり出る。
腕が剣になっている機械兵を壊しつつ、進んでいく。
途中から両腕がライフル銃になっている機械兵も出てきた。
幸い、全身を壁からだして1発ずつ射撃するため魔法で防御、迎撃し、苦戦しなかった。
6層。雪原だった。雪はあまり降っていない。
そしてアイテムボックスはノーデータの表示に。
階段を上り、5層で防寒具を着て、アイテムをバッグに詰めて戻る。
きちんと目印のフラッグを立てていく。帰りもこれで安心だ。
7層。火山地帯。ドロドロしたマグマのようなものが壁に垂れてきているが、なぜか大して熱くはない。
触る気にはならないが、無視してもいいやつだ。
人間よりは大きいドラゴンに見つかった。
・・・・・・でも、なんか大して戦闘したい風には見えなかった。目に入ったからしぶしぶ攻撃してきたみたいな。
いろんな宝石が壁に埋まっている。力づくではずすことは出来なかった。
8層の森。
影に擬態しているモンスターを何体か倒したあと。
冷たい風が吹き、後ろを見ると急に背後の霧が濃くなる。
「ようこそ。俺様の狩場へ。せいぜいあがきな」
その言葉が空から聞こえてから数秒後。
タァン。
ヒゥン。
私の左耳が吹き飛んだ。
「いたぁい!!! 狙撃だわ!!」
血が流れる耳を押さえて伏せる。
今までの生涯で一番の危機だ。
追加でアドレナリンを出す魔法で痛みをごまかす。使い道などないと思っていたが、学んでおいて役に立った。
この世界では、癒しの魔法は専門職か神官でないと使うことができないようだった。
耳が無くなったので眼鏡が吹き飛んでしまった。敵が目視できないと魔法は誘導しない。
敵との距離が遠すぎる。高位の鷹の目の魔法を覚えておくんだった。
「落ち着いて!! 頭に食らわなきゃ死なな―」
頭を貫通してドロドロが地面に降り注ぐ。
私の目の前でマグノリアがヘッドショットされて倒れた。
一切の情報がない。
仲間はどんどん攻撃されている。
2人はパニック状態で逃走、失禁。
私はいたぶって遊ぶかのように足を撃たれた。
どっと痛みが襲ってきた。アドレナリンの魔法の効果は数分だけ。
もう仲間は全員死んだだろう。叫びは聞こえない。
絶望的だ。
「誰か・・・・・・助けて―」
木の裏に座り込んだ。
タァン。
つぶやきを最後に、私の視界は無くなった。
銃声と着弾表現がたぶんガバガバです。




