魔女とお供2人
石扉の前には3人が手を繋いで並んでいた。
門番に見守られながら、合図を待つ。
「遅くなりましたが午前12時。攻略を始めてください」
魔女の私。イーヴィ・ブルドン。もうずいぶん前に自分で魔法少女とかいう年齢ではなくなった。現役のころは掃除屋とかいう恥ずかしい通り名で呼ばれていた。
おおきなバッグを背負った見習いの彼女はメイブン・グリーン。
買った召使いのトム。まだちゃんと名付けてない。
知り合いの魔人が改装した階層を見て欲しいと言うので遊びに来た。
そこは3階層らしい。
わざわざいったん人間界へと出て、魔法で予約を改ざんして入ってきたのだ。
パチリと指先に炎を灯して階段を下る。ローブは引っかかりやすくてこういう場所には向いていないので、黒いパーティ用のドレスだ。魔女といえばの黒い帽子はちゃんと被ってきた。
「ふぅん。思っていたより清潔ね。昔はアレが散らばっていて、もう酷いありさまのダンジョンも多かったってねぇ」
「アレ?」
「糞尿よ」
「うえぇ。きったないですね」
「ここは広くて空気も綺麗! 空気清浄機でも使ってるんでしょう」
「・・・・・・そんなものホントにあるんですか? お師匠」
「あるのよ。ちゃんとしたダンジョンはすごいんだから」
「別に喋っていいのよ。もうあなたは私の物になった。それだけのことだからね」
「・・・・・・」
彼を引き取ってみたのは気まぐれだ。
連れてきてみたのも、たまには外の世界でも見せてあげようと思ったのに。
彼はトラウマからか、なかなか喋ってくれなかった。
「2階層まではピクニック気分で大丈夫って聞いてたけど、一応、魔物はいるのね」
「どうしますか?」
「この魔物もちゃんと管理している人達がいるのよ。私たちは無駄に殺したりしないようにしましょう」
「では眠っていてもらいましょう。おやすみなさい」
メイブンが腰から抜いた短い杖を振って簡易呪文でゴブリンを睡眠させた。
「広いわねぇ。休憩用にテントを用意してくれって言われたけれど、3泊はお肌に悪いから早く下に行きたいねぇ」
数時間かけてゆっくり周りを見ながら次の階層に降りた。地図は事前に貰っている。
2層目に降りて半分ちょっとくらい進んだところ、ちいさな湖付近で休憩に。
メイブンの背負っている大きなバッグに3人用のテントが入っている。
テキパキとメイブンが設営。魔物除けの結界を張る。
水をろ過して3人で簡単な夕食を摂った。
「すごく昔を思い出すわ・・・・・・」
身の回りの世話はトムが支度してくれる。パジャマに着替えて、薄い布団に入った。
昔々、こうやって仲間と冒険をしたものだ。この年でやると背中が痛くなりそう。
もう何年前だろう。わからないくらい昔だ。
「トム、お師匠の昔っていつだと思う?」
「・・・・・・」
「うん百年前だったりして」
「聞こえてるわよ!」
「ひぃ!! すみません・・・・・・」




