相談事は彼女におまかせ
「それで、今日は誰かストレスとかで困っていないか聞きに来たのだけれど」
「ちょっと待ってちょうだい。・・・・・・4層の派遣のピクシーの子たち複数が直近で相談に来たわね」
「なんだって?」
「怪我とかの保証が派遣元の対応じゃあやってられないからこっちでなんとかしてくれって」
2人が僕の顔を見てくる。
「う~ん。一応伝えるように言ってみる。保証がどのくらいの金額かわかる?」
メイはハンドサインで伝えてきた。
「それは安いねぇ。死ぬことも珍しくない仕事だもん。何か変な契約させられたんじゃないかな?」
「こっちで調べておくよ。ピクシーの子たちは納得できるまで休憩所でゆっくりしてもらってもいいかなベリル?」
「アンタがそれでいいなら」
「じゃあそう伝えて、解決したら仕事をしてもらおう」
そういった問題を直に聞いて、この中で決める権限を持つのは僕だ。
どれだけ頼りなく見えようが、意見を伝えられる立場なのは僕。生き死にの関わるダンジョンで納得のいかない条件で仕事をさせるわけにはいかないから。
「ところで4層にはホム君いるじゃん」
「ホムンクルスね」
「あの子たちってストレスとかどうやって伝えるのかしら?」
「まあ喋れないし、表情っていうか顔そのものがないからねぇ。でも簡単な筆談できるわよ?」
「へぇ。そうなんだ!」
ホムンクルスは人型の魔物。
特徴としては顔がない。というか目とか鼻とか耳とか毛がない。
口はあるけど声は出ない。でもちゃんとこちらは知覚している。手を振って挨拶したりお辞儀してくれたり。ご飯も食べるし、血もでる。簡単な書き物もできる。
腕を凶器に変形させて戦う魔物だ。
大昔に人造人間というものを作って失敗したヤツらしいのだが、魔界の学校に1校1体くらいいる存在だ。現在どうやって生まれてくるのかはよくわかっていない。
そんな存在は魔界には掃いて捨てるほどいるので、みんなあまり気にしてない。
別に両親がいないといっても、へ~そうなんだ。くらい。
ちなみに魔界にはちゃんとそういう魔物を教育したりする施設がある。
魔界で生きていきたいか。周りと合わせられるかのほうが重要視されている。
「あと、3層を新しくするのはいつ頃がいいか占ってちょうだい」
「なに占いがいい?」
「うさんくさいから水晶玉以外」
「じゃあドラゴンの骨でやりましょう」
メイは相談部屋から出て、管理者部屋へ道具を取りに行ったようだ。
戻ってきたメイは革袋からドラゴンの小骨を取り出した。
それを何本か手に取り、 風呂敷を敷いたテーブルに放った。
「・・・・・・出た。結果だけ伝えると今月中旬ね」
「ありがと」




