男4人組勇者
『ビー、ビー、ビー。警告! 警告! チート使用者が進入しました!!』
「来たわね―」
午前9時。
緊急をつげるブザーが鳴る。宇宙船内部のような、各魔員用通路に設置された青いパトランプが一斉に回りだす。
ベリルはロッカーからスーツを取り出し、更衣室へと消えた。
戻ってくると、ベレー帽に深紅のスーツに身を包んだベリルになっていた。
「状況確認!」
『今回は男性が4名。剣士、剣士、斧使い、細剣使いといったところです』
『まあチートアイテムは倉庫の腕輪くらいでしょう。乗り物等はおそらく所持していません』
「なんだ。大した事なさそうね。アナライズしといて」
『ラジャー』
ポーロとの通話を終え、ベリルは5層のアンチチートシステムをオン。スイッチで6層のシステムだけを起動した。
その足で2層の監視室へ。
「どうだった?」
「2人は魔法使い、1人は神官、最後はホークアイ持ちですな」
「ふぅん。バランスいいじゃない」
「けっこう魔法力はありますな。プチメテオは無理でもメテオストライクあたりなら使えそうです」
「なら4層はダメね」
「しかし、身体強化があまりかかっていないので5層あたりで詰まるかもしれませんな」
パソコンルームに戻ってサブマスターと連絡を取る準備をするベリル。
「とりあえず今のうちに4層のみんなは避難させて」
『ラジャー』
端末からポーロに避難指示を出すように言うベリル。
とても今更だが、端末というのはスマートフォン型端末のことである。
なぜスマートフォンと呼ばないのか。電話でないからである。
電気ではなく魔力で動いているので、代替語を作ることをせず、端末と呼んでいる。
ちなみに地球でいくつかあるOSは魔界では1種類で統一されている。
色んな技術が地球から輸入されて、今の魔界はものすごく便利になった。
「今回はどのくらい進まれると思う?」
僕からベリルに聞いてみる。
「そうね―今回は6層で黒狼と戦わせてみるわ。新しい首輪が使えるのかどうか」
僕たちは2層の監視室に戻って彼らの動向を監視中。
勇者たちは2層で別のパーティと何かやり取りしていた。
ちょっと監視カメラの調子が悪く、音声は拾えなかった。
たいしたことは話していないだろう。せいぜい死亡フラグくらい。
3層のアンデッドは次々浄化されていく。神官戦士と相性が悪すぎる。
プールを泳ぐ男4人の下着姿に対してハイオークたちからブーイングだ。
「女連れて来い! おまえら絶対生きて返さんからな!!」
「そうだそうだ! 汚い腹見せやがって!!」
そう言いたくなるのもよくわかる。
だってアレするやつを見張って印付けるのが普段の仕事だもの。
女の子のパンツばかり映しているモニターのやつも複数いるけども。それにはベリルも目を瞑っている。
ちゃんと緊急時にはみんな仕事をしてくれていれば問題ないのだ。




