魔界健康診断
「ここでお待ちください」
ここはダンジョンからちょっと遠い、魔界の某所にある健康状態チェックセンター。
魔界の者だからといって、不健康な方が優秀―なんてことはなく、健康が一番である。
僕も年に一回、健康診断を受けるのだ。
残念ながらベリルと一緒ではない。そもそも男女別だし、会社に指定されているところなら一番家から近いところでいいからだ。
代わり、といってはなんだが、ユーベルトが一緒だった。
彼は近くの高級住宅地に住んでいる。
「お前さんも大変よの。毎日ベリルについてって、帰って作業もしとるんだろ?」
「ええまあ。仕事ですので」
「つがいでも見つけて仕事減らしてもらやぁいい」
「もうすこししたら考えます。今が一番楽しいですから」
「はっはっは! いいことだのう」
僕とユーベルトは待合で検査着の恰好。検査に呼ばれるのを待っていた。
「ガノンさん、どうぞ~」
「お先に失礼します」
ユーベルトに挨拶して別室へと。
尻尾の生えた美人な魔族女性に呼ばれた。この方が僕の担当のようだ。
まずは身体計測。身長を測り、体重も計る。
・・・・・・去年より少し太っていた。
次、視力、聴力検査。
・・・・・・大丈夫。1キロ先でもよく見える。川のせせらぎも聞こえる。
血圧測定。正常値。
心電図。問題なし。
血液検査、尿検査、便検査、の結果は後日。
約40分の検査を終え、着替えたりしてチェックセンターを後にした。
この後は最近で唯一の休みだ。
どうしようかな~。
そういえば血液検査があったから朝食を抜いたのだった。
社員用食堂以外で昼に食事をするのは久しぶりだ。あそこは相当メニュー数があるから飽きないけども。
現在いる場所は魔界の中でも富裕層が住む地。これを見ている皆さんがわかりやすいように地球に例えて言うのならばニューヨークやスイスといった地域くらい。
ただハンバーガー1つ食べるだけでも一般会社員の時給が無くなる。
美味しいものを食べようとしたら日給が無くなる。
・・・・・・一般会社員ならね。でも今日、僕は太っていることが判明している。
ということで、列車で少し移動し下町へ。
ここで言う下町は低い地層のではなく、階級の低い魔族が生活していたという意味の方。
こちらのほうが飲食するのには向いている。
・・・・・・お、野菜たっぷりグラスヌードルの店だ。チェーン店で味は保障されている、ここにしよう。
みなさんが知っているであろう言葉だと春雨かな?
とってもヘルシーで魔界でも人気な食品だ。もちろん肉食の方々は食べないからもっぱら魔人にだけど。
小綺麗な店に入ってカウンターで注文。
どれにしようかな~。メニューの写真を見て考える。
・・・・・・決めた!
「野菜と海鮮のグラスヌードル、麺大盛で」
つい口が大盛と喋ってしまった。もう戻れない。
まあとってもヘルシーだし。
しばらくして注文が届いた。
どんぶりに入ったグラスヌードル。たっぷりのキャベツにニンジンにエビやカニ。スープは鳥出汁だった。
どんぶりにたっぷり入って、会社員の時給より少し安い。お腹も大満足。




