ダンジョンの評価
「ダンジョンの評価が・・・・・・下がってる!! 0.2も!!」
ベリルの叫び声がパソコンルームに響いた。
パソコンの画面を見ると、少し前には星4つだったベースメントピットの評価が星3.8になっていた。
「あちゃ~。タイゾウが強すぎるって? そういえば最近4層より下った冒険者はいなかったわね」
「う~ん、どうしようかしら」
「何かアイディアない? 普通の冒険者を下らせるやつ」
僕に話が振られる。
「タイゾウくんが強すぎるんでしょ? ちょっとお休みしてもらえば?」
「それじゃあ一時的でしかないじゃない。」
「でもタイゾウくんに勝てないような人達が5層のライフルを食らって大丈夫とは思えないんだけど」
「いったんよ、いったん。それでまた5層の苦情が増えたら他の機械に入れ替えるか改装する」
このベースメントピットというダンジョンの難易度は3層までは比較的簡単で、4層と5層で8割のふるい落としがあり、7層以降はそう簡単にいかなくなっている。
チート勇者たちはなんでもなく突破している5層も、実はけっこう強い魔導機械のはずなのだ。
魔導高周波ブレードは金属鎧をやすやすと切り裂き、旧式とはいえ魔導ライフルの弾丸は1センチの鋼板も貫く。工事用ヘルメットくらいでは話にならず、住宅用レンガを簡単に破壊すると言えばわかりやすいだろう。
この弾丸で打ち抜かれて生きている冒険者などほぼいないのだ。例えば動きにくいフルプレートを着こんでこの階層まで来るのに何日かかるんだという話だし。
だから前提として、魔法で強化されているような軽装鎧を着ているという条件になるのだが、まあ高い。この世界でこの地域だと物によっては1つで生涯年収に匹敵する。
ドワーフという種族に大金を積んで頼んで、一点もので作ってもらうことになるだろう。
芦田野ミライの踏破記録が9層(手加減アリ)で、そういったもののない本当の記録は8層だ。
やはりユーベルトが出てしまうとどうやってもチート級でもないかぎり突破は厳しい。
まだ姿を見せていない8層のルピンも魔界でかなり有名なくらい強く、彼は孤島でのバトルロワイヤルで優勝経験がある。
それはさておき。
「タイゾウ君に身体強化の魔法禁止でも言い渡してみる?」
「そのくらいで互角とかになるのかしら?」
「なら本人に聞いてみれば? どのくらい加減したら負けそうか」
「それもそうね」




