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ダンジョンマスター・ベリル ~みなさんの攻略をお待ちしています!~  作者: GANON
本編4

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フラグは立てるもの

 金曜日。午前9時。

 来てしまった。


『ビー、ビー、ビー。警告! 警告! チート使用者が進入しました!!』


「え!? なんですかこれ!?」

「能力持ちの転生勇者が入ってきたんだよダンジョンに」

 

 端末にブザーと共に赤い通知が入る。幸い近くに誰もいなかった。


 午前9時。

 

 緊急をつげるブザーが鳴る。宇宙船内部のような、各魔員用通路に設置された青いパトランプが一斉に回りだす。


 僕たちは2層のユニコーンに滋養強壮の高級餌をあげていた。すこし弱っているという話があったので。

 

 キララは乙女だったらしく、ユニコーンからよってきていた。


「まずは監視室へ行こうか。ポーロ達が情報収集してくれてるから」



「どうなっていますか?」

「はい、男3人ですわ」


「こいつら本当にチート勇者なのかって感じですな」


「アナライズもしておきましたよ。怪力に頑強、魔法強化くらいですな」


「下手するとタイゾウでも勝てますよ」


「あの! 私は何をすればいいんでしょう!?」

「キララさんはみんなに指示―は、まだ難しいから、どうするのか聞いてまわろうか?」





「ユーベルトさん。あの~ドラゴンさんたちは・・・・・・」

「ああ、いらんよ。あんなに覇気のないやつらタイゾウで十分」


 7層休憩室。

 手をヒラヒラ振って、魔界通販ショッピングの流れるモニターを見続けるユーベルト。

 ソファーに座ったまま、こちらを見もしないでダイオウイカのスルメを齧っている。

 ユーベルトがそう言うなら、あの勇者たちでは下級ドラゴンが出るまでもないということだ。


「でも・・・・・・」

「お嬢さん。大丈夫、儂を信頼せい。なぁガノン」

「はい。4層でなんとかなるって」

「―わかりました」


 キララの心配はもっともだ。

 ダンジョンを運営するものにはすぐに攻略されてしまうのではないかという不安はつきもの。

 でも歴戦のドラゴン、ユーベルトが弱いというのならば攻略される心配はないのだ。

 それを僕とベリルとサブマスターは経験で知っているが、キララはまだ知らない。

 おそらくこのあと知ることになるのだが、やはり年配のアドバイスは聴いておくものだ。


「サブマスターさんから連絡がありました!」


 キララから連絡すると寝ているところを起こしてしまったとなりかねないので、気を使ってサブマスターから連絡をしてくれたようだ。


「読み上げますね。ベリルが言っていたやつらのようなので、3層にバジリスクを放ってください。ですって!」

「あ、こいつらだったのか」


 あまりにもどうでもよすぎて記憶からなくなっていたが、少し前に外に出たときベリルたちに悪口を言った人間たちだったようだ。

 あのときアンジェリカの放った明らかな殺意にも気づかない。

 普通、あれに気づいたら街から逃げ出すようなものだったのに。

 では、本当に弱いのだろう。キララは一切心配する必要は無くなった。


「キララさん。ベリルが戻ってくる前にやっつけて、キララさんの手柄にしようよ」

「そんなことできるんですか?」

「いい感じに悟られないように3層に導けばいいのさ。あと2日以内に」


「あの人間たち、美人に目がないんだ。きれいな女性で誘導しよう」

「う~ん、誰かいますかねぇ?」


 キララでも彼らの守備範囲によってはいけるだろうが、もう少し大人っぽい女性のほうが確実な気がする。

 いろいろな顔が頭に浮かぶ。

 女装したユーベルト。ダメ。

 6層管理者、ラミアのメイ。足が見られなければ大丈夫そう。でもオーケーが出なそうだ。

 サブマスター。―彼女なら絶対大丈夫だ。


「キララさん、サブマスターに手伝ってもらえばいいかも」

「サブマスターさんですか? 私、どんな方か知らないんですけど」

「カメラ通話で顔を見せてもらえばいいよ」


「―サブマスターさん、すっごい美人! ベリルさんよりカワイイ系ですね!」

『お褒めの言葉ありがとうございます。でもキララさんの若さには勝てませんよ・・・・・・』


 どちらかというとつり目のベリルに対し、垂れ目ぎみのおっとり系サブマスター。黒い髪でボブカット。前は眼鏡をかけていたが、最近はコンタクトにしたのか、手術でもしたようだ。

 見た目と違い、サブマスターは更に頭脳明晰で切れ者だ。

 今はベリルを補佐しているが、ダンジョン運営の経験はサブマスターの方が圧倒的に長い。

 その見た目から社内ではファンクラブがあるほどで、大きな飲み会では姫扱いされている。

 ・・・・・・そしてユニコーンに好かれる。ということはそういうことだ。


『それで、わたしは何をすればいいのでしょう?』

「今入ってきた3人の勇者を3層まで誘導して欲しいんですが」

『わたしがですか?』

「はい。サブさんならあいつら目の色変えて助けに入ると思います」

『―大体作戦のほうは理解しました』


 さすが、話が早い。


「ハイオークたちに襲われて、ユニコーンに追いかけられてるところを見せて、3層への階段付近で撒けば下にいったと思うでしょう」

『役割、了解しました。キララさん、それでよろしいでしょうか?』

「はい! おまかせします!」


 ということで作戦相談完了!

 あとは3層のアンデッドで囲んで、バジリスクと目を合わさせればそれで終わりだ。たぶん。



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