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ダンジョンマスター・ベリル ~みなさんの攻略をお待ちしています!~  作者: GANON
本編3 でも外伝っぽいよね

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23/61

終業、ちょっとお出かけ

 17時30分。キララの業務終了時間になった。

 すでにサブマスターへの情報引継ぎは済ませてあるので、端末から退勤ボタンを押せばそれで終わりだ。

 キララがぽちっと退勤ボタンを押した後。


「キララさん、今日の業務はこれで終わりなんだけど、この後の予定はある?」

「いえ。宿舎のほうでゆっくりしようかなと思っています」

「よかったら僕とご飯食べに行かない? 全額僕の奢りだけど」

「え!? いいんですか!?」

「うん。ベリルも使ってるけど、上司は部下から飲みに誘われたら断れないっていうのがあるから、キララさんもそれを使えば、毎日でも僕の奢りで行けるよ」

「行きます! あ、ガノンさん、飲みに行きましょう!」

「うん。じゃあ着替えたりして18時30分にゲート前でいいかな?」

「はい!」


 本来は過度な使用は厳禁なルールだが、わずか7日間の間だし、勝手に呼び出した以上このくらいはしてあげたかった。

 僕も更衣室で普段着に着替え、日報をさっと書いて送り、正門前のベンチでキララを待つ。

 40分もあれば女の子でも準備できるだろう。


「何か食べたいものある?」

「えっと、ベリルさんとはいつもどんなものを?」

「ほぼ日本式居酒屋だね」

「じゃあそこに行ってみたいです!」

「わかった。すぐそこだから」


 魔界へのゲートを通り、ベリル行きつけの居酒屋へ。


「そういえばキララさん箸上手いね?」

「曾祖父が地球のそういう地域で活動していたことがあって、これのほうが楽だぞって教わりました」

「この前も海鮮丼食べてたし。けっこう生の魚嫌いな魔員も多いのに」

「それも、曾祖父の影響ですね」



「キララさんは別の世界に行ったことある?」

「昔、地球のヨーロッパっていうところに家族旅行で行きました。画面越しで見ていた、魔界の都会に似ていて、将来はこういうところで暮らしたいなと思いました」



「このカルーアミルクっていうのをひとつ!」

「甘いお酒は気をつけなよ。すぐに酔っぱらっちゃうから」

「大丈夫ですって! 私お酒結構飲めますから!」



「なんていうかぁ、年の離れた兄ができたみたいで!」

「そうかい? うれしいなぁ」




 しばらくののち。

 酔った彼女を宿舎へと連れて、マスターキーで部屋の鍵を開けて部屋へと入った。

 本来は2人用の部屋なのでトイレにシャワー、キッチンにリビングにベッドが2つの寝室がある。

 リビングのソファーに彼女を座らせた。

 すでに寝息を立てている。

 さっとベッドメイクでもして寝かせてあげよう。

 ・・・・・・その前に。





 僕の顔はキララの顔に近づく。

 

 唇が触れ合うまであと5センチ。

 

 僕はサッとキララの顔の横に右手を伸ばし、それを掴んだ。

 

 握ったそれは手から逃げ出そうともがいている。

 

 僕はそれを掴んだままシンクへと向かい、シンクの中でぐしゃりと握りつぶす。

 

 トマトをつぶしたような感覚が手に広がり、灰色のそれは動かなくなった。

 

 モノアイ・カメラ。

 

 スキャンダルの撮影やスパイ活動などで使われる小型魔物を改造したカメラだ。

 

 モノアイという魔物は以前紹介したサウザンアイの近種で、それなりに金を出せば透明化もオプションで付けられる。

 

 こいつは宿主の魔力を吸収しながら活動するので、キララの魔力を僅かずつ吸いながらキララやダンジョン内を撮影をしていたようだ。

 

 僕は今日キララに会った時点で彼女の魔力の流れがおかしいことに気づいて、こいつの存在に気づき駆除する方法を考えていた。


 無理に駆除しようとして逃げられてもマズイし、ダンジョン内の撮影は泳がせていた。意外にも高い知能を有しているのだ、このカメラは。

 

 残骸を端末の簡易アナライズにかけるも、魔法へのプロテクトとあとはノーデータ。流石に足がつかないように対策されている。


 潰したモノアイ・カメラを半分にちぎり、2回に分けてトイレに流した。

 

 シンクに散らばった脳漿に体液と内臓も備え付けのゴミ袋に入れて、あとで持ち帰る。

 

 キララに余計な心配をさせる必要はない。

 

 手を洗って、ベッドメイクをして、寝ているキララをベッドへ運び、靴を脱がせて掛布団をかけてやった。

 

 端末に「遅刻してもいいのでシャワーを浴びてから出勤してください」と送っておく。

 

 ・・・・・・これでよし。

 

 ちゃんとゴミを回収し、端末のマスターキーでキララの部屋を閉め、僕は家路へとついた。



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