2層、3層へ
2層。
休憩室を覗いたらブリッツがいた。
「ブリッツさん、休憩中すいません。今日から7日間ダンジョンマスター代理をしています、こちらがキララさんです」
「キララです! よろしくお願いします!」
「あ、ご丁寧にどうも! 僕はブリッツです。1層、2層の動植物の管理をしています」
「ちょっと不注意で最近怪我をしてしまったので、今は少しずつ仕事に復帰している感じです」
「そうなんですか。体調の方を優先してお仕事してくださいね」
2層監視室。
「ポーロさん。今日は何か変わったことありますか?」
「う~ん、特にないですなぁ。冒険者たちはだいたい1層と2層でまったり攻略していますし」
「初心者ばかりで代り映えしないですなぁ」
「まあキララさまがダンジョンマスターの間に勇者どもが入ってこないことを祈るばかりですな」
あ、何かが立ってしまった気がする。
3層。
金銀色の高級そうな装飾で整った管理室ドア。
コンコンコン。
『どうぞ』
そのドアをノックして、中へと入る。
「初めまして。キララと言います!」
「あ、僕も初めまして。ガノンです。ベリルから僕のことは聞いていますかね?」
「ああ、はいはい! あなたがガノンさまですね! ベリルさまから聞いていますよ!」
彼は3層管理員で、名前はワイアット。彼はアンデッドのリッチだ。
しばらくの間ぎっくり腰で長期入院中だったという。
アンデッドとはいえど、体調不良はあるらしい。ただ死なないだけで。
彼はリッチという名前の種族? だけあって成金趣味だ。
この部屋も魔界では名の知れた高級調度品が並んでいる。
「全体連絡はしてあると思いますが、今日から7日間、このキララさんがダンジョンマスター代理です」
「存じておりますとも。どんなご命令でもお聞きしましょう!」
「ところで、体の方は問題ありませんか?」
「まったく問題なくなりました。いったん死んでなおしたのでね」
僕は詳しくないが、アンデッドの方々はそういったとんでも手術で治すことがあるらしい。
「3層でお困りのこととか、何かありませんか?」
「そうですなぁ・・・・・・まあみんな死んでいますから、勤怠とかは問題ありませんが、最近ちょっと古い個体が多くてですな」
「古い個体ほど腐って足が遅いですから。逆に取り残されてるんですわ」
「処分しようにも死肉はみんな食えませんからなぁ」
「だってよキララさん。何か方法はあるかな?」
「ええ!? 私が考えるんですか!?」
顎に手を当てて考えるしぐさをするキララ。
「例えばですけど、その足の遅い方だけ出すとか?」
「おお、いい案ですな。少し戦力が下がってしまいますけども」
「大丈夫でしょう。今のところこの下で戦っているタイゾウ君は無敗ですから」
「では、このあとはしばらく古い個体だけ出して、逝っていただくということにしましょう」
「あと急ぎでなくていいので、プールの掃除をお願いしたい」
「わかりました。明日にでもやりましょう」
ワイアットと別れた。
エレベータに乗って、端末でチャット。ワイアット宛てにお礼を送っておく。『課題、ありがとうございます。キララさんも自信がついたと思います』。
ワイアットからは『オッケー☆⌒d(´∀`)ノ』が返ってくる。




