ダンジョンマスター(仮) キララの1週間!
魔界時刻午前7時。
11層正門前。
「えっと。この前はお世話になりました。今日からもよろしくお願いします!」
「よろしくね。キララさん」
・・・・・・ということで。
ベリルに休暇一週間を取らせてあげた僕は、代わりのダンジョンマスターにキララを呼んだのだ。
現在、会社内の様々な部署を転々として経験を積んでいた彼女だったが、次の配属先がPC作業メインだったので資格持ちの彼女には退屈だと思い招集したのだ。
「カメラで撮ってたガノンさんって偉い方だったんですね!」
「まあベリルよりは偉いけど。そんなにだよ」
「一応、けっこう昔に僕もダンジョンマスターだったから。ベリルが帰ってくるまで、2人でなんとか運営していこう!」
「なにかあっても僕が怒られるだけだから気楽にやっていいよ」
肩まで伸びたサラサラと綺麗な銀髪の彼女。
スーツ姿の似合わない童顔だ。
腕章がついていなかったらダンジョンマスターとは思えないだろう。
「さっそくだけど、またこの前みたいに黒狼にご飯をあげに行こうか」
倉庫から冷凍肉をレンジで半生まで解凍して、台車に乗せてエレベーターへ。
「私が持ちます!」
「いやいや。男の方が力持ちだから。僕が運ぶよ」
「いやいや私が!」
という長いやり取りの末、肉の乗った台車はキララが運ぶことに。
6層についたら窓を通り、黒狼の待機部屋へ。
広い檻のような空間だが、少し遊び道具もある。
「僕はトイレの掃除をするね」
「じゃあお言葉に甘えて・・・・・・お願いします!」
黒狼はリィラに教えられたとおり、きちんと決められた場所にトイレをする。
そこら中に散らかしたりはしないのだ。
端末で1枚写真を撮ってから、肉食獣特有の臭いの強い糞をスコップで掬って大きなバケツへ。
もとよりこれをやる前提でキララについてきたので、僕の恰好は汚れてもいいジャージだ。
今回はうまいことやれたので、着替える必要はなさそうだ。スコップを洗い流した。
そして1層の牧場へと送るため、魔員用通路に糞を持ち出す。蓋をしたバケツを物資用エレベーターに乗せて、スイッチを押した。
これでリィラの元に届くだろう。さっき撮った写真と併せて、健康状態をチェックするそうだ。
休憩室で手をよく洗い、キララと黒狼の元へ。
「ご飯は終わったかな?」
「はい! もうペロリって感じで」
黒狼を撫でるキララ。
彼女も黒狼に好かれるタイプらしい。
「ならオッケーかな。片付けて次の仕事をしに行こう」
台車と皿を11層の倉庫まで戻し、依頼のあった下級魔物のカプセルの入った木箱を持ち出す。
「ゴブリンが19体に、ジャイアントセンチピードを17体。ジャイアントスパイダーが7体、鋼鉄アリが6体、ヴォーパルバニーが14体。青い極楽鳥が2体」
キララは下級魔物の入ったカプセルを仕分けしていく。
1層、2層の魔物なので比較的生き物だ。
「へぇ。極楽鳥狩れる冒険者いるんだなぁ」
「どんな魔物なんですか?」
「ベースメントピット以外でもレアな魔物指定がされてるんだ。まあ目立つ色してるんだけど、すぐ飛んじゃうから弓とか魔法じゃないと中々倒せないんだよ」
「焼き鳥にして食べると色んな能力があがるとされてる」
「よし、仕分け終わったかな? これも全部台車で持っていこう。重いから」




