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私と、合同授業初回の終わりについて。

「あの……私は、彼女が今どのくらいクラスメイトと交流をお持ちなのかわからないのですが」

 殿下の顔が上がって目が合う。怒っては、いなさそうだけど、不思議そうな表情だった。

 まぁ私は今のクラスでも前のクラスでも休憩時間は図書館にまっしぐらだったので、お前が知るわけないだろうとは思われてそう。

「……その、少し……あの……平民、であることで、……その……」

 先生には言葉を考えず話して良いって許可はもらってるけど、私の飾らない言葉というのは人を怒らせる。

 だから失礼にならないように考えてはいるのだが、いかんせん、階級社会のトップに立つ人に平民の扱いがどうなのかって聞くのは難しい。

「……悲しい、思いを、されていたりするのでは」

「ちょっと喋って見た感じですけど、そんな傷つくようなタマじゃないと思いますよ?」 

 護衛その2の発言に内心首を捻る。

 そんないかにも傷つきましたみたいな顔はしないだろう。乙女ゲームのヒロインというものは、健気な頑張り屋さんが多いのでは? 笑っていたって傷ついてるかもしれないじゃないか。

「……ユニウス。僕の前ってだけなら構わないけど、彼女の前であんまり品のない言葉使わないで」

 品?

 上品とは言えないが、下品とまでは……

「あ〜……そういやマリー様って歴としたお嬢様でしたね」

「……聞き捨てならないんだけど、ユニウスって君に対してずっとこうだった?」

「マリー様に怒られた事ないんであんま気にしてなかったんですよ」

「気にしてないのでそのままで大丈夫です」

 私が何か下手なこと言って本来と違っちゃったらヒロインに悪いじゃないか。

「君は優しすぎると思う」

「……あの、本当に、元々私が話しやすいようになさってくださいとお願いしたので」

「ユニウスはやろうと思えばちゃんと上流階級の言葉で喋れるのに、砕けすぎだよ」

 そういや先生よりも爵位高いんだっけ。もっと低ければ庭師になりたかったとか聞いたような。

「でもちゃんと敬語使ってくださってますし、私に不満はないです。殿下もそうでしょう?」

「……」

 殿下がなんとも言えない顔で黙った。

「あまり畏られても緊張します。……それで、あの、殿下から見て、彼女はクラスメイトと交流は……」

「いや、……僕も休憩時間は殆ど生徒会室にいることが多いから」

「そう、でしたね」

 忙しいって言われてたのに忘れてた。

「ユニウスの方が見回りとかで知ってるんじゃないか」

「あー……元々孤立してましたね。俺の見た感じじゃ、普通に話してたのはマリー様くらいじゃないかと」

 いや私はどちらかと言えば避けていたはずなんですが?

 殿下と話してる時に立ち寄って話すとか、四阿で2回ほど遭遇してるけど、あれくらいしか話してない?

 え、もしかして私並に遠巻きにされてる? 大丈夫? 私は一人が好きなんだけど、普通の女の子だったらかなり寂しくならない?

「やっぱちょっと平民の扱いがわからないってのはネックになってそうではありますね」

「……あの、多分、なのですが……先生が狙いというよりは……そういった態度に、少し嫌な思いをしたのではないかと」

「何か聞いたのか?」

「あ、いえ、その、勝手な私の……想像なのですが、……私も含めて、というか主に私ですね、酷いことを言ったりしたので、……他の人も私ほどではないにしても、何かその……」

 義弟も「失せろ」とか言ったし。私も侮辱的な発言したし、姉弟揃って暴言吐いてる。菓子折り持ってった方が良いかもやっぱり。

「酷いこと?」

「……殿下もいらっしゃいましたよ。私が彼女の、その、マナーや、服装に関して、侮辱的なことを」

 殿下が眉を寄せる。思い当たらないのか、思い出して不快なのか、どっちだ。

「オペラの日取りの相談に割り込まれた時の話か?」

「ええ」

「正論だろう。侮辱とは言えない」

「……あの、殿下は私を……庇いすぎていらっしゃるような……あれは客観的に見て暴言です」

「客観的ではなくて随分自罰的だと思う」

「いえ、実際そう言われたので」

 護衛その2と先生に。

 殿下の目が据わった。

「キャロル嬢が言ったのか」

 ……なんだろう、あの、もしかしてヒロイン、殿下の好感度上げ失敗してません? いやまだ開幕前だから?

「彼女はそんなこと言わないです。全然気にしてなくて、義弟の暴言も全然って笑って許してくれました。だからきっと——俯いているのは、何か相当嫌なことがあって、それでじゃないのかな、と」

「随分好意的に見てるんだな。君は……キャロル嬢が苦手なのだと思っていた」

「あ、はい、苦手です」

「え?」

「苦手ですが、それと彼女の……為人は関係なくて」

 殿下がトラウマなのと同じだ。

 過去の、断罪の日を迎えるまでは、私はヒロインを友達だと思っていたことだってある。そう言ってくれたから。嬉しかった。でもいつから変わっていったのか。信じていた分、殺されたショックは大きい。

 殿下や、護衛その2や、義弟には、嫌われている実感があった。だから変な話だが、それほどショックはなかった。

 だけど先生と、ヒロインは、優しかったから、辛かった。

「……たった一人で貴族の中に入って、毎日登下校だけで疲れる距離を歩いてきているんです。周りはお金持ちだらけで馬車で往復してるのに、誰も気にかけてくれず勿論送ってもくれない。そんな人たちと長時間関わるペアになるのは——」

 殿下の驚いた顔に、我に返った。

「すみません」

「あ、いや……それは、……考えて、なかった」

 また余計なことを言った。腕を握り締める。日前の親だったら絶対殴られてる。

 殿下の真っ当な反応に余計心苦しくなった。

「すみません」

「マリー様って、妙に平民の心理に詳しいですよね?」

 ほぼ平民しかいない国から来たもので。

「公爵家の使用人には平民も……それに私が読む本は冒険譚が多いです。貴族ではなく平民の書いた、平民が活躍する物語も。……生身の人間と接するより、本を読む時間が長い日もありましたから。でも殆どが想像です。正しいとは限りません」

 本当のことなんて言えないから、微笑んでそう答える。

「それに彼女は——私と違って綺麗な心をお持ちでしょうから、こんなことは考えもしないかもしれません」

 乙女ゲームのヒロインはきっと、あの雲にだって乗れるに決まってる。昨日のアレだって、私の受け取り方が捻くれてるだけで、純粋にこの世界の平民の間では、あのくらいの冗談は普通に言うのかもしれない。私もなんだかんだこの世界の貴族暮らしが長いから、日前の暮らしに重ねて色々言っちゃうけど、この世界の平民は全然違うのかもしれないし。

「は?」

 護衛その2と殿下の声がハモった。

 特に護衛その2が、眉を顰めた。

 そこまで不快そうな顔しなくても。

 パッと妙に素早く顔を上げて、どこかへ視線を動かした。なんだろうか。ヒロインでも来た?

「……平民の通学に関しては奏上してみる」

 殿下の小さな声に私はハッとして殿下へ視線を向けた。本当に?

「ありがとうございます」

「……なぜ君が礼を言う?」

 大学時代の辛さが少し報われたように思う。

「嬉しいんです」

 ヒロインがどんな家庭環境かわからない。

 平民でも豊かな、アッパーミドルと言われる階級の人だったら、家には家政婦が一人くらいはいるけど、そうでなければ炊事洗濯掃除も自分たちでしなきゃならない。それもヒロインは女の子なんだから、多分家事の負担は多いだろう。

 私の大学時代と被る。

 特待生でこそなかったけど、奨学金をもらうには成績優秀であることが条件になる。プレッシャーだった。睡眠時間削って勉強して、家事もしてバイトもするのは辛かった。その上、親が不機嫌だとのべつまくなしに怒鳴り込んできて、どんどん睡眠時間は減っていく。

 

 私は救われなかったけど、ここはやっぱり優しい世界だ。


 作った笑顔じゃない微笑が自然と浮かぶ。

 殿下は目を丸くして、頬を染めた。


 ああ——そうか、あれは。

 殿下のあの発言が揶揄じゃないとしたら。

 平民のように恥も外聞も考えなくて良い立場なら、結局最後には殿下の機嫌を損ねるしかない私みたいな難のありずぎる人間なんか捨てて、殿下もヒロインを誘えたのに。


 だからあんなに沈んだ声だったのか。


「彼女は殿下を待っている可能性もありますよね」

「——は?」

「前に殿下は何か相談されていたでしょう? 一番信用できるのが殿下だからだと思います」

 それに、開幕は来年度からだと思っていたけど、もしかしたら、これだってイベントかもしれないじゃないか。

 今までと同じように、私は殿下の手を取るべきじゃなかったのでは?

 さっき、私が、下手に殿下を庇ったから。

 あのままもし私が庇わなかったら、殿下と私の婚約はともかく、ペアは解消されたかもしれない。

 そうしたら殿下はヒロインを選べた。

 私は……また、間違えたのか。空回って、余計なことして、みんなを不幸にする。

 先生はあんな嘘に騙されるような人じゃない。私の我儘を聞いてくれた。でも側から見たらどうなる? 先生が侮られたら?

 それにこの国は、日本の立法・行政・司法みたいに王家・筆頭公爵家・象牙の塔でバランスを取ってる。

 なのにあれじゃ分立じゃなくて談合じゃないか。もう少し周りからどう見られるか考えて動くべきだった。謝って許される問題じゃない。

 今から挽回するなら——


「私が体調不良ということにしましょうか。信憑性もあると思います。そうすれば邪魔者」


 ぱしん、と音がして、顔を上げる。

 護衛が、殿下の口を手で覆ってた。


 ……ええと。


「あの……?」

 護衛が随分苦い顔で、殿下に何某か耳打ちしてる。

「怒鳴るのも物に当たるのも禁止です。殿下の目にも見えてますよね? 次に何かしたらあいつアレそのまま殿下に向けますよ多分。怒らせるとやばいって言ったでしょ? 俺をここに置いてったのは殿下の体調を気にしてじゃないってことはわかってますね?」

 殿下が頷く。護衛が手をそうっと外した。


「……僕とお前は会話が噛み合わないことも多い」


 ——久しぶりにお前と言われた。めちゃくちゃ怒ってらっしゃる。

 どうしよう。でも言いたいことはわかるっていうか無茶苦茶同意。最近はそうでもなかったんだけど、元から私の捻くれた性格のせいで会話が成り立たないことが多かった。


「だから確認させろ」

「……はい」

 消え入りそうな声しか出なかったけど、殿下は聞こえたらしい。


「彼女っていうのはアリス・キャロルか」


 殿下までヒロイン呼び捨てにしてるけど怒りすぎて敬称飛んでる?

 恐る恐る頷くと、殿下の眉間がギュッと寄った。


「邪魔者ってのは誰のことだ」

「……たし、私、です」


 喉が絡んだみたいになったから言い直す。

 護衛その2が大分苦く笑った。


「誰に取っての邪魔者なんだ?」

「……お二人の」

「だから。その二人ってのは誰と誰だ」

 顔が怖い。美形の怒った顔マジで怖い。

「……殿下と」

「早く言え」

「……キャロル様です」


 殿下は海よりも深そうなため息をついた。


「お前を体調不良にして、その後どうしろって?」

「……あの、ヒロ——彼女を、と、ペアに」

「誰が」

「……でんか、が」


 殿下は、正当性を確認するように護衛その2を見てから、顔を戻した。


「この前何か吹き込まれたのか」

「……いいえ」

 そんな詐欺師みたいに言わなくても。

「言っておくが」

 殿下が噛んで含めるように言う。

「僕はお前以外エスコートするつもりはない」

 嘘吐きにも程がある。ヒロインのエスコートは先生がしてたこともあったけど、殿下がしてたことの方がむしろ多いんですが?

「ダンスは……僕の立場上、お前以外と踊ることもあるかもしれないが、それは義務で僕の意志じゃない」

 いや絶対望んで踊ってたってあれ。めっちゃ楽しそうだったし。だから私もヒロインに笑顔でお礼を言ったんだよ。殿下には心の中ではちゃんと申し訳ないって思ってたんだから。

「お前が嫌ならそれもしない」

 何をしないって?

「殿下。流石に外交問題になりますよそれ」

「わかってる。でもスクールの間くらい許される」

「二曲目はパートナー以外とって暗黙の了解があるでしょうが。広く交流するってのがスクールの理念なんですから」

 ダンスってこと?

「成文化されてないんだから校則違反にはならない」

 ……なんかこれ既視感あるんだけど。

「王族なんですから王立スクールの理念は尊重してくださいよ」

「なら剣術大会で優勝する」

 どっから出てきたの剣術大会。ていうかそれなんの関係が?

 護衛その2が頭を振った。

「あんまり束縛強いと嫌われますよ」

「どうせもう嫌われてる」

 ため息を吐いた護衛その2は、私の方を向いた。

「マリー様、殿下のこと嫌ってます?」

「いいえ?」

 今世の殿下は最近の私にとって友達枠なんだけど。ポロッと好きだなって言っちゃったし。真逆のこと言われて驚きすぎて声がひっくり返った。

「じゃ、なんで平民と踊れなんて言うんです?」

「え……あの、彼女が、待ってるのかなと思って」

「殿下、今から殿下が怒りそうなこと言いますけど、多分誤解なんで耐えてくださいよ?」

「……耐えきれなかったらユニウスが責任とって止めて」

 殿下が情けない声で言った。

「善処します。——じゃ、マリー様」

「はい」

 私に言うの? 殿下が怒りそうなことを?

「あいつがお嬢ちゃんのエスコートをするのが嫌だから、そう言ったんですか?」

「——……は?」

 

 ええと。

 元護衛のいう『あいつ』は先生のことだよね?

 先生がヒロインのエスコートをするのを、私が嫌がるかって訊いてる?

 なんでそんな話に?

 嫌も何も、私はそれを見て幸せだなって思って、なんならまた見たいと思ったから殿下の邪魔を頑張ったんですが?

 ちなみに今世の入学式は、自分が新入生代表挨拶しなきゃならないんで緊張しすぎてそれどころじゃなかった。だから見てない。目には入ってたかもしれないけど頭に入ってない! 言われて今気づいたけど見たかった!


「——違うのか?」

「違いますよ!?」


 なんで不思議そうに言うの? 私のどこら辺にそう思う余地が!?


「彼女が殿下を待ってて、殿下も彼女とペアになりたいならって思って言ったんです」

「どうして僕がキャロル嬢とペアになりたいと思うんだ!? どこから出てくるんだその考えは!」

「え、あの、だって、殿下があの、さっき、なんか落ち込んだみたいに言うから」

「何を!?」

「平民の特権かって。だからご自分も平民だったらそうされたいんじゃないかって思って」

「あれはお前が——!」

 私が?

 元護衛が笑い出した。

 お互いひそひそ声で語気を荒げるなんて器用な芸当やってるからおかしかったのかもしれない。


「なんでこう噛み合わないんだ」

 トーンダウンした殿下がぼやく。

 同感です。


 その後すぐ、パートナー決めは時間切れを迎えた。

 だが肝心のエスコートについて何もやらないわけにはいかなかったらしく、お手本の披露のみされることになった。

 まさかお手本を生徒がやるとは、思わなかったけれど。


 日前の小学校でも体育の時間上手な生徒だけお手本やるからよく見ててねの時間は確かにあった。私も飛び箱やらされたことはある。高い所から落ちることが多かったせいで自然と足のバネの使い方覚えたんだと思うけどね。体育嫌いだし苦手という自認の上で指名されたから聞き間違いだと思って1回目無視してしまって当時の担任を困惑させたという苦い思い出がある。私は反抗的な児童ではなかったから。

 

 相手が殿下なせいで選ばれたことに内心ぐちぐち言ってしまう。

 私は注目されるのが嫌いなんだよ本当に。

 だから大貴族にだけテーブルが用意されて椅子に座ってたってわけかよ納得だわ!

 私と殿下じゃ手本にならないでしょうが。見てよこの身長差。ていうか手本として披露させられるなら1回くらい練習しときたかったよ私は。

 いやもしかして、この前のオペラのエスコートを殿下がどうしてもって言ってたのはこれの予行演習兼ねてくれてたのかな……やっぱり私たちは根本的に会話が足りないと思う。ただでさえ噛み合わないのに。

 

 先生の「大丈夫ですか」はこれ込みだったのかもしれない。

 テーブル殴った直後の殿下にエスコートされることになるけど大丈夫? って。

 断罪される日は直後に反論しなきゃならないわけだから、今日はもうその練習だと思って頑張る。


 殿下が差し出した手に手を重ねる前、ちょっと見下ろした自分の手がいまだに震えてるのに気付いて焦った。

 あとハリのある制服の生地が戻らなかったのを、引っ張ってこっそり直す。

 初日のパートナー決めの時間は制服のまま。

 体育の授業がないこの世界では、体操着代わりにダンス用の練習着が用意されている。

 週2日のうち後半は、そっちに着替えてダンスを習う。

 ダンス用の服は授業時間が昼間なのもあって露出はない。でも制服より生地は薄いし色も明るい。だから制服で良かった。


 殿下に恥をかかせるわけにはいかない。——ってダメだ、この思い詰め方だと逆に失敗する。

 お披露目会と同じで良い。私が何かやらかしても、乙女ゲームの攻略対象はきっとスーパーヒーローで、なんの問題もないはず。

 少しだけ気まずそうな表情の殿下に差し出された手を借りて椅子を立つ。

 私もちょっとだけ苦笑して、申し訳ないけど、と思いながら「お願いします」と囁けば、殿下は——胸が痛くなるような、笑顔を浮かべて頷いてくれた。


 指示された通りに、起立、移動、階段昇降、着座と、一通りダンスパーティーで必要なのとそれ以外でも基本とされる所作を披露して、指示はされてないけど、ここまで来たらおまけだとばかりにヒロインがもし扇子を贈られたらという前提で、エスコート中の扇子の正しい扱いも見せる。

 マナー講師に言われたことを思い出してなるべく手本になるように。

 姿勢、表情、パートナーとの視線の交わし方距離の取り方、などなど。

 

 もう今日は絶対うちに帰ったらメイドの淹れてくれたとびきり甘い紅茶を飲む。


 不仲説が流れるのを阻止するためだと思うけど、殿下の仲良い演技は堂に入っているを通り越して私が逃げだしたくなるくらいだった。

 あれだけ怒らせた直後だということを思えば、罪悪感となんであのタイミングで思考実験なんか持ち出したんだという考えの足りなさに恥じ入る気持ちが無限に沸いてくる。

 殿下が頷いてくれた直後に公爵令嬢の仮面をかぶってなかったら、目が泳いでたと思う。

 

 なんとか手本を終えて、実技教科の担当教師にお褒めの言葉とお礼を言われ、心の中で祟ってやろうかなんて八つ当たりながら笑顔で礼をした。

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