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第81話 盛りすぎ

 昨晩は調べ物で時間を取られ、気付けば日付を跨ごうとしていた。規則正しい生活が崩れると思い、途中ではあったが寝ることにした。

 その時になってようやく寒さを覚え、寒暖計をちらりと見る。室温が十九度になっていた。

 ハムスターは寒さに弱いとされている。これも今、気付いたのだがハムの走り回る音がしない。何かを齧る音も聞こえて来なかった。夜行性とは思えない静けさに嫌な予感がして段ボールハウスを覗き込んだ。

 ケージの中にハムがいた。おが屑を少し盛ったところに顔を突っ込んだ姿で丸まっている。見える背中が小刻みに動いていた。

 冬用のカイロを入れた方がいいのだろうか。時期的に少し早いような気がする。

 そこでおが屑を足すことにした。ケージの蓋(ふた)を開けて回し車の下あたりにこんもりと積み上げる。あとはハムが使い勝手がいいように変えるだろう。

 安心感と共に眠気がきて早々に布団の中へ潜り込んだ。


 翌朝は七時に目が覚めた。真っ先にハムの様子を見てみる。

 やはりケージの中にいた。屎尿(しにょう)用の容器の近くで丸くなっていて、おいおい、と心の中でツッコんだ。

 昨晩、積み上げたおが屑は崩されていた。無くなった分は餌(えさ)の容器の中に入っていた。しかも入れ過ぎて肝心の餌が見えない。

 急いで容器を取り出し、おが屑を摘まみ出す。が、予想以上の量に嫌気がさし、中身を全て捨てた。対抗策として餌をたっぷり入れた。おが屑の入る余地はないだろう。


 未だにハムのやることはよくわからない。意味を見出そうとする行為は時間の無駄と切り捨てて、昨晩の調べ物の続きを始めた。

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