第78話 いきなりランキング
今日の朝も肌寒い。寒暖計は二十度を下回りそうになりながらも踏ん張っている。
ハムはケージの中に敷き詰めた、おが屑に横向きの姿でめり込んでいた。腹部を小刻みに動かし、時折、前脚をピクリとさせる。夢でも見ているのだろうか。
今朝はあまり腹が減っていない。朝食の前にノートパソコンを起動させた。PBW関連のメールをチェック。
その時に目に付いた。カクヨムからの通知でハムにレビューが書かれているという。見覚えのある文章だった。
コンテスト用のハムに目をやると、ほぼ同じ文章が見つかった。筆名も同じ。個人的に応援してくれているのだろうか。
小説家になろうにもハムを転載しているので、そちらも見てみた。びっくりしたことに同じ文面のレビューが書かれていた。やはりカクヨムと同じ筆名であった。
そのポイントの押し上げもあって、エッセイの日間ランキングが、なんと六位に急上昇。たったひとりの力で一桁の順位に食い込んだ。
驚きと喜びがじわじわと高まり、人知れず拳を握った。もちろん立役者(?)のハムにはイリコを入れた豪華な餌を与えた。
なんのつもりだ? 邪魔なんだよ。
ハムは前脚でイリコを容器から弾き飛ばした。咥えたヒマワリの種は大事そうに前脚で押さえ、器用に殻を剥いて食べている。
俺としてはなんの不満もない。その行動もネタになる。
そろそろ朝食の用意をするか。冷蔵庫を開けると二割引きの交雑牛のステーキが目に留まった。何故か急に腹が減ってきた。
なんてステーキな朝なんだ。
胸いっぱいで、恐らく腹いっぱいになるだろう。




